日本で将軍と言ったら、江戸幕府における徳川家のことを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、有名であっても将軍たちについてよく知られていないことは多かったりします!
今回はその中でもよくある疑問の、将軍の在位年数、江戸から出たことはあるのか、さらに朝廷との関係はどのようなものであったのかをご紹介します。
これを知れば江戸時代の将軍に詳しくなるだけでなく、日本の歴史を貫くあることも知れますよ!
歴代将軍の在位年数は?
江戸幕府は、徳川家康が征夷大将軍に任じられた慶長8年(1603年)から徳川慶喜が大政奉還をした慶応3年(1867年)までの265年続いた武家政権です!
その間、歴代将軍には15人いて、全員をまとめて徳川15代と呼ばれたりします。
そんな、徳川15代の在位年数と主な業績や人物史は初代から順で下のようになっています♪
- 徳川家康(2年2ヵ月):関ヶ原の戦いに勝ち幕府を開く。将軍職を譲った後、大阪の陣で豊臣氏を滅ぼす。
- 徳川秀忠(18年3ヵ月):家康の命で武家諸法度と禁中並公家諸法度を発布。また、幕府の基盤を固めた。
- 徳川家光(27年9ヵ月):参勤交代を義務付け、鎖国体制を完成させた。
- 徳川家綱(28年9ヵ月):武力や厳罰による武断政治から儒学の理念に基づく文治政治へと転換した。
- 徳川綱吉(28年5ヵ月):緩んだ幕府の綱紀粛正や、儒学を重んじ湯島聖堂を建立。生類憐れみの令を発布。
- 徳川家宣(3年5ヵ月):生類憐れみの令を廃止。正徳金銀を発行し良貨に改めるなど、財政改革を実行。
- 徳川家継(3年1ヵ月):史上最年少の4歳で将軍になったが、病弱で8歳で亡くなる。
- 徳川吉宗(29年1ヵ月):江戸時代中期の幕藩体制の立て直し、倹約令や目安箱など享保の改革を実行。
- 徳川家重(14年6ヵ月):側用人制度を復活させた。享保の改革による増税の影響で一揆が多かった。
- 徳川家治(26年4ヵ月):聡明であったとされるが政治にあまり興味はなく、側用人の田沼意次を重用した。
- 徳川家斉(50年):登用した松平定信が寛政の改革を実行。その後罷免し、自身は放漫な政治を行った。
- 徳川家慶(16年2ヵ月):水野忠邦が天保の改革で質素倹約など統制を断行。ペリー来航の動乱の中、死去。
- 徳川家定(4年8ヵ月):日米和親条約を締結。篤姫の夫で菓子作りが趣味。亡くなると跡継ぎ問題が勃発。
- 徳川家茂(7年9ヵ月):皇女の和宮と結婚し公武合体を進める。勝海舟など幕臣に慕われた。
- 徳川慶喜(1年):将軍としては軍制改革や大政奉還。後に公爵となり貴族院議員に就く。多趣味で有名。
江戸から出ることはあるの?
3代将軍徳川家光の時代くらいまでは、京都などに官位を貰いに行くなど出張することもありました!
しかし、その後は外出しても江戸の周辺くらいまでしか行かない将軍がほとんどでした。例えば、徳川家の菩提寺である増上寺や寛永寺の参詣、家臣の邸宅に行ったり、鷹狩に出たりするくらいです。
ちなみに、この様に将軍が外出することを御成と呼びます。
また、江戸からの遠出は殆どありませんが、日光社参といって日光東照宮まで参拝することもありました。
ただし、莫大な費用がかかるので徳川15代全員が行ったわけではありません。4代将軍徳川家綱までは複数回行った人もいますが、それより後は8代吉宗、10代家治、12代家慶が1回だけです…
朝廷との関係性は?
まず、征夷大将軍は朝廷から任じられ、簡単に言うと武家全ての統率者として天皇から認められた証です。
この天皇に認められるというのが、時の権力者たちにとって重要になります。
例えば、織田信長は将軍足利義昭を担ぎ上げて、豊臣秀吉は関白になって天皇の権威を得ようとしました。ちなみに、徳川家康が将軍になれたのは源氏の一族だと強弁出来たからです♪
なので、実質の権力は征夷大将軍の徳川家が握っていましたが、その正当性など権威は天皇にありました!
その上、禁中並公家諸法度にて天皇や公家の行動を制限し、権力を持てないようにしていたのです。
なお、この法により朝廷が乱れるのを防ぎ、天皇の権威を高め、かつ守るためだったという説もあります。
また、歴代将軍は朝廷との関係を良好なものに維持するため、問題が起こるたびに融和策を行ったのです。
さらに、歴代将軍には天皇をかなり尊敬していた人もおり、特に有名なのは徳川綱吉になります。なんと、忠臣蔵の元ネタになった赤穂事件の背景にも関わっているのです。
この事件では、浅野長矩が吉良義央を松の廊下で切りつけ即日切腹を命じられました。そして、その理由は事件が朝廷からの勅使を迎えての重要な儀式の直前で、それを台無しにされ激怒したためなのです!
将軍を深掘りすると?
江戸幕府は、最も長く続いた武家政権です。なので、様々な将軍がいて、様々な出来事が起こっています。その一つ一つを見ていくと、今に繋がるようなことを行った将軍がいたりして、非常に興味深いです。
また、その様な長期政権を築くために歴代将軍が行ってきな様々な政策に注目していくと、よりそれぞれの時代ごとの特徴が出てきます。
さらに、忘れてはいけないのが天皇との関係性です!
実は日本の歴史の中で天皇はどの時代にも何らかの影響を与えていて、日本史の大きな特徴でもあります。
特に、徳川の時代は将軍との関係性が変化に富んでいて興味深いです。
このように徳川15代には様々な歴史があるので、是非お気に入りの一人を見つけ深掘りしてみてください!