大阪の観光名所の一つに、通天閣があげられます。
なぜ、通天閣が観光名所になっているのかというと、やはり映画やドラマ、テレビで大阪の写真が使われる際に通天閣の写真が使われることが多いからでしょう。
通天閣の写真を見れば、誰もが大阪らしさを感じられる特別な建造物です。
しかし、なぜ通天閣は大阪のシンボルのような存在になりえたのでしょうか?
ここでは、通天閣の歴史と現在の状況について詳しく説明します。
通天閣の歴史
今、建っている通天閣は、なんと2代目。
大阪に住んで8年にもなりますが、この事実は知りませんでした。
初代通天閣から歴史を振り返ってみると、大阪人らしいエピソードや当時の日本の様子を感じることができました。
≪初代通天閣≫
初代通天閣は、1903年の内国勧業博覧会誘致をきっかけに、パリのエッフェル塔を真似た通天閣の建設が進められていきました。
しかし、エッフェル塔を真似るだけじゃインパクトが足らん!と当時の大阪商業会議所の会長である土居通夫が進言。
こうして、パリの凱旋門とエッフェル塔を合わせたような初代通天閣ができあがったのです。
初代通天閣の高さは91Mと発表をしていましたが、実際は75Mだったそうです。
それでも、当時の東洋では一番の高さの建物となりました。
このちょっと高さを盛っているところが、大阪人の話をちょっと盛って面白く話すという習性を反映しているような気がしてなりませんね。笑
ですが、世界から日本に訪れた人々に日本の建築技術を見せつけ、また多くの日本人からも愛される建造物であったことは間違いありません。
しかし、悔しくも1943年1月、近所にあった映画館の火事から通天閣にも延焼が起こり、焼け落ちてしまったのです。
≪2代目通天閣≫
焼け落ちてしまった通天閣を再建しようと、1953年に有志が集まり始めました。
最初は誰も相手にしなかった話だったようですが、1955年8月17日に奥村組の施行で起工となったのです。
予算や資本金を集めることにかなり苦労したそうで、集まった有志らで高利貸しからも資金調達を行ったというエピソードまで残っています。
そして、1956年には初代と同じ高さである(?)91Mの位置に展望台がある通天閣が出来上がったのです。
それからその翌年には、みなさんご存じの日立のネオンが輝くことになりました。
このネオン広告については、裏話があります。
当初は、松下電器産業がネオン広告となる可能性があったのです。
しかし、当時の社長である松下幸之助がそれを却下。
今では大阪の企業が欲しくてたまらない広告を逃してしまったのです。
あの有名な起業家でも、惜しい判断をしてしまうものですね。
このように、大阪府民が自ら立ち上がって再建した通天閣は、大阪の底力と企業の力の集まりで出来上がったものです。
そのため、大阪府民全員が認める大阪のシンボルとなりえたのですね。
通天閣の現在
ドラマティックな通天閣の歴史。
大阪のシンボルというポジションを確立した通天閣の現在は一体どうなっているのでしょうか?
≪東洋で1位だった通天閣の高さの順位は?≫
初代が出来上がった当時の通天閣は、アジアでナンバーワンの高さ。
では、いったい今の順位はどうなっているのでしょうか。
通天閣の現在の高さは103M。順位は、なんと日本で62位!
率直な感想を述べると、意外に低いな!というところ。
もちろん、1位は東京スカイツリーで635Mだから、妥当と言えば妥当なのかな?
≪展望台の料金は?≫
2021年7月現在、大人900円、子供400円となっています。
そして、跳ねだし展望台に行くには大人は+300円、子供は+200円。
これが高いのかどうかはわかりません。
すぐ近くにあるあべのハルカス(300M)は、大人1,500円ですから何となく高いような気がしてきますね。
通天閣の詳しい詳細は下記の公式サイトをご覧ください。
通天閣の周辺はTHE大阪!
大阪のB級グルメの一つとして、串カツがあげられます。
通天閣の周りには、串カツ屋さんが多く出店されています。
有名なフレーズとして「二度漬け禁止!」というものです。
共有して使うソースの利用には最低限のマナーとして、自分がかじったものを人が使うソースの中に入れないというもの。
これは守っていないと、人として失望されますよ。
そこで、そうならないためにも、ソースが足りなかった時のコツをお伝えしておきます。
串カツにはだいたい、付属としてキャベツが出されます。
そのキャベツでソースをすくって、食べ物にかけるんです。
そうすれば、唾液がソースに混じることもありませんし、キャベツにも串カツにも味をつけることができる一石二鳥の技なんです。
もし、大阪で串カツを食べることになったら思い出してくださいね。
通天閣にいるビリケンさんってなに?
現在の通天閣の名所となっているのは、5階の展望台にある「ビリケン」でしょう。
大阪ではビリケンさんと呼ばれており、その足を撫でると御利益があるとされています。
その台座には、「全知全能の神」と書かれているので、本当に御利益がありそうですよね。
デザインはアメリカのフローレンス・プレッツ氏が担当したものらしく、現在のビリケン像は3代目です。
初代のころから、ビリケンさんのグッズ売上はかなり好調。
しかし、デザインをしてくれたフローレンス・プレッツは、契約内容の不備から月に30ドルしか手元にいかなかったそう。
「もうビリケンという名前を聞きたくない!」とまで言っていたようで、当時の新聞では『ビリケンさんは作者以外の全員に幸福をもたらした』とまで評されていました。
大阪に来たらまずは通天閣へ!
せっかく大阪に観光に来たなら、まずは通天閣へ!
高さ順位が低い?
高さなんて大切ではありません。
重要なのは、そこに大阪らしさがあるかどうか。
大阪の魅力がたくさんつまった通天閣は、今後も観光名所として大阪のシンボルとなり続けるでしょう。
大阪観光の際は、ぜひ通天閣へ足を運んでみて下さい☆