日本舞踊というと『良い所のお嬢さんの習い事』というイメージがあり、少し敷居が高いというのが個人的な日本舞踊の印象です…。
では、なぜ敷居が高く感じるのか?
知っているようで知らない『日本舞踊』のことを調べてみました!
ちょっと興味はあるけど、「良くわかんない…」「難しそうだなぁ」と思っている方、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
日本舞踊とは
日本舞踊とは、すなわち『日本の踊り』です。
日本舞踊協会のHPでは、『日本の踊りといっても、神楽や伝承民俗芸能、あるいは盆踊りや民謡といった民俗的なものではなく、あくまでも舞台上で上演する事を目的とした一個の舞台芸術』と定義しています。
⇨ 日本舞踊協会
舞台上で上演することを目的とした一個の舞台芸術とすると日本では『日本舞踊』ですが、海外で例えるならば、『バレエ』や『オペラ』ですかね?
『バレエ』や『オペラ』も舞台の上で行われる芸術ですよね。
日本舞踊の始まり
舞台芸術として上演されたのは17世紀初頭、今から400年ぐらい前のことです。
出雲の阿国が、当時横行していたかぶき者と呼ばれる意気がった若者たちの、茶屋女に通う姿に男装して、流行歌や踊りをまじえて上演したのが始まりとされています。
これが、「阿国のかぶき踊り」です。
確かに舞台芸術としての始まりは「阿国のかぶき踊り」かもしれません。
ですが、芸術はある日突然できるモノではなく、日本の歴史の中に脈々と受け継がれてきた先行芸能である「舞楽」「白拍子」「能楽」の要素は勿論、様々な民俗芸能のエッセンスが含まれた日本の芸能の集大成が『日本舞踊』と言えるものなのです。
では、ここで『日本舞踊』に大きな影響を与えている「日本の芸能」を歴史の古い順に見てみましょッ!!
舞楽
奈良時代から平安時代にかけて天皇や貴族が楽しんだ舞を【舞楽】、そして、その舞を彩る音楽を【雅楽】と言います。
舞楽・雅楽は中国大陸や朝鮮半島から伝わってきました。
1000年以上の伝統を誇る日本の伝統芸能です。
よくお正月三が日にNHKの朝早い時間帯にやっていますよ☆ 見たことがあるかもしれません。
白拍子
平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こった歌舞の一種です。
立烏帽子(たてえぼし)、水干(すいかん)、単(ひとえ)、紅長袴(あかのながばかま)に錦包藤巻(にしきづつみとうまき)の太刀(たち)を佩び、手に蝙蝠(かわほり)という扇をもった男装した女性が、素拍子で今様の簡単な歌を歌いながら舞を舞うというものです。
源義経の恋人である静御前が有名ですよね!
能楽
14世紀半ば観阿弥(かんあみ)、世阿弥(ぜあみ)という二人の天才役者現れました。
父の観阿弥はそれまで単調だった謡(うたい)に、拍子中心の「曲舞」(くせまい)というリズムを採り入れます。そして、若くして父の跡を継いだ世阿弥は次々と能を創作し、今までそうであった面白い能から芸術性の高い美しい能へと飛躍させました。
観阿弥・世阿弥親子は時の将軍足利義満に気に入られお抱え役者になりました。
究極のパトロンを得た観阿弥、世阿弥親子の元、能楽はこの時期に完成されました。
それ以後、能楽師は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と言った歴代の権力者のお抱えとなり、能は武家の教養として発展していきました。
そのあと出来ていく、日本舞踊に大きな影響を与えています。
日本舞踊が出来てから
出雲の阿国が京都から江戸にかけて「かぶき踊り」を広めていく中、江戸幕府も築かれていきました。
江戸時代以降、江戸を中心とする歌舞伎舞踊が発展してきました。
それ以前の文化の中心は京都と大阪でした。
東京を中心とする[江戸文化]と、京都・大阪を朱とする[上方文化]それぞれがそれぞれに発展して行きました。しかし、19世紀には江戸文化が上方文化を圧倒してしまいました。
こうした中で京都・大阪には江戸の歌舞伎舞踊とは別に、舞台を離れて料亭の座敷、貴族の狭い空間で舞を演じ鑑賞することが盛んになっていきました。
そして現代
日本舞踊は、400年以上の歴史を経て、歌舞伎を母体とするいわゆる歌舞伎舞踊、 座敷舞の伝統を持つ上方舞や京舞、そして新しい創造を目指す創作舞踊など様々な形態があります。
古典芸能である日本舞踊を基礎として、見る人にも分かりやすくしたも舞踊が現在進行形で、どんどん作られています。
踊り手は現代に生きる人ですから、日本の音楽・演劇だけでなく、海外の映画、音楽・演劇にも影響を受けています。
伝統に根差した、確かな技術を身に付けている人が作り出す新しい演劇は、観劇する側としても、舞台の上で演劇する側としてもエキサイティングなことです。
今作られている作品が、50年、100年後に「名曲」として残るからです。
その目撃者になるのもとても楽しいことですよね?
日本の芸能の沢山のエッセンスが入った日本舞踊はまさに『日本の芸能の集大成』です。
観るもよし、やるもよし!
日本人が見てて「美しい」と感じたり、「楽しい」と感じたことがギュッと詰まった玉手箱の様なものと思います♡ 観客として観ても、踊り手として踊ってもどちらにしても十分価値のあるものと感じます。
是非、劇場に足を運んだり、自分で教室の門を叩き、挑戦してみて下さい!