お正月のご馳走の一つであるお雑煮♪
具や味は各地様々で、驚くこともありますね^^
大別すると関東はお醤油仕立てで角餅を使い、関西は白味噌仕立てで丸餅を使用します。
具は小松菜や鶏肉、かまぼこ、里芋など、地域によって異なります。
そして、何とあんこを入れる地域もあるんです!
今回はそんなあんこを入れたお雑煮に迫ってみました☆
あんを入れる県はどこ?
あんこと言えば小豆。
餅とあんこが入っているなら、それは善哉(ぜんざい)では?
と思った方も多いと思います。
善哉大好きな筆者もそう思い、調べてみました。
【あんもち雑煮】:香川県
雑煮とあんこで調べると、まっ先に上位にあがってくるのが、このあん餅雑煮です。
これは香川県で食べられているお雑煮で、あんこの入った餅が使われています。
驚いたのは、一緒に入っている具は野菜などで、仕立ては白味噌という点です。
具は大根やニンジンなどを使い、出汁もカツオや昆布などを使います。
そう、関西風のお雑煮なんですよ。
あん餅を入れるという所以外は…。
【小豆雑煮】:鳥取県・島根県
こちらは善哉で有名な島根県や鳥取県でよく食されているお雑煮です。
あん餅ではなく、小豆そのものを使います。
だから見た目も善哉っぽいです。
で、レシピを見てみると・・・。
❍あずき雑煮の材料
・丸餅 :4個
・小豆 :1/2カップ(約80g)
・砂糖 :60g
・塩 :少々
❍ぜんざいの材料
・餅 :4個
・小豆 :100g
・砂糖 :50~100g
・塩 :少々
・・・。
同じでした(笑)
使うのは、関西寄りの丸餅なんですね~☆
別添えバージョン
雑煮の中から、餅を引っ張り出して食べる地域もありました。
【くるみ雑煮】:東北
岩手や新潟、宮城などの東北地方では、くるみだれを使用したお雑煮を食べます。
お雑煮の中に入れるのではなく、別皿にくるみだれを用意して、わざわざ餅を出し、タレに付けます。
お餅は焼いた角餅を使用し、すまし汁仕立てです。
関東寄りですね。
具も大根、ニンジン、鶏肉・・・うん、うん。
凍り豆腐。
えっ?
・・・所変われば品変わるですね。
くるみだれは出汁で緩くしたペースト状です♪
【きなこ雑煮】:奈良県
奈良県の一部の地域では、お雑煮から引っ張り出した餅にきなこを付けて食べます。
これは、きなこ餅と言うのではないかとも思いますが、雑煮に入っていた餅なので違います。
出汁の塩気がある餅にきなこを付ける、きなこ雑煮は、あくまでも雑煮です☆
なぜ、あん餅を使うようになったのか
さて、香川のあん餅に戻ります。
この地域は何故、雑煮にあん餅を使うようになったのでしょうか。
【和三盆の登場】
砂糖が貴重だった江戸時代、最も流通していたのは沖縄(琉球)の黒砂糖でした。
徳川吉宗が、享保の改革でサトウキビの栽培を奨励したところ、香川県と徳島県が名乗りをあげました。
そして、砂糖の精製に成功し、和三盆が誕生しました。
香川県で作られる和三盆を讃岐和三盆、徳島県で作られる和三盆を阿波和三盆と言います。
今では和三盆は京都でも多く作られていますね☆
【庶民も食べたい】
香川の高松藩で作られる和三盆(砂糖)は、藩の大切な産業になりました。
高松藩が厳格に和三盆の管理をし、年貢として納めさせました。
でも、実際に作っているのは庶民です。
お正月くらい、私たちも砂糖を食べたい!ということで、一計を案じた訳です。
そう、お餅の中に隠してしまえと。
一緒に小豆も入れてしまえと。
それ以外、見た目は関西風のお雑煮なので、お役人も分からなかったようです(笑)
だから、あんころ餅や赤福のように、外側にあんこがあるものはバレてしまうのでダメですね☆
餅膳って?
お雑煮ではありませんが、様々なあんを楽しめる地域がありました。
岩手県一関市は、年中餅を食べるほどの餅大好き県。
お餅をより美味しく食べるため、餅膳(餅御膳)が登場しました。
定番のあんこの他に、ずんだ、大根おろし、納豆、川エビなどが小皿に乗っています。
そして、餅をそれぞれのあんに付けて食べるんです。
お雑煮は甘くても美味しい
もしかしたら、チョコレート×お雑煮もあるのではないかと思い、調べてみました。
すると、郷土料理ではありませんが、レシピを発見!
こちらはホワイトチョコを使用していますが、ミルクチョコを使用すれば、あんこに見えなくもないかも☆
お雑煮って、意外な物と組み合わせても美味しいんですね。
ゴマ団子や、みたらし団子も合うかも・・・♪
厳しい年貢に負けず、庶民も砂糖を食べたいという思いから作られたあん餅雑煮。
うどんだけじゃない、香川県の魅力的な歴史と文化です。
小豆雑煮と並んで、一度は食べてみたいお雑煮ですね♡