名前は聞いたことがあるけど、直ぐに姿形が思い浮かばないものがあなたにもあるでしょう。
日常的に意識しなければ、その名前や存在すらに気付かないものが身の回りにたくさんあります。
そんな「忘れられたもの」の中で、今回は「すだれ」に着目して説明します。
「すだれ」という響きは誰しもが一度は聞いたことがあります。
しかし、それがどんなものか詳しく説明できる人は少ないです。
この記事では「すだれ」の種類や意外な効果について分かりやすく説明します。
すだれの種類と効果!
まずは「すだれ」とは一体どのようなものなのかを解説します。
【すだれって何?】
「すだれ(簾)」とは、細かく割った竹や葦などを並べて、糸で編み込んだものの総称です。
すだれは使い方によって呼び名が異なります。
使用される竹などを地面に対して横方向にし、垂らすように使うすだれを「掛け簾(かけす)」と言います。
一方で、竹などを地面に対して縦方向にし、立て掛けるように使う簾を「立て簾(たてす)」と言います。
この立て簾のカテゴリーの呼び名がとても厄介です。
使う材料が葦の場合で、比較的安価かつ大型な立て簾のことを「葦簀(よしず)」と言います。
そして、材料が葦以外の竹などになると「立て簾」となります。
ここまでで既に厄介ですが、近年では竹や葦以外のプラスチック素材なども使われています。
そのため、材料による区別ではなく、使用法にて「すだれ」、「よしず」に区別されることが多いです。
「すだれ」は比較的小型で、窓などに垂らして使うものと認識されます。
「よしず」は大型で、軒先にて建物に立て掛けて使うものと認識されます。
元来の呼び名とは異なりますが、子育て世代以降はほぼこの使用法での認識となっています。
このような「すだれ」や「よしず」の呼び名の変遷について考えている人間もきっと少ないでしょう。
【すだれの主な効果とは??】
次にすだれを使用することで得られる効果について説明します。
得られる効果は3つあります。
まず1つ目の効果は通気性を保ちつつ、遮光することができるという点です。
すだれには使用される材料の間に僅かな隙間が空いています。
そのため、風通しはとても良いものになります。
そして日光を遮ることができるので、熱を遮るという効果も期待できます。
蒸し暑くなりがちな日本の気候には、最適な暑さ対策グッズなのです。
次に2つ目の効果は、節電しながら暑さ対策できるという点です。
ここまで説明したように、すだれは電力を全く必要としません。
しかしながら、暑さを緩和する効果は絶大です。
なので、節電の効果もあります。クーラーと併用で使用すると、室内の温度上昇を防ぐので、クーラーの設定温度を低くしすぎる必要がありません。
そして、最後の3つ目の効果は室内の様子を目隠しできるという点です。
すだれは遮光するとともに、中の様子も見えにくくします。
しかも、同様の効果を持つカーテンなどより、通気性が良いです。
日本古来の伝統家屋では、「御座敷すだれ」といって、下記の画像のように、主人の寝室等の間仕切りとしてすだれが使用されていました。
通気性を保ちつつ、プライベートも守るグッズとして昔から使われていたのです。
最先端のすだれとは!?
ここまで、すだれの種類やその効果について説明しました。
すだれは日本的な「雅」を演出できる装飾としても重宝されています。
そのため、家庭用から寺社仏閣用、屋内用や屋外用と幅広く種類が展開されています。
また化学素材の活用によって、すだれに新たな付加価値をつけて販売されています。
そんな新しい「すだれ」を2つほどご紹介します。
まず、「カラフルな」すだれについてです。
すだれのカラーバリエーションが増え、自身の家のイメージに合わせたすだれの注文ができます。
このようなすだれの色の展開は主に日本食レストランにおいても人気です。
ロールスクリーン 彩り プラスチック素材 カラーシェード ロールアップシェード すだれ 巻上げ
次に「透けない」、「防炎」のすだれです。
すだれには主に天然素材である竹などが使用されていました。
そのため、日光を当てると若干素材が透けてしまう場合がありました。
昨今では使用する材料に化学素材を織り込む、もしくはコーティングすることで透けを防止し、加えて燃えにくい性質を持たせることも可能になりました。
防炎 軽量PVCすだれ 外吊りつよし 小 くるっと(高さ調整・収納機能)付き HAYATON
すだれは日々そのラインナップを増やしているのです。
きっと、あなたのライフスタイルに合ったすだれが見つかるはずです。
すだれを活用してく暑さ対策!
すだれ自体について、その効果や新たな効果について説明しました。
すだれは使われている素材がシンプルであるため、一度はエアコンなどの影に隠れてしまいました。
しかし、そのシンプルさがもつ日本らしさや節電等の効果によって再び注目されてきています。
さらに化学素材との融合によって、新たなすだれのメリットも出来てきました。
中々注目することのない「すだれ」ですが、今一度意識して注目してはいかがでしょうか。