江戸時代を代表する芸術文化に浮世絵があります。葛飾北斎とかが有名ですよね。
さらに、浮世絵は海外にも広まり、様々な画家に影響を与えました。
しかし、浮世絵ってそもそも何なのか知っていますか?現在では、芸術として考えられていますが、当時はそうでもなかったりするんです。
そこで、今回はそんな浮世絵の特徴を3つのポイントでご紹介します!
また、これを知れば芸術とは、文化ってなんだろうと考えた時に面白い視点が得られるようになりますよ♪
浮世絵とは何?
浮世絵の様に名詞の上につく浮世の意味は、現代風のとか今流行しているものといった意味になります。
そのため浮世絵の題材には、人々の関心有るもの全てが選ばれました。つまり、浮世絵の種類は様々です。例えば、行ってみたい旅行先、美しい江戸の女性、人気の歌舞伎役者、世相を皮肉る戯画などがあります。
この様に江戸時代に成立し、大衆文化として広まった浮世絵は情報媒体としての側面が強かったのです!
なので、飲食店や呉服屋、化粧品などの宣伝に使われていたり、教育目的の絵があったりします。
ちなみに、切り取って遊んだりする玩具絵や、絵暦というカレンダーみたいなものも作られました。
また、最近話題になった春画も浮世絵の題材として描かれたりしました。しかも、普通の絵より高い技術を駆使して描かれていたりします。
このように浮世絵は、今の写真のような使われ方や、新聞のような役割を担っていたのです♪
それ故に、浮世絵は写真や新聞の台頭とともに衰退してしまったのです…
浮世絵が広まった理由は?
浮世絵の描き方は、実は版画だけではなく、肉筆画のものもありました。しかし、浮世絵文化としては版画という所がより注目すべき点になります。
浮世絵の初期は、肉筆画と単色の墨摺絵が主流でした。その後、墨摺絵に色を付ける技法も行われました。
しかし、この頃はまだ浮世絵はそんなに広まっておらず、大衆文化としてもまだまだです…
そんな浮世絵が本格的に花開いたのは、錦絵とよばれる多色刷りが開発されてからでした。
これには何回もの摺りに耐える紙ができたこと、重ね摺りの目印が工夫されたことが関わっています。
ちなみに、重ね摺りの目印を見当と呼び、見当をつけるや見当違いはここからきています。
このように多色刷りのきれいな浮世絵が生まれたのです。しかも、それでも版画なので同じ絵を大量に摺ることができ、一般大衆でも買える安価なものになったのです!
さらに、経済が発展してくると下絵師、彫師、摺り師、そして統括する版元で分業体制が取られます。
この分業体制の中で版元は重要な役割で、いかに流行を読み絵を企画するかで売れ行きが決まったのです。さらに、人気の絵師を雇えるかも彼らの腕にかかっていました。また、人材育成もしていました。
例えば、蔦屋重三郎は無名の東洲斎写楽を売れっ子絵師にしました。江戸時代の名プロデューサーですね^^
この版元の企画力が浮世絵を商業的に成功させただけでなく、浮世絵文化をより一層発展させたのです♪
浮世絵を芸術と認めたのは?
浮世絵が今に伝わるのは、大名など有力者たちが収集し保管していたからという見方があります。
しかし、それでは一点物や高級品ばかりが多く残るはずですが、実際は色んな物が残っています。
では何故多様な浮世絵が残っているかと言うと、実は欧米人が芸術品としてその価値を認めたからです!
当時の日本人には浮世絵は身近なもので、鑑賞するような芸術品ではありません。言うなれば日用品です。
それを示すように、浮世絵は陶器などを包む緩衝材として海を渡りました。ここでも現代の新聞そっくりの使われ方をしています…
そうやって海を渡った浮世絵を見た欧米人の間で評判を呼び、こぞって買い求めるようになりました。
しかも、浮世絵は後にゴッホやモネなど様々な画家に影響を与え、ジャポニスムという流行を起こします。ジャポニスムとは日本趣味の絵といった意味で、その絵には様々な日本の影響が見られます。
特に、想像が入り混じった日本のものを描いた絵は、当時の欧米人が抱く日本の印象が垣間見え面白いです♪
そんな風にして、海外で浮世絵は芸術となったのです!
芸術や文化を身近に!
結局の所、浮世絵は当時の人々にとっては日用品ぐらいの感覚でしかありませんでした。
しかし、現在ではすごい芸術だとか、日本を代表する文化だとか言われています。
ここに凄い意識の差が有るのですが、私にはとかく芸術や文化を高尚なものだと考えすぎだと思うのです。
芸術だってもっと身近に考えていいし、文化はそもそも暮らし方そのものです。そういう視点で見るなら、例えばインスタに写真を投稿するのも芸術活動と言えるでしょう♪
そんな風に浮世絵は、芸術や文化をより身近に感じさせてくれるようになります^^