ミーンミーン。
ジージー。
ツクツクホーシ、ツクツクホーシ。
カナカナカナ・・・。
朝から蝉の鳴き声が聞こえると、今日も暑くなるかなぁと気温を気にする昨今。
蝉はカブトムシやクワガタに並ぶ、虫取り少年たちに人気の昆虫です。
蝉時雨は大人にとっては少々うるさく感じるかもしれませんが、蝉にとっては大事な音。
おや? 蝉時雨って何?
時雨って、なんと読むの?
という方もいらっしゃいますね☆
では、今回は、蝉時雨の意味や読み方などをご紹介しましょう!
虫が苦手な方のために、なるべくイラストでご紹介しますね。
時雨って何?
時雨と書いて「しぐれ」と読みます。
時雨(しぐれ)は、秋から冬にかけてパラパラと降る通り雨のことを言います。
地域によっては天気雨と呼ぶことも。
そのほか、涙ぐむ、涙を落とすという意味にも用いられます。
料理には「時雨煮」という言葉がありますが、これには
・時雨が降る時期にハマグリが美味しくなる
・さまざまな味が口の中に広がる様子を、一時的に降る時雨にみたてた
が由来といわれています。
ハマグリの時雨煮が有名ですが、アサリやシジミなど、貝類を使った時雨煮もありますよ。
また、大根おろしや紅葉卸(人参をすりおろしたもの)を入れる「しぐれ鍋」もあります。
こちらは時雨という言葉より「みぞれ」という言葉がよく使われますね。
蝉時雨とは?
蝉時雨(せみしぐれ)は夏の季語で、蝉が一斉に鳴く様子を表しています。
筆者も蝉時雨に遭遇した体験がありますが、耳をつんざくほどの大音量でした!
樹木が並ぶ駐車場で、車を降りた瞬間、蝉がミンミン鳴く音がして思わず耳を塞ぎました。
まさに蝉の鳴き声が、雨のしずくのように降り注ぐイメージです。
蝉時雨には種類がある?
蝉は種類によって、活動の時間が異なります。
ツクツクホウシとアブラゼミは、朝方と午後。クマゼミとニイニイゼミは午前中。ヒグラシは朝方か夕方といった具合です。
炎天下にミーンミーンと激しく主張するのは、鳴き声のとおり「ミンミンゼミ」です。
一匹でも近くにいると、大音量に感じる鳴き声なので、蝉時雨の激しさはゲリラ豪雨並み。
アブラゼミにミンミンゼミが混ざると、もはや蝉時雨というより蝉みぞれかも。
暑い一日が終わりを迎える夕刻になると、ヒグラシのカナカナカナ・・・という鳴き声が聞こえてきます。
蝉時雨を構成する蝉の種類
蝉時雨といってもヒグラシの優しい鳴き声と、日中にミンミン、ジージー鳴く声では差がありますね☆
具体的には、どんな蝉が時雨を構成しているのかご紹介しますね。
・ミンミンゼミ・・・ミーン、ミンミンミーィ
・ツクツクボウシ・・・ツクツクホーシ、ツクツクホーシ
・アブラゼミ・・・ジー、ジリジリジー
・クマゼミ・・・シャンシャンシャンシャン
・ニイニイゼミ・・・チー
・ヒグラシ・・・カナカナカナ
1週間ほどのわずかな期間、精一杯の力を振り絞って鳴く蝉たち。
ヒグラシの鳴く声は、夏の夕方に聞くと何となく涼を感じることがあります。
暑い夏も蝉時雨を聞いて楽しく過ごせたらいいですね。
こちらのサイトでは、蝉の鳴き声と姿を確認できますよ☆
ただし、大音量にはご注意を!
→ 蝉の画像と鳴き声
時雨を使った言葉
蝉以外に、時雨という言葉がつくものを調べたところ、料理以外に「虫時雨(むししぐれ)」があります。
多くの虫が一斉に鳴く様子を、雨音に例えた言葉です。
虫時雨は秋の季語で、鈴虫やコオロギの大合唱をイメージさせます。
京都にある「鈴虫寺」では、多くの鈴虫を飼育しており、通年多くの参拝者で賑わいます。
お茶とお菓子をいただきながら、説法を聞きつつ、鈴虫の虫時雨も体験できる場所です。
カエルは虫時雨とは言わない
虫時雨は秋の季語なので、カエルの大合唱は、虫時雨とは呼ばないようです。
カエルが合唱をするのは、梅雨時期。
でも、「蛙時雨」と漢字で書くと、辞典に載っていそうな気がしますね(笑)
鳥時雨もない
同じように、大合唱を奏でるカラスやムクドリの群れ。
しかし、鳥類もまた時雨とは言いません。
時雨が「秋」の通り雨を表す言葉なので、通年鳴いているものは対象外かもしれませんね。
時雨をタイトルに持つ歌は多い
時雨という言葉を魅力的に感じるアーティストは多いようです。
一例をご紹介しますと、
・夏時雨・・・THE ALFEE
・凛として時雨・・・TK(TV 東京喰種-トーキョーグール- OP「unravel」)
・桜時雨・・・都 はるみ
演歌は他にも「しぐれ舟」「しぐれ坂」「しぐれの酒場」「面影しぐれ」「片時雨」・・・。
時雨と名の付く作品は多いので、ぜひ探してみてくださいね♪
ちなみに映画では「時雨の記」という作品がありますよ。
蝉時雨と秋の訪れ
いつまでも暑いなあと思っても、9月に入ると少しずつ肌寒さを感じ始める地域も。
蝉時雨から虫時雨にバトンタッチされる頃には、長袖の準備が必要になります。
○○時雨と名づけるところも、日本らしい文化ですね。
蝉時雨、虫時雨に気づいたら、ぜひ耳を傾けてみてください☆