いつの時代も、節約とへそくりはワンセット。
急場の支度としても「へそくり」は活躍しますね。
・・・え?
「へそくりって何?」ですって!?
なるほど、キャッシュレス時代になり、へそくりを知らない方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、へそくりとその語源に迫ってみました☆
「へそくり」とは?
へそくりは、へそくり金の略で、内緒で貯めているお金のことです。
節約して余ったお金を、家計費とは別に貯めるのが一般的なイメージですね♪
貯めたお金は自分のご褒美として使うほか、家族レジャーや急場しのぎなどに使われます。
昭和の有名な時代劇「必殺仕事人」シリーズでは、主人公の中村家によく登場していました。
様々な場所に隠しても、いつの間にか見つけられてしまうシーンが笑いを誘います。
畳の下の壺、タンスの裏、囲炉裏などに隠してもなぜか見つかっちゃう!
DVDにもなっているので、見たことがない方はぜひご参考?になさって下さいね。笑
おへそとは関係がない?へそくりの語源
へそくりという名称から、おへそと関係があると思いませんか?
なにせ、腹巻の中に隠す人がいるくらいですし。
ところが、へそくりの「へそ」はおへそではないんです!
へそくりのへそは「綜麻」という漢字です。
「綜」は「へ」と読みます。
「麻」は「そ」と読みます。
二つ合わせて「綜麻(へそ)」です。
綜麻(へそ)を繰る=へそくりの語源、という説が有力なんです。
綜麻(へそ)って何?
現代ではあまり見かけない「綜麻」という漢字。
綜麻は、麻糸をグルグルと巻き付けた束のことです。
家計を守る主婦が、内職として麻糸を紡いだり、巻いたりしていました。
この麻糸を繰る内職が、へそくりの「綜麻(へそ)」の語源です。
綜麻の内職で旦那さんの窮地を救う、内助の功が、へそくりという愛情だったのかもしれません♡
へそくりの「くり」とは?
では、くりの語源はというと、現代でもよく使われる「繰り」です。
やり繰り、資金繰り、繰り上げ返済・・・など、よく見かける言葉ですね。
繰りには「糸などを操る」という意味があります。
からくり人形なども糸が使われていますね。
そのほかに繰りがつく言葉としては、
・繰り上がる、繰り下げる
・繰り返す
・繰り入れる
などがあります。
どの言葉も、糸が関係する内職だと考えると説明できます。
繰り上がる、繰り下がるは(内職の)日程が早まる、遅れるなど。
繰り返すは、糸をグルグルと繰り返して巻く様子。
繰り入れるはお金をやりくりするときに多く使われますね。
へそくりに似た言葉
へそくりに似た言葉に「タンス貯金」という言葉があります。
金融機関などに預けず、タンスの服の下にしまっておくお金のことです。
ほかの言葉も調べてみました。
ポケットマネー、小遣い、貯金、隠し金庫・・・。
ニュアンスは似ていますが、どれも「へそくり」のイメージとは若干異なりますね!
へそくりという言葉を生み出した人、凄いですっ!
へそくりの隠し場所
ドラマなどに登場する、へそくりの隠し場所をあげてみました。
・タンスの中
・絵画などの額の中
・畳の下
・本の間
・寝室
・台所 など
女性が社会進出する前の時代。
主婦にとっては、家計をやりくりし、節約した分をへそくるのが楽しみのひとつでした。
また、家計を握られている旦那様も、自分の小遣いを捻出するためにへそくりを楽しむ。
へそくりって、ちょっとした秘密の楽しみなんですね♪
現代のへそくり術
キャッシュレス時代になると、へそくりの方法にも変化が出てきました。
現金を持たない人が増える中、タンス貯金に代わり、金融機関がへそくりの隠し場所になることも。
店舗を持たないネット銀行なら、へそくりの隠し場所にもピッタリです(笑)
仮想通貨や株投資なども、へそくりとして使えそうですね。
へそくりと副業
新型コロナの登場により、働き方にも大きく変化がありました。
そのひとつが「副業」です。
今までは副業、兼業がNGだった会社が一転、副業、兼業OKとなる企業が増えました。
おうち時間が増え、ネットを使った副業で稼ぐ人口も増加しています。
収入が減った分の穴埋めとして活用する人もいますが、お小遣い稼ぎの人も多いですね☆
生活費を稼ぐのは会社で、お小遣いは副業で稼いでへそくる。
節約ではなく、稼いでへそくるという新しい発想に拍手!
内職は現在もある
内職という言葉は、昭和のイメージがあるかもしれません。
ところが、現代でも内職は人気があるんです。
子育て中のママさんや、介護をしている主婦、老後の楽しみという方もいます。
会社勤めやネット副業に比べると、稼げる金額は少ないです。
時間給で考えると、パートに出たほうが稼げるのでは?と思います。
でも筆者は、内職には、ほかの仕事にはない魅力があるように感じます。
筆者もいろいろな内職を経験してきました。
シール貼り、袋詰め、縫い物、電子基盤などなど。
場所をとる内職もありますし、汚れる内職もあります。
でも、本業と違うのは「気分転換しながら稼げる」ことでした。
テレビやラジオを楽しみながら、内職も楽しむ。
へそくりも、内職も楽しむことが大切なんですね☆
武士は食わねど高楊枝
この言葉は、貧しくて食べられない武士がメンツを保つため、楊枝を咥える様子を表しています。
(腹が減りすぎて楊枝を咥えているわけではありません。食後だとアピールしているのです笑)
武士という本業はあるけれど、稼ぎが少ないので内職をする武士も多くいました。
戦時中は本業自体が少なく、内職をかけ持つ人も多かったようです。
戦後の昭和時代は、高度成長期でマイホームを夢見て、主婦が内職で稼ぐ時代。
バブルがはじけた後は、家計を助けるために内職。
現代は、新型コロナで働き方が変化して、内職が人気。
このように、時代は変わっても内職とへそくりの仕組みは無くならないということですね。
へそくりは楽しみながら
男女雇用機会均等法ができて、女性の働き方も変わり、起業する女性も増えました。
へそくりは、自分の夢を叶えるため、自分へのご褒美、家族のために使う・・・。
使い道が決まっていないからこそ楽しめるのがへそくりです。
貯金箱もいいですが、自分でも忘れてしまうような場所にへそくるのも楽しいかもしれません☆