毎日何気なく目にしている暦、カレンダー。
でも細かく見てみると、月日、曜日を確認することはもちろん、その日の行事や祝祭、節気、大安や仏滅などの六曜も記載されていることがわかります。
また、〇月を表す部分には、例えば7月 JULY “文月”と書いてあることがあります。
“文月”は昔の月の呼び方ですが、どの月にもあることは有名です。
この記事では、日本に伝わる月の異名についてご紹介します☆
“月の異名”いつから使われていた?
“月の異名”とは元は旧暦で使われていたもので、歴史は古く、約800年前に作られたと言われています。百人一首の中にも9月を表す“長月”が出てきますね。
”今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな”
この句は、素性法師というお坊さん(男性)が作りましたが、意味は”今すぐに行くと言ったのになかなか来ない男性を待つ女性の気持ち”を詠んだものです。
この他にも万葉集や日本書紀などの書物の中にも“月の異名”は使われています。
本当に昔から日本人に親しまれてきたものだったのですね(^_-)-☆
“月の異名”の意味と成り立ち
なかなか普段の生活では目にすることが減ってしまった“月の異名”ですが、例えば12月の“師走”はニュースでもよく使われる言葉だし、3月の“弥生”や5月の“皐月”は人の名前にも使われることがあるので聞き覚えがあると思います。
1月から見てみると…。
・1月 睦月(むつき)
1月と言えばお正月です。お正月には親類縁者みんなで集まりごちそうやお酒を囲んで祝います。その楽しく“睦みあう”様子から名づけられたのが“睦月”です。
・2月 如月(きさらぎ)
2月はとても寒く、何枚も更に衣(着物)を重ねて来ている様子から、きさらぎと呼ばれるようになり、“如月”という漢字は中国の2月を表す漢字からとられています。
・3月 弥生(やよい)
3月になるといよいよ暖かくなり、草木も生い茂り始めます。その様子から“弥”ますます“生”生い茂るので“弥生”となりました。
・4月 卯月(うづき)
4月になると卯の花(ウツギ)が咲くことに由来して“卯月”となりました。
・5月 皐月(さつき)
5月は田植えの時期に当たり、“早苗月”から“さつき”となったと言われています。
・6月 水無月(みなづき)
6月は梅雨時期なのに不思議な呼び方ですが、梅雨明け後の猛暑が始まるので“水無月”と呼ばれるようになりました。
・7月 文月(ふみつき)
7月は七夕の季節です!今では短冊に願いを書いて笹飾りを作りますが、昔は七夕に書物を飾る習慣があり、そこから“文月”と言われています。
・8月 葉月(はづき)
8月は旧暦の秋のため、“葉が落ちる月”で“葉月”となりました。
・9月 長月(ながつき)
9月になると日も短く、夜が長く感じることから“長月”となりました。
・10月 神無月(かんなづき)/神在月(かみありづき)
旧暦の10月は全国の神様が出雲大社に集まるため、“神無月”と呼ばれています。逆に出雲地方では神様が集まってくるので“神在月”と言われます。
・11月 霜月(しもつき)
寒くなり、霜が降りてくることから“霜月”となりました。この言葉を聞くと、小学校の国語の教科書で出てきた「モチモチの木」の一説を、担任の先生が怖そうに朗読してくれたことを思い出します。笑 “しも月二十日の晩…”という声が今も耳に聞こえてきます。(*_*)
・12月 師走(しわす)
言わずと知れた師走。お坊さんや先生方が忙しく走り回ることから“師走”となりました。
12月まで由来を見てきましたが、日本人らしく四季折々の自然を元に作られた素敵な言葉だと感じますね(^_-)-☆
簡単な覚え方
娘が小学校2年生だったころ、何の授業だったか、この月の異名を覚えたことがありました。
何も教わらずにチャレンジしたプリントを見ると、5月にカタカナでサツキとだけ書いてありました。
全滅かと思ったけど「よくわかったね!」と褒めたところ、ジブリアニメの「となりのトトロ」の主人公姉妹の名前がサツキとメイだったのを、DVDを見ながら「きっと二人とも5月生まれだね♪」と私と話した会話を覚えていてくれたらしいのです。笑
がぜん良い気分の私は、一緒に何度も声に出して練習し、娘もそれで覚えました(^_-)-☆
英語の月と同時に、月の異名も覚えられるなんて一石二鳥!
子どもたちの歌声がかわいいです♡
じーっと見てみると…
暦の中でも月の異名についてご紹介してきましたが、普段何気なく見ている暦の中にも「これは何だろう?」と思うことが沢山あり、そういった疑問は日本の文化や気候といった文化につながっています!
そして、そういった文化に触れるとことで、さらに日本の文化の奥深さを感じさせられます。
それを見つけた時の楽しさを、これからもずっと味わっていきたいと思います(^_-)-☆