最近、伝統工芸の職人になりたいという話をちらほら聞くことがあります。かく言う私も、かつて考えたことがあります。さらに、大学にて関連する講義を受けたこともあります。
さて、そんな職人になるにはどうすればよいのでしょうか?工房の門を直接叩きに行きますか?
それよりも私は、まず専門学校なりに通うことをお勧めします。
その理由を今回ご紹介していきたいと思います。
伝統産業以外のことが学べるという利点
最近は、伝統産業の職人といえども、ひたすら技術を磨いていれば良いという訳には行かなくなりました。少なくとも、私が知り合った職人さんたちは色んなことに挑戦されていました。
なにせ、今まで通りに変わらずものづくりをしていても、売れないし、生き残っていくことが非常に困難なってきたからです。
では、とにかくなんでもいいから挑戦すれば良いのかというと、そうでもありません。そんなことをしていても、成功に至ることは極めて難しいでしょう。
そこで、そのヒントを得るために学校で学ぶのです。デザインや経営方法などといったことを体系的に学ぶには、やはり学校に行くしか無いと思うのです。
なにより「自分が知ろうともしなかった事を知れる」ということが、学校で学ぶことの大きな意義だと思います。これは私が大学に行ってより強く感じたことです。
伝統工芸周辺の情勢を知ることができる!
さて、伝統工芸について調べたとき、中々要領を得ないのが「今、実際に伝統工芸はどうなっているか?」ではないかと、私は思うのです。
なんというか、伝統工芸そのものの紹介はあっても、今どんな状況になっているかとか、どんな取り組みをしているのかとか、その辺のことがインターネットでは見つからなかったりするのですよね。
やはり、そんな時に重要になってくるのが、生の声を聞くということだと思います。それも、より多くの声を聴くほうがより状況を把握しやすいでしょう。
そんな情報が集まるのは、何と言っても専門の学校だと思うのです。というより、それ以外で知る方法があまり無いと思います。何より、情報の鮮度が違います。
そうやって、より多くの情報を得ることによって、曖昧だった伝統工芸のイメージから、より具体的なイメージを描くことができるようになるはずです。
そして、自分が将来、どのように伝統工芸に関わっていくべきなのかが見えてくるでしょう。私の場合、結局「職人という形ではない形で関わっていくのが良いのでは?」と思うようになりました。
人とのつながりを得るということ
時に、伝統工芸の職人さんの知り合いはいますでしょうか?
私の場合、特に親しいというわけではありませんが、知っている人はいます。多くの人は全く関係を持ったこと自体ないかもしれません。
で、そうなると「どうやって、そういった人たちと繋がりを持とうか」と考えることになると思います。ここで詰まってしまう人も多いのではないでしょうか?
私の場合は、大学の講義で知り合うことになりました。実際に工房を訪問して、いろんな話を聞かせてもらいました。やはり、こういう機会がないと知り合うことは無かったと思います。
なので、そういった伝統工芸の関係者との繋がりを持とうと思ったら、そういったことを学べる専門学校などに行くのが手っ取り早いでしょう。
また、実際に就職するぞといったときも、何処の馬の骨ともしれない人より、どこそこで学んできましたといった方が信用されやすいでしょう。学校自体が支援してくれたりすることもあるでしょうし。
やはり、そうった繋がりを得るために学校に行くというのもアリだと思います。
まとめ
1. 伝統工芸をやっていく上で、それ以外のことを知っていることは大事
2. 伝統工芸の現状を知るためには、情報が集まりやすいところに行った方が良い
3. 伝統工芸の関係者と知り合うためには、機会を得られるような所に行くしか無い
以上3つが、伝統工芸を学校で学ぶということをお勧めする理由です。
伝統工芸の世界は現在、苦しい状況に立たされていて、それを乗り切るために必死に努力されています。
そんな中で、そういった世界に飛び込もというのは、素晴らしいことだと思います。
なので、その勇気が報われるようなやり方を考えてみてください。