「夕焼け小焼けの赤とんぼ~♪」
初秋を思わせる、日本の原風景を歌った童謡「赤とんぼ」の歌詞です。
ん??待って!赤とんぼって、秋に飛ぶとんぼなの??
8月の中旬に赤とんぼを見かけた、筆者の頭はプチパニック!
あまり「赤とんぼ」の姿をみかけなくなった昨今。
今回はそんな赤とんぼと季節に関して、調べてみました♪
赤とんぼってどんな「とんぼ」?
実は「赤とんぼ」という種類のとんぼはいないんです。
「赤とんぼ」は、アキアカネ、ナツアカネなど、体が赤いとんぼの総称です。
中でも代表的なのは「アキアカネ」。
初秋に山から降りてくるころに、体が赤くなる特徴があります。
羽化したての体の色は茶色なんですよ☆
体が茶色から赤色になるのは、繁殖が関係しています。
赤とんぼの繁殖期と飛ぶ季節
赤とんぼの繁殖期と飛ぶ季節を、代表的な「アキアカネ」で説明しましょう♪
まず、赤とんぼのママは、水辺に卵を生みます。
春になると、卵がかえり、6月頃に羽化が始まります。
夏の暑い時期は山奥の涼しい場所で過ごし、秋になると繁殖のため山から下りてきます。
秋はとんぼの恋の季節。
体を真っ赤に染めて、恋のパートナーを探し、見事成就するとメスが水辺に卵を生みます。
こうして命が繋がっていくんですね♪
よって、私たちが赤とんぼの姿を見かけるようになるのは、夏の終わりから秋にかけて。
短い期間ですが、美しい赤とんぼの姿をみたら、ぜひ観察してみてくださいね。
赤とんぼの種類
赤とんぼの中で一番よく耳にする種類は「アキアカネ」「ナツアカネ」でしょう。
実は赤とんぼの種類には他にも、以下のようなとんぼもいます☆
・ミヤマアカネ
・マユタテアカネ
・コノシメトンボ
・ショウジョウトンボ
など、体長は35mm前後~40mm前後の種類が多いです。
種類によって、模様や赤味具合が異なりますので、ぜひ図鑑を見てみましょう!
赤とんぼになるのはオスだけ!
体が真っ赤になる赤とんぼは、オスだけです。
メスは成熟期を迎えても赤くならず、黄色味を帯びた色をしています。
こう聞くと、オスのパートナー探しも情熱的な感じがしますね。
体を真っ赤に染めて、子孫を残すために必死にパートナーを探すオス。
冷静にパートナーを選び、無事に卵を生む役割のメス。
ひと夏を精一杯生きているとんぼたち。
とんぼの姿が恋しくなりました♪
羽に模様がある赤とんぼ
あまり気にしたことがなかったのですが、今回ふと気づいたことがあります。
それは、羽に模様がある赤とんぼがいるということです。
とんぼの羽は、透明というか、透けて見えますね。
ところが、中には羽の先端に色がついている種類がいるんです!
調べてみると「コノシメトンボ」や「ミヤマアカネ」など、アカネ属のとんぼが多く感じました。
筆者が子どもの頃は、このタイプのとんぼがたくさん飛んでいましたよ♪
とんぼの別称
とんぼには別の呼び方があります。
筆者が知っていたのは「蜻蛉(せいれい)」です。
蜻蛉はカゲロウを意味する言葉でもあり、とんぼはカゲロウの仲間と思われていたんです。
夏の終わりを思わせる儚げなイメージは、蝉の一生に似たものがありますね☆
日本で古くから呼ばれているとんぼの別称は「秋津(アキツ)」です。
アキツは、秋の虫という意味で、日本国は秋津洲(あきつしま)と呼ばれていたこともあります。
日本書紀では、神武天皇が日本の形を、とんぼが交尾をする美しい形だとして、秋津洲と名づけたとか。
ユニークな発想ですね☆
とんぼが持つ性質とイメージ
とんぼは、害虫を捕食してくれる益虫として知られています。
秋になると、田んぼの周りで忙しく飛び回り、害虫を駆除してくれているんですね♪
また、前にしか進まないという性質から、不退転、勝ち虫のイメージも持っています。
加賀百万石「前田利家」のカブトにもとんぼが使われています。
学校の校章に使っている地域もありますね。
日本でのとんぼのイメージはおおむね良いイメージです♪
西洋では悪いイメージも!
ところが、西洋ではとんぼはあまりよいイメージではなかったようです。
なにせ英名が「dragonfly(ドラゴンフライ)」というくらいですから・・・。
魔女の針、ヘビの先生、といったダークなネーミングを付けられています。
日本では害虫を駆除し、不退転で、勝ちを意味する益虫。
海外では不吉をもたらすという悪虫。
「とんぼ」は、どこへ行っても「とんぼ」なんですけどね(笑)
神様の使い?赤とんぼは特別な存在
筆者が赤とんぼについて調べている最中、祖母が言っていた言葉を思い出しました。
とんぼ取りに夢中になっている筆者に、祖母は「赤とんぼ」はとっちゃダメだよと言いました。
赤とんぼは神様の使いで、特別なとんぼだから取ってはいけないと。
学術的に言えば、赤とんぼがオスで、黄色っぽいのがメスであり、特別ではないのかもしれません。
しかし、赤色という美しさがが特別な雰囲気を醸し出しているのは事実です。
今思えば、子どもとはいえ、とんぼには大変申し訳ないことをしたと猛省しております。
秋の風物詩「赤とんぼ」を見つけよう!
昨今の都会では、なかなか「赤とんぼ」の姿をみかけないかもしれません。
少し郊外へ足を運べば、田んぼに実った稲の上にちょこんと羽を休めているかも。
日本では勝ち虫と称される赤とんぼを見つけて、モチベーションを上げていきましょう!