寒い時には暖かい「おしるこ」が飲みたくなりますよね。
自販機にて買う、あったかい「おしるこ」はエネルギーを貰えます。
小豆やあんこの甘さには、やはりお餅が欲しくなります。
この黄金コンビともいえる組み合わせで出てくる料理は意外にたくさんあります。
お餅の代わりに白玉もコンビに入れたらもっと増えてしまいます。
一部の地域によっては小豆汁とお餅を組み合わせた「お雑煮」なるものもあります。
そんな変わったお雑煮については下記の記事に詳しく載っていますので、ぜひ見てみてください。
さて、あんこや小豆汁とお餅で出てくる料理の代表格ともいえるのが「おしるこ」と「ぜんざい」です。
この2つの料理の区別が実は半端なく難しいのです。
確かにいきなりパッと正解を言える人も少ないでしょう。
また、あなたが正解と思っていることは実は全然通じない可能性もあります。
この記事では、そんな「おしるこ」と「ぜんざい」のそれぞれの名前の由来と違いについて説明します。
「おしるこ」と「ぜんざい」の違いについて
そもそも「おしるこ」と「ぜんざい」って呼び名が違います。
なのに、なんであんなにも似た料理になるのか、疑問です。
その疑問の答えはそれぞれの名前の由来にありました。
「おしるこ」と「ぜんざい」の名前の由来について説明します。
◎「おしるこ」と「ぜんざい」の名前の由来
まずおしるこの名前の由来について説明します。
漢字で書くと「お汁粉」です。
もともと江戸時代に小豆餡を水に溶かしてお餅を加えた料理がお汁粉の起源と言われいます。
最初は塩味の効いた酒のつまみとして出されていたようです。
そしてこの小豆餡には、こしあんを乾燥させた「さらしあん」という粉が好んで使われていました。
そのため、漢字の通り、粉の汁で「お汁粉」と名付けられたのです。
次にぜんざいの名前の由来について説明します。
ぜんざいを漢字で書くと「善哉」です。
ぜんざいの名前の由来には2つの説が存在します。
一つ目の説は仏教用語の「善哉」が名前の由来とする説です。
「善哉」を日本語読みすると、「善(よ)き 哉(かな)。」となります。
意味は素晴らしいという意味です。
ある僧侶がこの料理を食べた時に「善哉!」と叫んだことが由来とされています。
二つ目の説は、出雲神社で振る舞われた「神在餅」が名前の由来とする説です。
出雲神社の神事の際に振る舞われた「神在餅(じんざいもち)」の「じんざい」がなまって「ぜんざい」になったとされています。
「おしるこ」は原材料が名前の由来になっています。
よって、粉と汁の漢字通り、汁気の多いものがイメージしやすいです。
一方、「ぜんざい」は叫んだ言葉や名前がなまったものということで、イメージしにくいです。
このぜんざいのイメージの不安定さが、現在のおしることの区別をより難しくしています。
ぜんざいも原材料にちなんだ名前を付けていたら、きっと結末は変わっていたことでしょう。
◎地域別の判断基準がある!?
さて「おしるこ」と「ぜんざい」の違いについてですが、地域によって判断基準が異なります。
地域を関東と関西・九州・四国、北海道に分けて説明していきます。
まず、関東での判断基準は汁気の有無です。
使われる小豆餡がこしあんでも粒あんでも、汁が多めになっている料理はおしるこです。
中に入れるのは主に餅や白玉団子になります。
一方で汁少なめの粒あんや甘い小豆汁が使われる場合はぜんざいになります。
このぜんざいの場合、あまりこしあんは使われません。
舌触りが良い分、まとわりついて甘さを感じすぎてしまうからです。
次に関西・九州・四国の判断基準は使う餡の種類です。
こしあんを使う場合は「おしるこ」になります。
粒あんを使う場合は「ぜんざい」になります。
甘く煮た小豆と煮汁を使う場合は「亀山」や「金時」など別称が地域によって用いられます。別称がない場合は「ぜんざい」となります。
中に入れる具材は主にお餅です。白玉も一部地域では入っています。
料理の汁気の度合いは家庭や地域、お店ごとに異なると言えます。
そのため、関東の区別に対して勘違いが生まれやすいのです。
最後に北海道では区別の基準が存在しません。
「おしるこ」と「ぜんざい」の区別は人次第、地域次第で明確な基準がありません。
よって、どう呼んでも間違いではありません。
また、中に入れるものも変わっている場合があります。
一部地域ではお餅や白玉の代わりにカボチャを入れている場合があります。
これはお米が取れない地域に置いてお餅を代用した結果になります。
地域それぞれの「おしるこ」と「ぜんざい」を楽しもう!
ここまで「おしるこ」と「ぜんざい」の名前の由来と違いについて説明しました。
もちろんこの記事で網羅できていない地域独自のものもあるでしょう。
一つ言えるのは地域によって呼び方の区別が異なることです。
自分が住んでいる地域とは異なる場所に行く時は、訪れた先の文化を楽しむ気構えが必要です。
それぞれの「おしるこ」や「ぜんざい」をそのまま楽しんでみましょう^^