記念日というのはあなたにとって、思い出のある特別な日です。
誕生日や結婚記念日などの個人的な記念日や、クリスマスやお盆などの季節的な記念日もあります。
そんな生活のメリハリを作り出す、「日にち」という概念は人間にとって必要なものです。
「日にち」や「年」という概念によって人々は有意義に日々を効率的に暮らしています。
そして当たり前に365日が設定された1年においてイレギュラーな年もやってきます。
それが1年が366日になる「うるう年」と呼ばれるものです。
本記事ではそんな「うるう年」の起源と定義について説明します。
うるう年って一体何なのか??
まずはうるう年の定義について説明します。
【うるう年の定義】
うるう年は漢字では「閏年」と書き、じゅんねんとも言われます。
1年は通常365日で構成されており、平年と呼ばれています。
この平年に比べて1日多く設けられた年をうるう年と言います。
このうるう年がある理由は、実際の「天体運動」と日にち等の暦のズレを調整するためのものです。
一般的に最も普及している太陽暦では太陽が地球を一周するまでの期間を一年としています。
実際に太陽が地球を一周する期間は約365.25日と、約0.25日の端数が出てきます。
この端数のせいで、4年で約1日ほどズレが生じていくのです。
そのため、通常4年に1年はうるう年を設けて、ズレを一度調整するのです。
【うるう年の起源】
現在多く使われている太陽暦の起源は古代エジプトにあります。
実は太陽が地球を一周する期間が約365.25日であり、1年365日にするとズレが出ることは古代エジプトで既に算出されていました。
しかし、古代エジプトではうるう年が導入されることはありませんでした。
なぜなら一般的な人々の天体に対する知識がかなり深いものだったからです。
当時の人々は設定された暦にプラスし、実際の星の動きから季節を読み取っていました。
そのため、農業などに暦の多少のズレが支障をきたすことはなかったのです。
うるう年が初めて導入されたのは紀元前45年のローマでした。
導入したのは「ブルータス、お前もか!!」で有名なローマの英雄、ユリウス・カエサルです。
カエサルの名を取り、ユリウス暦と呼ばれ、1年365.25日と捉え、4年に一度うるう年を設けたのです。
ここまで聞くと現代のうるう年と同じように思えます。
しかし、このユリウス暦でも実はズレが生じていました。
精密に計算すると太陽が地球を一周する期間は364.2422日であり、わずかにズレが生じます。
このユリウス暦を長年使用すると、ズレが積み重なって大きなズレとなっていたのです。
具体的には40年で約7時間程度のズレが生じます。
その後1582年にユリウス暦のズレを修正する為に新たにグレゴリオ暦が設定されました。
このグレゴリオ暦ではうるう年を取り入れる際に3つのルールが設定されています。
まず前にも述べたように4年に1度はうるう年を設けるというルールです。
次に二つ目が西暦が100で割り切れる年はうるう年を設けないというルールです。
最後の三つ目のルールは西暦が400で割り切れる年はうるう年を設けるというルールです。この3つのルールを適用すると400年間で97回のうるう年が来ることになり、誤差が限りなくゼロに近づくのです。
4年に一度来るという事で、世間ではオリンピックと同じタイミングでうるう年が必ず来るという考えがありますが、厳密には間違っています。
例えば、2100年は4年に一度かつ100で割り切れる年です。
そのため、オリンピックは開催されてもうるう年は来ません。
このグレゴリオ暦のうるう年ルールは現在の暦にも適用されています。
うるう年の算出の影には専門家達の多大な努力や観測結果があったのです。
それぞれの「うるう年」
では太陽暦、グレゴリオ暦を元にしていない国にはうるう年は存在するのでしょうか。
まず月の運行を元にした太陰暦について説明します。
イスラム教地域で使用されるヒジュラ暦(イスラム暦)が一般的です。
このヒジュラ暦では季節と暦を合わせるということはしません。
一方で月の見え方と暦を調整するということがあるため、うるう年が存在します。
イスラム暦では1年は通常354年、うるう年は355年となります。
また太陽と月の運行両方を取り入れた太陰太陽暦である、中国暦もうるう年を設けます。
しかし、そのあり方は特殊で1カ月のうるう月が運用され、そのタイミングも実際の観測に基づいたものです。そのため、一定のタイミングでうるう年が設けられるわけではなく、不規則になります。
貴重な「うるう年」を感慨深く過ごそう!!!
ここまでうるう年の定義や起源、各暦のうるう年について説明しました。
自分達の正確な時間や月日を確認するために古くから人々は努力してきました。
それは季節を把握し、穏やかに暮らすために必要な知恵だったに違いありません。
そんな人間の努力の結晶とも言える、うるう年を今一度大切に過ごしてみましょう。