伝統工芸品には様々な植物由来の材料が使われています。
その中でも竹は用途が広く、伝統工芸品の材料における代表格です!
今回は、そんな竹細工にはどんな種類があり何処で作られているのか、さらに有名な2つの産地についてより詳しく深掘りします♪
そして、材料を通して知ることが出来る日本のあることについても分かるようになりますよ。
竹細工の種類って?
竹細工と言うと、竹籠など編まれたものを想像するかと思います。
しかし、実は竹細工の意味からするとそれはほんの一部にしか過ぎないのです!
まず、竹細工とは竹ひごを編んだものだけではなく、竹を加工して作られたもの全般を指します。つまり、非常に多彩な品々になっているのです。
- 日用品、漁具、農具:籠、ザル、竹ぼうき、竿など
- 楽器:尺八、篠笛など
- 茶道具:茶杓、茶筅など
- 園芸品:鹿威し、柵など
- 玩具:水鉄砲、竹とんぼなど
- 武器:竹弓
最近では、竹で編んだかごを使ったインテリア照明なんてものもあったりします。
このように、竹は古くから日本で様々な用途に使われていて、いかに身近な素材であったかが分かります。
なので、日本建築などでは様々な竹を素材としたものを見つけられるので、ぜひ探してみてください♪
竹細工の主な産地
竹細工の主な産地として、特に伝統工芸品というポイントに注目するなら経済産業大臣の指定を受けている伝統的工芸品が有名です。
- 江戸和竿(東京都)
- 駿河竹千筋細工(静岡県)
- 大阪金剛簾(大阪府)
- 高山茶筌(奈良県)
- 勝山竹細工(岡山県)
- 別府竹細工(大分県)
- 都城大弓(宮崎県)
正確に言うと竹細工ではなく、竹工品として指定されています。ただ、竹工品と竹細工にはほとんど意味の違いはありません。
それで、伝統的工芸品を見てみると、弓、竿、簾、茶筅など実に多彩なラインナップなのかが分かります。このことからも、いかに色んな所で竹が使われているかを見て取ることができます♪
なお、伝統的工芸品に指定されているものは上記の7つだけなのですが、竹細工を作っているところは他にもたくさんあります。ただ、指定されていないだけなんです!
他にも各地方自治体が、独自に伝統工芸品として竹細工に関するものを指定している場合もあります。
ですので、有名所が少ないように感じられるかもしれませんが、実際はいたる所で作られています。
また、最終的に竹が目立たなくても材料として竹が使われており、実はほぼ竹細工といえるのもあります。例えば、扇は骨の部分がよく竹で作られています。
この様に竹のみで作られたものだけを竹細工だと考えてしまうと、むしろ日本における竹の使い方において見過ごしてしまう部分が出てしまうのです!
なので、竹細工を探す時はより幅広い視点で、固定観念を取っ払って探すと良いでしょう♪
別府竹細工
なんと、別府で竹細工が作られた記述は日本書紀にまで遡ることができます!
しかし、本格的に作られるようになったのは室町時代で、行商用の籠が始まりです。
その後、江戸時代には別府温泉の名が広く知られるようになり、湯治客の滞在中の生活用品としての需要が高まります。
さらに明治時代になると別府港が整備され、より別府温泉の人気が高まると生活用品としてだけではなく、土産物としても求められるようになり。地場産業として確立しました。
また、竹細工の技術者を育成する学校が設立され、多くの作家や技術者が輩出されるようになったのです♪
この様に、別府竹細工は港という交易の要所と温泉の観光地の2つの要素が相まって発展していったのです。
他にも別荘が建てられ、文化人から美術工芸品としての竹細工が求められたのも発展した要因になります。
江戸和竿
江戸和竿の特徴は、何本かの竹をつなぎ合わせて1本の竿にする継竿という点になります。この継竿が江戸で作られるようになったのは、江戸時代の中期の頃です。
ちなみに、継竿は京都でより古くから作られていたとされ、口伝では平安時代の末期とも言われています。
そんな、江戸における継竿が発展したのは江戸時代の1788年創業した泰地屋東作による所が大きいとされ、今の江戸和竿職人の系譜を辿ると多くの場合でここにつながるのです!
また、江戸は多くの人が住む都市なのでニーズが様々あり、季節ごとに釣る魚を変える文化があったので、江戸和竿自体も多様化していきました♪
例えば、季節ごとの魚に合わせた竿や美術工芸品とも言える竿が作られました。
つまり、江戸和竿の発展したのは江戸の人々の釣りを愛する文化があったからなんです。
伝統工芸品の素材とは?
竹は日本だと至るところに生えており、それ故に多種多様な竹細工が作られるようになりました。
なので、日本各地で様々な伝統工芸品の材料としても竹が使われているのです!
また、そんな風に色んな所で竹が使われているので、その使われ方により地域の個性が表れます。例えば、別府では土産物の需要、江戸では多様な釣具の需要、それぞれに見合った竹細工が作られました。
このように同じ材料でも地域により使われ方が異なり、その違いから地域の文化や歴史の特徴を知ることが出来るのです♪
なので、面白い伝統工芸の材料の使われ方があれば、ぜひそんな風になった理由を調べてみてください!