秋はスポーツに芸術にイベントに…と楽しみが沢山ありますね。
そしてもう一つ「食欲の秋」も!
天高く馬肥ゆる時期というだけあって、馬だけでなく人間の食欲も増します♪
梨にぶどうに、そして秋刀魚です。
そう、今回は秋刀魚と旬についてと、栄養や雑学についてご紹介しちゃいます☆
庶民の味方である秋刀魚
「う~ん。秋刀魚は目黒に限る」
という下げ(オチ)で有名な、目黒の秋刀魚と言う落語です。
ご存じない方のために少し解説しますね。
お殿様の食事
お殿様の食事は、毒見役と呼ばれる家臣が、お殿様の食事に毒が入っていないか確認していました。
食事がお殿様の口に入るまでには、いくつのも工程を経るため、食事は全て冷えてしまいます。
また、お殿様は鯛やふぐ、あんこうなど高級魚ばかりを召し上がっていました。
せっかくの高級魚も骨を除き、ほぐされて身がボロボロ…。
さらに、秋刀魚は庶民(下々)の食べ物なので、お殿様は見たこともありませんでした。
庶民の食事
一方、町人などの庶民は、秋になると、家先で七輪に秋刀魚を乗せて焼いていました。
秋刀魚は安価で手に入るので、庶民の味方だったのです。
脂の乗った丸々と肥えた秋刀魚を、遠赤外線効果のある七輪でじっくりと時間を掛けて焼くのです。
匂いも香ばしく、それは美味しいご馳走になります。
庶民の秋刀魚がお殿様の口に…
ある日のこと、お殿様が目黒まで遠出をした際に、家来が弁当を忘れてしまいました。
お腹が空いていたお殿様は秋刀魚の匂いに反応します。
殿:「この匂いは何じゃ」
家来:「これは庶民が食す、秋刀魚を焼く匂いにございます。殿が召し上がる物ではございません」
殿:「許す。秋刀魚とやらを持って参れ」
かくしてお殿様は、初めて旬の、熱々に焼かれた秋刀魚を召し上がった訳ですが…
この続きは是非、本物の落語で聞いて、笑ってくださいね☆
秋刀魚の旬
秋刀魚の旬は秋です。
俳句の季語にもなっています。
回遊魚で、秋になると産卵のために親潮(寒流)に乗って日本近海にやってきます。
だから栄養たっぷりで、脂が乗ってるんですね。
秋刀魚の語源
秋刀魚という漢字は的を得た漢字だと思いませんか?
秋に出回る刀のような姿の魚…。
実は元々は「さいら」と呼ばれていましたが、訛って「さんま」になったんです。
関西では今でも「さいら」と呼ぶ人も居るそうですよ。
学名ではギリシャ語でkolos。
発音は「コロス」です。
刀でコロスって…ねぇ。(笑)
栄養満点!
秋刀魚は悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果があるとされています。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富で頭にも良いです。
他にも、血流を良くすると言われるエイコサペンタエン酸も含まれています。
旬の秋刀魚は脂が豊富なので、サッパリしていて、消化を促す大根おろしを添えて食べます。
昔の人は、科学的な根拠などは知らないはずなのに、体に良い食べ方をしていたんですね。
魚の脂は、バターや調理用油などと比べ、体内に蓄積しにくい脂です。
レモンを絞るのは、脂を吸収しにくくさせる効果もあるので、ぜひ絞ってからお召し上がりください。
カロリーが気になる方は、1匹丸ごと食べるのではなく、半身に留めておけば安心です。
秋刀魚の選び方
旬の秋刀魚を美味しく食べるには、選び方も大切です。
良い秋刀魚の見分け方ですが、
- 目が濁っていないもの
- 口先がほんのり黄色いこと
- 秋刀魚の頭を上側にして持ちあげた時、まっすぐに立つもの
を選ぶと新鮮な秋刀魚が手に入ります。
生で食す時は、アニサキスと呼ばれる寄生虫が居る場合があるので、注意してください。
アニサキスは傷に弱いと言われており、よく噛んで食べることが推奨されています。
秋刀魚に限らず、よく噛んで食べることは体にも良いですから実践したいですね☆
キャンプでも!
秋刀魚はじっくりと時間を掛けて、塩焼きにすると大変美味しい魚です。
キャンプで炭を熾したら、ぜひ秋刀魚も焼いてみてください。
串に刺して直火も良し、網に乗せて眺めるも良し。
外で食べる秋刀魚はまた一段と美味しく感じますよ~♪
秋は大漁!まさに旬!
自然が相手ですから、秋刀魚も不漁の年があります。
ただ、秋刀魚は冷凍保存も可能なので、大漁の年は多めに買って保存するのもいいですね☆
煮ても焼いても美味しい秋刀魚、熱々の新米と一緒に召し上がってくださいね。