喫茶店とは一線を画す古民家カフェ。
どことなくノスタルジックで落ち着いた空間が人気です。
喫茶店との違いは古民家独特の雰囲気と、建物の構造。
今回はそんな古民家カフェの定義と、喫茶店との違いについて紐解いてみました。
古民家カフェの定義
古民家カフェは古民家を再利用、またはリノベーションしたカフェのことを言います。
特に、これが古民家カフェです!という定義は今のところありません。
古民家は概ね大正時代より前に建てられたものを指し、中には重要文化財に指定されるものもあります。
陽が差し込む明るい西洋風のカフェと比べ、趣のある落ち着いた空間と少し薄暗い雰囲気が魅力です。
古民家カフェが多いのは都会の真ん中より、古都や人気の観光地。
鎌倉や倉敷、奈良や京都など、一般の人が実際に古い街並みに住んでいるような地区にあります。
旅先で素敵な古民家カフェを見つけると、つい立ち寄りたくなってしまいますね♡
古民家カフェと喫茶店の違い
近年では喫茶店はカフェと分類され、明治~昭和時代の洋風のカフェを指すようになりました。
古民家を再利用していない点が最大の違いです。
昭和時代の喫茶店は、テーブルがガラスだったり、ゲーム機だったりとユニークでしたね^^
テーブルの端には、おみくじや占いが出てくる機械が置いてあったり、おつまみ豆が出てきたり…。
筆者は父に連れて行ってもらう喫茶店のパフェが大好きでした♡
チェリーを最後に食べようと取っておいたのに、下げられてしまった時の口惜しさったら☆
純喫茶とは
喫茶店の中でも酒類を提供しない喫茶店のことを純喫茶と呼びます。
名曲喫茶、ジャズ喫茶など、古民家カフェとはまた違う、落ち着きのある喫茶店が多いです。
昭和の純喫茶は椅子がチンチラ張りで、ちょっぴり大人の雰囲気。
筆者が小学生の頃に最も好きだったのが、ビルの地下にあった純喫茶でした。
今はもうありませんが、暗い空間にランプの仄かな明かりが素敵だったのを覚えています。
耳障りのよいBGMが程よい音量で流れ、辺りにコーヒーの香りが漂う居心地の良い場所でした。
ちなみに、行く度に読んでいた漫画は小松左京の日本沈没でした(笑)
古民家の造り
古民家は昔の職人さんの技術を駆使して建てられた堅牢な建物です。
釘を使わず、継手や組木の技術を用いて大きな梁や柱を組んであります。
雪国の古民家は雪の重みにも耐え、何百年も住み続けることができます。
囲炉裏の煙は、虫除けの役目も果たしていました。
昭和初期は養蚕を行っていた民家も多いと聞きます。
夜、静かになると蚕が桑の葉を食べる音が聞こえたり、上から蚕が落ちてきたなんてことも。
今でも十分住めるけれど、現代の生活様式に移行するなど様々な理由で使われなくなった古民家。
古民家の再利用は価値ある再利用なんですね☆
古民家カフェを彩る小物たち
古民家カフェの魅力は外観や内装だけではありません。
中で使われている雑貨や小物、器たちも魅力的です。
古民家の雰囲気を壊さない照明は和紙や行燈など、風情あるものが使われています。
古民家カフェには、古いグラビアや純文学の書籍なども似合います。
器にこだわるお店も多いですよ~♪
人気の陶芸作家の器を使っていたり、世界に一つしかないカップだったり。
筆者の知っているカフェでは、人間国宝の作家の器が出てきます。
これは「人間国宝〇〇氏の作品です」と説明されるので、お茶を飲む手も震えます(笑)
西洋風カフェとの違い
古民家カフェは座布団が置いてあるカフェもあって、日本的だなぁと感じます^^
畳の席があるのも古民家カフェならではですね。
西洋風のカフェでは靴を脱ぐという発想はありません。
昔の日本人は背が低かったので、天井が低い古民家もあります。
頭上に注意という注意書きが英語で書かれているのを見たことがあります。
外国の人はこんな独特の文化に興味を惹かれるのかもしれませんね。
古民家カフェでタイムスリップ
人気のコーヒーチェーンも良いですが、古民家カフェでゆったりと時が過ぎるのを楽しむのも素敵です。
のんびりと窓の外を眺めたり、敢えて古典的な文学作品を読んでみたり。
古民家ならではの建物の良さを味わったり、手触りや温もりを感じたり。
そうしているうちに、心は明治大正浪漫へタイムスリップするかもしれません。
ぜひノスタルジックな雰囲気を楽しんでくださいね♪