梅雨の時期にカレンダーを見ると、入梅という言葉が書かれています。
しかし、ニュースで発表される梅雨入りの日とその日付が違ったりするのです…
確かに入梅って梅雨入りって意味なんだけど、なんで2つの日付が違うのでしょうか?
そこに実は梅雨入りに関する決め方の違いが有ったのです!
今回は、それに合わせて入梅や梅雨の由来も合わせてご紹介します。
これを知れば、今と昔の季節の決め方や感じ方の違いを知ることができますよ^^
梅雨の由来
梅雨に入るで入梅(にゅうばい)なので、梅雨と由来が分かれば入梅の由来、梅という字がどこからきたのか分かります。ちなみに、現在ではあまり使われませんが、梅雨を出るで出梅(しゅつばい)という言葉もあります。
それで、梅雨と呼ばれるようになったのには以下の2つの有力な説があるのです。
・梅の実が熟す頃に振る雨だから梅雨とよんだ
・黴(カビ)が生えやすい時期の雨だから黴雨だったけど、語感が悪いので季節にあう梅を当て梅雨にした
この2つの説が有力なのですが、はっきりとしたことは分かっていません…
ただ、どっちの説にしろ、この季節の象徴的なものが梅だったのは確かなようです♪
それから、梅雨を「ばいう」という呼び方もありますが「つゆ」という呼び方もあります。
これは梅雨が中国からやって来た言葉で、初めは「ばいう」と呼んでいたのが、日本で江戸時代の頃から「つゆ」とも呼ぶようなったためです!
「つゆ」と呼ぶようになった由来ですが以下のような説があります。
・葉っぱなどに「露(つゆ)」がつくことから
・梅の実が熟して潰れる、昔の言い方で「潰ゆ(つゆ)」から
・カビで食べ物がだめになってしまうという意味の「費ゆ(つひゆ)」から
このような説が有るのですが、結局の所はっきりとこれだという説はありません。言葉の謎ですね…
現在の梅雨入り宣言とは?
これは天気予報などで言われる、気象上での梅雨の決め方です。また、これは気象庁が発表しています。
ただ、最近では「梅雨入りしたと見られます」のように曖昧にしか言われません。
というのも、現在の気象予報の技術を持ってしても梅雨前線の動きや影響を読み切ることが難しいのです!
なので、近頃は宣言という形式ではなく、予測としか発表されなくなりました。なお、改めて決められるのは9月頃にデータを検証してからになります。
そのため、梅雨入りの発表を雨が続くだろうという天気予報として考えると微妙です。むしろ、大雨や雨が続くことで災害が起きやすくなるので注意しようという防災情報として考えましょう。
また、梅雨入りを読みきれない理由としては梅雨前線の性質によります。
まず、梅雨前線は、主に冷たいオホーツク海気団と温かい小笠原気団の2つの高気圧がぶつかってできます。それから、押し合いへし合いしつつ小笠原気団が勢力を強めて前線を北上させ、暑い夏が訪れるのです。
そして梅雨前線は、南北の幅が100km程で狭くてすぐ影響から離れてしまう、両側が高気圧で晴れやすい、さらに押し合いへし合いするので前線の挙動が読みくいなど厄介な性質を持ちます!
このように、梅雨前線はずっと雨ではなく、天気が非常に変わりやすく予測しずらいのです…
その上、他の気象現象の影響もあるとさらに難解になります。
本来の入梅の決め方は?
実は、先程の気象上の梅雨入りは入梅ではなく、単に梅雨入りとしか言われないこともあります。
意味として入梅とは梅雨入りなので、気象上の梅雨入りでも使われたりもするというのが実情です。
では、元々入梅はどこから来たのかというと暦の雑節からになります!
雑節とは中国の二十四節気を導入した時に、日本の気候に合わせるために補足として取り入れた区分です。
ちなみに、どんな二十四節気が有るかは下の記事を読んでみてください。日本の季節感が分かりいいですよ♪
それで江戸時代に雑節が取り入れられたのですが、これは田植えの時期など農業の目安にするためでした。
なぜなら昔は気象予報が発達しておらず、いつ梅雨が来るか不明なので目安となる日付を考えたのです!
この日付の決め方は「芒種の後、最初の壬の日」など、時代ごとに様々な定義がありました。
現在の暦では、入梅は太陽黄経が80°の日とされています。
ちなみに黄経とは、地球を止めて1年間の太陽の動きを考えた時の軌道である黄道における太陽の位置を表していて、春分点が黄経0°、夏至点が黄経90°です。
昔の季節感も大切に!
現在では、気象データに基づき梅雨入りが発表されます。
それは、暦上であらかじめ決められていた入梅の日よりも正確かもしれません。
ただ、現在でもその精度に限界がある所を見ると、暦上の目安も捨てたものではないでしょう。
その様に考えると、やはり他の暦の雑節や節気も季節を感じるのに役立つはずと考えられます。
また、そこには昔の人がどのような季節の事象に気にかけていたのかも表れているのです。
なので、ぜひ暦を見て、昔の人々がどの様に季節を感じていたか? 何に注目していたか? こういう事を考えてみると楽しいかもしれません♪