書道などを始めた時、意外と筆の種類が多く何を選んだら良いのか悩んでしまいます…
そこで大切なのが、毛の種類、穂の太さ、穂の長さ、軸の構造の筆に関する基本知識です!
この記事では、初心者向けな筆の種類と選び方についてご紹介していきます☆
これを知れば、筆そのものについても詳しくなること間違いなしです!
いい筆の四徳とは?
昔の中国王朝である明の頃から伝わる良い筆の条件が四徳で、尖、斉、円、健の4つがあります♪
- 尖(せん):穂先が鋭く、バラけていないこと
- 斉(せい):穂先全体にまとまりがあり、毛がきれいに整えられていること
- 円(えん):穂先がきれいな円錐形で、墨を含んだ時も全体が均一にふっくらとし形にいびつさが出ないこと
- 健(けん):穂が程よい弾力で、筆運びがなめらかなこと
この四徳は現在でも通じ、筆を選ぶ際の基本となるポイントです!
なので、筆を選びは自分の用途や腕前に合わせて絞り込み、迷ったらここを見て決めるようにしましょう^^
毛の種類は?
毛の種類は硬さの違いによって、柔毛筆、剛毛筆、兼毫筆の3つに大別されます。
また、使われる素材では動物の毛が多く、特殊なものでは竹で出来た竹筆や草で出来た草筆といった植物の繊維のものがあったりと、様々な素材の種類があるのです♪
なお、安いナイロン製は毛に曲がった跡が残りやすく元に戻らないので、初心者にもおすすめできません!
それで、大別された3種類の筆に使われる主な素材とそれぞれの特徴は以下のようになっています^^
【柔毛筆(じゅうもうひつ)】
その名の通り、柔らかい毛で出来た筆が重毛筆になります。また、使われる素材の大半は、羊毛筆と言って山羊の毛です♪
ちなみに、他にも玉毛と言われる猫の毛などが使われたりします。
この筆の柔らかさを活かし、しなやかなので流れるような線であったり、強弱をつけた線を描けるのです^^
ただ、その分力加減が難しく、上級者向けの筆になっています…
【剛毛筆(ごうもうひつ)】
この筆には硬い毛が使われ、代表格は馬ですが狸やイタチの毛などの場合もあります。また、大半を同一の動物の毛で作り、2~3割くらい別の毛を混ぜて作られることもあるのです^^
特徴は力強い線が描けることで、とめやはねがしっかりと書け初心者でも扱える筆になります。
さらに、墨を含みづらいのが難点ですが、逆にかすれを活かした文字を書くことが出来るのです♪
【兼毫筆(けんごうひつ)】
兼ねるという字の通り、柔毛と剛毛を混ぜ合わせた筆です。また、兼毛筆(けんもうひつ)とも呼びます。
さらに、同じ動物の硬い所と柔らかい所の毛を混ぜたり、別の動物のを混ぜたりと様々な種類があります^^
また、使われる素材は柔毛筆や剛毛筆と同じで、混ぜる割合によって毛の弾力が変わって来るのです!
そして、適度な硬さなので幅広い書き方ができ、扱い易い筆なので初心者には特におすすめな筆になります♪
穂の太さは?
穂の太さは初心者向けとかそういうのではなく、どんな大きさの文字を書くかを決める要素です♪
例えば半紙に4文字書くなら、これくらいの太さの筆がいいという風に選びます。ちなみに、半紙というのは横25センチ、縦35センチくらいの習字の授業でおなじみの大きさです。
そして、太さの種類は主に太筆、中筆、小筆の3つで、さらに10段階に分けられ基本は号数が小さいほど太くなるのです。他に、より太い特大筆や細い面相筆もあります。
ただ、1号だからこの太さとは決められておらず、メーカーにより号ごとの太さは違うので注意しましょう!
それで、3つの区分とそれぞれに含まれる号数及び文字の大きさの目安は以下の通りになっています^^
- 太筆:1号(半紙1字)、2号(半紙2字)、3号(半紙2~4字)、4号(半紙4~6字)
- 中筆:5号(半紙6~8字)、6号(8~12字)、7号(半紙20文字、名前書き向け)
- 細筆:8号(書簡、名前書き向け)、9号(書簡向け)、10号(書簡向け)
穂の長さは?
穂の長さは、穂の根元あるいは軸の直径の何倍かによって分類されています♪
- 超長鋒:6倍以上
- 長鋒:5~6倍程度
- 中鋒:3~5倍程度(長鋒と短鋒の間)
- 短鋒:2~3倍程度
- 超短鋒:2倍以下
これらは、メーカーによって少し違いがあったり、長鋒、中鋒、短鋒の3段階に分けられていたりします。
また、穂が長いものは扱いが難しく上級者向けとなっているので、初心者は短めの筆が良いです^^
なので、長すぎず程よい中鋒くらいが初心者にはおすすめです!
軸の形について
軸の形には、主なものとして普通軸とダルマ軸があります。
普通軸は穂の付け根部分と持ち手部分の太さが同じで、全体が真っ直ぐな軸です。対して、ダルマ軸の方は付け根部分が持ち手部分より太くなっています。
それで、どちらが良いかというとはっきり言って好みの問題です!
ただ、ダルマ軸の方が持ち手が細くなるので、子供や手の小さい方にとって書きやすい筆になります^^
自分にあったものを!
まとめると、初心者向けなのは兼毫筆の中鋒くらいの長さの筆になります。
また、穂の太さは書きたい文字の大きさが選ぶポイントです。
もちろん、書くものによってはより適した筆も考えられます。もし、何を書きたいのか決まっているなら、それに合う筆を店の人に直接聞いてみるのも良いでしょう^^
さらに、筆選びのもう1つ重要な点に値段というのがあります。
というのも、初心者の頃は筆の扱いに不慣れで、すぐに傷めてしまいがちなので安い筆の方が良いのです!
そして、これらのポイントを押さえ、自分にとって扱いやすく書くことを楽しめる筆を選んでください♪