お正月やお食い初めなど、お祝いのときに欠かせないのが祝い箸。
割り箸でもいいのに、なぜお正月に祝い箸を使うのでしょうか。
今回は、祝い箸と割り箸の違い、祝い箸の由来や呼び名、使い方を徹底紹介いたします☆
祝い箸とはどんな箸?
祝い箸は、両端(上端と下端)が細くなっている箸で、お正月やお祝いの時に使う箸です。
お食い初めにも使われますね♪
箸袋は、寿の文字が書かれていたり、おめでたい水引が使われていることもあります。
祝い箸のほか、両口箸、柳箸、俵箸、太箸(たいばし)など、様々な呼び名があります。
割り箸はどんな箸?
割り箸は、日本人には馴染み深い箸で、木や竹に割れ目を入れ、使う時に割って使います。
「ハレ」と「ケ」を兼ねており、、ハレは晴れ(祝い事や神事)を表します。
ケは、家庭用や日常用という意味があります。
神社などで、七草粥やお汁粉が振る舞われる際に使われることもあります。
ただし、祝い事では、折れない丈夫な箸として、柳の祝い箸を使うのが一般的です。
祝い箸と割り箸の違い
祝い箸、割り箸、ともにお正月に使う箸ですが、神棚にお供えして使っていただくのが祝い箸。
祝い箸は、家長(家の主人)が大みそかに、箸袋に家族の名前を書いて、神棚にお供えします。
おせち料理を歳神様にお供えしたのち、下げていただく時に祝い箸を使います。
両口箸とも呼ばれる理由は、片方は神様が使い、片方は人間が使うためです。
これは「神人共食(しんじんきょうしょく)」を意味します。
共食いではありません(笑)
神様と人間が同じ箸を使うという、ありがたくもめでたい行事なんです♪
祝い箸は一度で捨てない
立派な袋に入った祝い箸ですが、一度使って捨てないようにしましょう。
祝い箸は、元日におせち料理やお雑煮をいただき、自分できれいに洗います。
そして、正月三が日(1月1日~1月3日まで)または、松の内(1月7日)まで使います。
箸はよく乾かしてから、自分の名前が書かれた袋にしまうか、専用の箸袋に入れても構いません。
祝い箸を使い終わったら
祝い箸は使い終わったら、どんど焼きに持参し、正月飾りなどと一緒に燃やしてお炊き上げします。
どんど焼きに行けない場合は、箸を塩で清めたのち、白い紙にくるんで可燃物として出します。
生ゴミや汚物と一緒にしないよう注意してくださいね☆
祝い箸の言い伝え
祝い箸は、神様と人間がともに使う「神人共食」を意味すると先述しました。
片方は神様が使うので、
「あれ?どっち側を使ったっけ?」
ということがないように注意しましょう。
また、祝い事に折れることを避けるため、丈夫な柳の木が使われます。
そのほかの呼び名にも、ちゃんと意味がありますよ♪
以下にまとめますね。
・両口箸:神人共食
・柳箸:丈夫で折れにくく、神聖な木。春一番に芽吹く木で、家内喜と書かれることも。
・俵箸:真ん中あたりが太めにできており、五穀豊穣を願って米俵を模している
・太箸(たいばし)、はらみ箸:子孫繁栄を表す
・丸箸:円満
祝い箸はどこで買える?
年末近くなると、百貨店、ネットや100均、ホームセンターなどで、さまざまな種類が販売されます。
祝い箸は、お正月だけでなく、お食い初めや結納などのお祝い時も使われるため、年中見かけます。
高いからいい、安いからだめということはなく、心を込め、正しく使うということが肝心です。
自分の箸の使い方は正しい?
箸に関するマナーは意外と多く、知らずにやっている使い方もあると思います。
箸のマナーについてはこちらの記事も参考になさってくださいね☆
祝い箸で特にタブーなのは、両端を使って食事をすることです。
大皿から取り分ける際に、箸の上下をひっくり返して使う方がいますが、これはNG。
コロナが流行している昨今では、始めから小皿に盛って出す方が◎。
また、箸袋で箸置きを作る方もいますが、専用の箸置きを準備しましょう。
置き方は、持ち手が右にくるように置きます。
これは、祝い箸に限らず、箸共通のルールです。
箸の中央付近を持ち、箸先から約3cmの部分を使って食べましょう♪
割り箸は環境に悪い?
祝い箸と並び、お正月や来客に使われる割り箸。
近年では環境に配慮し、マイ箸持参や、割り箸を置かないお店もあります。
割り箸が環境に悪いかどうかは、賛否両論分かれています。
ただ、割り箸の原料は、間伐材(木の成長のために間引いた材)を使うことが多いのも事実。
特に杉は成長が早く、森林は枝打ちや間引き、伐採などの手入れが必要です。
手入れをせず放置すると、土砂災害や山火事の原因にもなりかねません。
割り箸が必ずしも環境に悪いわけではありません。
燃やしても有害でないことや、間伐材の活躍に繋がることを知っておきましょう♪
正しい箸の使い方でご利益も便利さもアップ!
筆者が小学生のとき、学校で箸を使って豆をつかみ、別の皿に移動するという遊びがありました。
乾燥大豆は、丸くて滑りやすく、正しい箸の使い方をしないと、豆が上手につかめません。
逆に、ササッと豆を箸でつかんで、移動する所作は、見ていて美しいものでした。
箸を正しく使えば、ご利益もアップし、何といっても便利です。
盛り付けも楽になり、食事も美味しくいただけるうえ、見た目も美しい…。
今年はぜひ祝い箸で、正しく楽しいお正月を迎えてくださいね♪