落語や講談の他にも、日本が誇る古典芸能があります。
それが「能」「狂言」「歌舞伎」「文楽」です。
歌舞伎は最近では、市川海老蔵さんや四代目市川猿之助(二代目亀治郎)さんなど、若手の人気もあり、身近なものになってきました。
ところが「能」や「狂言」は、落語や講談と違って難しいイメージもあり、また、歌舞伎ほど身近なものとは言えないのが実情です。
「文楽」は…知っている人は知っているという感じでしょうか(笑)
今回はそんな難しそうな「能」について、まずは入門編をご案内いたします!
そもそも能の意味とは?
話の前後も無く、いきなり「のう」と言われたら、真っ先に思い浮かぶのは頭の脳ではないかと思います。
頭脳、才能、脳みそ、能力…能と付く言葉も沢山ありますね。
実際、辞書を見ても最初に説明が書かれているのは、能力や薬の効能、技能といった一般的に使われる言葉です。そして、後方でようやく、「古典芸能の一つ」としての記載が見つかります。
何故「能」と呼ばれるのでしょうか?
実はよく分かっていない
え?! 分かんないの?という突っ込みが聞こえてきそうです(^^;)
能は14世紀の中世時代に「猿楽」から発展した、歌と舞を合わせた劇のことを意味します。
古代のミュージカルだと思えばイメージが掴みやすいかもしれません。
猿楽(さるがく)って何? (´゚д゚ )ノ ?
また聞き慣れない言葉が出てきましたね…f^^;
猿楽は平安時代に唐(今の中国)から伝わった散楽(さんがく)に、滑稽(こっけい)…。
つまり、面白い要素を足したものです。
次は散楽(さんがく)? (`Д´)/ ムキーッ
延々続くのかと言われそうなので、話を元に戻します。
[散楽 + 滑稽] → 猿楽
[猿楽 + 歌と舞] → 能
という流れですね^^
能の意味が分からない理由
能の意味が分からない理由、
それは…
…
古すぎるからです。(笑)
分かっているのは、今の能の形は、小学校の教科書でも習う「観阿弥・世阿弥」が、室町時代に大成したという事です。
これを聞いただけでも古い話とお分かりいただけると思います。
能と狂言との違い
能と狂言の違いを分かりやすく言うと、能はミュージカル(歌と舞)、狂言はコント(滑稽)です。
因みに能と狂言を合わせて「能楽」と言います。
能楽は能と狂言を同じ日に演じるもので、ユネスコの世界無形文化遺産にも認定されています。
世界にも認められる誇りある日本の文化なんです!
見ようと思えばいつでも見られる環境に身を置く日本人は、もっと能楽を鑑賞しましょう♪
ある意味、本場のミュージカルですよ♡笑
能と言えば面
能で一番印象的なのは「面(おもて)」と呼ばれる面を付けて舞う姿です。
「能面のような表情」という表現もあるくらいです。
有名な面としては、翁(おきな)、男面、女面、般若(はんにゃ)でしょう。
時代劇にもサスペンス劇にも登場しますので、見たことある人も多いと思います。
宝島社の『2017年のこのマンガがすごい!』で紹介されている「能面女子の花子さん」にも女面が登場しますね^^ (とゆーか主人公だけど)
あ…。そう言えば、(全然関係ないけど)お笑いコンビの「はんにゃ」は、今どうしているのでしょうね…笑
難しく感じる理由
能のセリフは現代で使われている標準語ではありません。
そうろう文と呼ばれる「〜で候」という言葉遣いです。侍みたいですね^^
しかも演じる時間も長く、1時間~1時間半ほどあります。
1本の映画を見るほどの時間です。
面にも表情がある
色々な面を被っているので表情が読み取りにくいと感じるのも、難しく感じる理由の一つ。
でも、セリフと合わせてよく見ていると、だんだんと表情が感じ取れるようになるんです。
表情を読み取るポイントは面の角度。
気持ちが沈んでいる時や憂鬱な時は、誰でも顔が下を向きますよね。
能も同じです。
下を向いている時は考え事や悩み事があったり、あるいは恋をしている時だったり(*/∇\*)キャ
上を向いている時は喜んでいたり、回想に耽っていたりと、ちょっとした違いがあるんです♪
どこへ行けば見れるの?
能は能楽堂で演じられます。
能と狂言を演じる専用の舞台です。
能楽堂は全国にありますが、初めての方は東京の国立能楽堂や、愛知県の名古屋能楽堂に行かれてはいかがでしょうか?
でも、着物着て行くようなんでしょ?面倒じゃん。と思ったかもしれませんね^^;
能も狂言も普段着で大丈夫ですよ♪
もちろん、日本の古典芸能ですので、常連さんの中には着物で来ている方も大勢いらっしゃいますが、必ずしも着物というルールはありませんのでご安心を^^
ただTシャツにGパン、とんでもなく奇抜なファッションは遠慮して、TPOをわきまえたオシャレなカジュアルで出掛けてみてください☆
お高いんでしょ?
能や狂言を見るに席は「正面」「脇正面」「中正面」という3つの種類があります。
最もよく見えるのが「正面」で、国立能楽堂の定例公演だと、チケット代は4,300円位が目安です。
演目や演者によって値段が変わるのですが、人気のチケットは高くても即日完売するほどです。
どの世界にも人気者はいるんですね^^
一目置かれる趣味
私、今度「お能」を見に行く予定なの。
そんなセリフを言えば、「お?この人は格式の高い趣味を持っているなぁ」とか、「賢い人なんだなぁ」と尊敬の眼差しで見られるかもしれません。
夏フェスやライブイベントも楽しいですが、たまには凛とした姿で古典芸能に足を運んでみませんか?
そして「能」の本当の意味を自分なりに発見してくださいね☆