おりん

仏具のおりんを鳴らす意味とその種類!進化する”燐”文化を解説します!!

「おりん」、「りん」と聞いてピンとくる方は中々いないと思います。

ただ、仏壇に置いてあるチーンと鳴らすやつと言えば、多くの方がわかっていただけると思います。

ご自宅になくても祖父母の家や親戚の家等で見たことがあると思います。

日本人で「おりん」を見たことがない人は、逆に珍しいと言えるでしょう。

ただ、仏壇の減少などから現在では目にする機会も減ってきてしまいました。

この先「おりん」を見たことがない人も出てくるかも知れません。

しかし、「おりん」には古くから使われてきた伝統やおもしろい文化があります。

さらに現代には、仏具とはまた違った「おりん」も作られてきています。

今回はそんな「おりん」について解説していきます!!

「おりん」はなぜ鳴らす?

おりんそもそも「おりん」はなぜ鳴らすのでしょうか。

主な理由は、読経(どっきょう)の際に、「おりん」で「音程」と「リズム」を合わせるためです。

読経の音程と同じ、ドレミで言う「レ」が基準になっています。

「おりん」は音叉の役割をしています。

また、「おりん」を鳴らすことで、読経の速度を合わせます。

他にも「おりん」を鳴らすことによって、人々の邪気を払うとされていたり、供養や祈りを「りん」の音に乗せて、極楽浄土に届けるともいわれます。

また、おりんは仏前に向かう度に鳴らすものではありません。

おりんを鳴らすのは、お勤めで読み上げる読経の中で、鳴らす場所が決められているためです。

お線香をあげる時やご飯をあげる時に鳴らしてしまうと、無闇に鳴らしている行為となってしまいますので、NGとなっています。

実は色々ある!?おりんの種類

おりんおりんにもいくつかの種類があります。

まずは普通の「おりん」です。

基本的なおりんの形で、鉢や壺のような見た目をしています。

おりんの”りん”とは、お椀型の鐘の部分のことを指し、おりんを鳴らすためにはりん棒と呼ばれる専用の棒が必要です。

また、おりんを直接仏壇に置くのではなく、りん台と呼ばれる台の上に置くのが一般的で、更におりんの衝撃を吸収して傷がつくのを防ぐために、間にりん布団と呼ばれる中敷きを敷きます。

昔ながらのおりんのスタイルで、りん、りん棒、りん布団、りん台がセットになっているタイプです。

また寺院で使われるおりんは「磬子」(「きんす」もしくは「けいす」)・「磬」・「鏧」と呼ばれます。

続いては印鏧(いんきん)です。

携帯用のおりんで、お墓での法要の際などに僧侶が使用することが多いです。

小型のりんとりん布団に持ち手が付いていて、手で持ってりん棒で音を鳴らします。

続いては高台りんです。

ワイングラスのようにりんに脚が付いているタイプのおりんで、りん台を必要としないことが特徴です。

りん自体に脚がついているので、衝撃を吸収するためのりん布団を使用する必要はありませんが、下敷きとして薄いりん敷きを敷くことが多いです。

ここまで、おりん自体の種類について解説してきましたが、実はおりんの素材にも種類があります。

金属も製法も色々?おりんの作り方

鋳造基本的なおりんの素材となる金属は真鍮(しんちゅう)と呼ばれる銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものを言います。

この真鍮を溶かし、型に流し込んで作ります。

また、工房によっては型に流し込んで作るのではなく、槌で叩いて形作るところもあります。

続いては佐波理(さはり)です。砂張と書くこともあります。

こちらは銅と錫(すず)、鉛の合金です。

非常に硬い金属で加工がその分難しいですが、良い音が鳴ります。

その音の良さから「響銅」と書かれる時もあります。

こちらは硬く、力を加えると簡単に折れてしまうので、叩いて整形することが難しく、溶かして型に流し込んで作られるのみとなっています。

おりんの音は厳密にいうと同じ音はないそうです。

このように、素材や種類が沢山あると、それぞれ様々な音があると思うので、色々と試してみるのも楽しいと思いますよ。

進化する燐。おりんの新たな形!!

おりんそんなおりんですが、上記でも説明したように、仏壇離れ、仏教離れで日本人の生活から徐々に姿を消してしまってきています。

しかし、今まで通りの単なるおりんではなく、意外なところでおりんは形を変え、進化し人気のものとなっています。

例えば瞑想やヨガに使われるケースです。

瞑想やヨガをする上で癒しの音として使われることが増えています。

特に海外では、マインドフルネスという瞑想が流行っており、その瞑想のために日本のおりんを買う方も増えてきています。

また、おりんの技術を利用した変わったものも開発されています。

それは自転車用のベルです。

京都のおりん職人が佐波理の金属で作られた自転車ベルで、海外でも高い評価を得ています。

また、今ではおりんと現代技術を組み合わせ、燐を鳴らすと遠くにいる相手にメールが届くという独居老人向けの安否確認ができる製品も開発中らしく、日に日に進化しているおりんから目が離せないものとなってきています。

不思議な魅力のおりんの音

おりん

おりんの音は素晴らしく、また不思議な魅力がある音です。

一直線に響く音は本当にあの世まで届いていそうですよね!

そして、何よりもどこか懐かしくきれいキレイな音は、私達の心までキレイにしてくれそうです。

仏壇の減少により普段目にする機会は減りましたが、その形や用途は日々進化しています。

思わぬところで思わぬ形のおりんを目撃する日も、そう遠くないかも知れませんよ!!




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