舞妓さんと芸妓さんの違いはそれほど知られていませんよね。
実は、違いは沢山あります!
また、芸妓さんは1種類しかいないと思われがちですが、こちらもそうではないんです。
この記事では、舞妓さんと芸妓さんの違いについて解説していきます。
お座敷以外で芸舞妓さんに会える場も紹介しますので、遊び人さんは必見ですよ〜笑
それでは、舞妓さんと芸妓さんに会いに行ってみましょう♪
芸妓は何と読む?
最初に読み方の確認です。芸妓さんはげいこさんと読みます。これは京都特有の読み方です。
一般に芸者さんと呼ばれることの多いお座敷でお客をもてなす職業は、芸妓(げいぎ)といいます。
東京では芸者さんですよね。
これは、職務内容に差があるのではなく、花街で働く女性のサービス専門職を指す地域の呼称です。
東京では、芸妓さんを芸者さん、舞妓さんを半玉さんと呼びます。
さて、半玉さんの由来は、玉代(京都では花代)が芸者さんの半分という所から来ています。
ちなみに、芸妓さんと舞妓さんの花代は同額です。
花代とは芸舞妓さんをお座敷に呼ぶ料金のことです。
舞妓さんと芸妓さんの違い:外見
【違い①:年齢】
舞妓さんは15~20歳くらいまで。芸妓さんは20歳くらいからです。
顔が童顔だと22歳くらいまで、あえて舞妓さんでいる人もいます。
25歳を過ぎた舞妓さんはいません。
また、芸妓さんには定年がありません。
80歳を超えてもバリバリと活躍する芸妓さんもいます。
人生の先輩として見習いたいです!
【違い②:髪型】
舞妓さんは地毛で結います。
舞妓さんはかつらです。
関連内容が書かれていますので、以下の記事を参考にしてくださいね。
また、舞妓さんは季節に合わせた花簪を付けています。
戦後になってから、芸妓さんだけかつらになりました。
現在では特別な行事以外では地毛で結いません。
特別な行事とは、祇園甲部の都をどりです。
総踊りや鳴り物担当の芸妓さんは、京島田を地毛で結うことがあります。
日本髪を地毛で結うと地肌への負担が大きいからです。
芸妓さんのかつらは、生活しやすくするための工夫です。
【違い③:着物と帯】
舞妓さんは肩に縫い上げがあります。
また、帯は舞妓さんの代名詞ともいえるだらりの帯です。
幼さ、かわいらしさを強調しています。
芸妓さんは着物の袖は短く、帯はお太鼓に結びます。
京都の芸妓さんは、お座敷では裾を引きずって着るお引きずりの着物を着ます。
一般に着物とは、身丈より長い部分を胴部でたくし上げます。
こうして裾を引きずらないように着るのです。
しかし、芸舞妓さんはこれをせずに裾を引きずるように着ます。
そして、舞妓さんに比べて、着物や帯の柄も地味になります。
日本髪に挿す簪も少ないです。
粋(すい)な、大人の女性美を表現しています。
【違い④履物】
舞妓さんは高さ10cmほどあるおこぼを履いています。
おこぼは舞妓さんだけが履く桐で作られた草履です。
芸妓さんは一般的な草履か下駄です。
舞妓さんと芸妓さんの違い:経済面、役割
【違い⑤:経済的自立】
芸舞妓さんは年季があけるまでは屋形に住み込みます。
年季とは、一人前になるまでの修業期間です。
屋形暮しの間は原則給料は発生しません。
というと、タダ働きみたいですが、そうではありません。
舞妓さんの生活費、お稽古代、高額な衣装代・・・。
年季の間は、全て屋形が面倒をみます!
年季奉公=見習修行中です。
年季中は、給料はなくお小遣い制です。
年季があけると、自前さん芸妓さんになります。
住居は屋形ではなく、1人暮らしになります。
また、当然、衣装代は自己負担です。
芸妓さんの着物は、ほとんどオートクチュールです。
高額のローンを抱えながら働く芸妓さんもいます。
【違い⑥:役割】
芸妓さんは、芸事のエキスパートで、且つお座敷のプロです。
舞妓さんは、芸妓さんの見習い、わかりやすく言うとインターンです。
ですから、芸妓さんになると周囲の見る目も格段に厳しくなります。責任も大きくなるのです。
舞妓さんは見習いだからといって、うかうかしていられません。
将来芸妓さんになって困らないように、芸舞妓のおねえさんの振る舞いを見て覚えていきます。
芸舞妓さんは、お座敷でただ舞を披露すれば良いのではありません。
お客様が楽しめるように常に気配りします。
誰が何をするのかの手順の伝達をして、お酒や料理を運びます。
これらは、芸舞妓さん同士のちょっとした目配せや仕草で決められます。
料理の内容によって段取りのルールがありますが、会席料理の場合を例に挙げてみましょう。
舞などの余興の芸事のタイミングは、天ぷらが出される頃というルールがあります。
ある程度経験を積んだ芸舞妓さんたちは、このような諸条件によりもてなしを考慮して決めていきます。
私は学生時代に一時期アルバイトでウェイトレスをしていました。
ウェイトレスって、大変な仕事です。
芸舞妓さんは、このウェイトレスの何倍も大変ですよね!
舞妓さんと芸妓さんの共通点
舞妓さんと芸妓さんの違いについて解説してきましたが、ここでは彼女達の共通点についてお話していこうと思います。
共通点。それは夢を売る職業ということです。
当たり前ですが、かなり大変な事が多いんですよ。
お仕事中だけではなく、日常生活もかなり制限があります。
芸舞妓さんは、移動の際には徒歩かタクシーしか使用しません。
繁華街で行けるのも、デパートや映画館と限られています。
特に舞妓さんの間は地毛で結っているので、行動の制限がよりかかります。
屋形暮らしの舞妓さんが本当に一人になれるのは、映画館だけかと私は考えます。
ファストフード店も禁止です。しかし、お客様が同伴だと可能です。
ですから、舞妓さんを息抜きの為に連れて行ってくれるお客様もいます。
ファストフードを食べたい年頃の舞妓さんが我慢するのは大変ですからね。
厳しいお稽古だけではなく、このような努力が芸舞妓さんを輝かせていると言えます。
私は宝塚が好きですが、宝塚にもすみれコードってありますね。
これは、劇団のイメージを壊さない暗黙の了解事項です。
1度だけ、私は某元タカラジェンヌの方のブログを見ました。
格別すみれコードに反した内容ではないのですが、なぜかがっかりしました。
それからも、その方を応援する気持ちは変わりません。
が、やはり見えない部分があるのは、夢を売る職業にはとても大切だと認識した出来事です。
芸妓さんは2種類いる!?
芸妓さんは1種類と思いがちですよね。
でも実は、芸妓さんは2種類に分けられます。
芸妓さんには立方と地方がいます。
舞を舞うのが立方、三味線の伴奏と長唄を唄うのが地方です。
長唄の他に常磐津、清元を専門分野とする人などいます。
地方さんはただ演奏や唄に徹している訳ではありません。
立方や舞妓さんの舞をよく見て、的確な判断をします。
地方のおねえさんが無理と言えば、舞うことができません。
誰の推薦があったとしても、です。
逆に口添えしてくれると強力なバックアップになります。
お座敷で舞う曲も地方さんが決めます。
舞を舞う立方に対して、地方さんは目立たない存在に見えます。
が、しかし、ベテランの地方さんは、お座敷を盛り上げる能力も高いのです。
年齢を重ねても素晴らしい立方さんは存在しますが、若さに左右されがちな面もあります。
一方、地方さんは、経験を積めば積むほど安定して上り坂になります。
また、地方さんになるには、必ずしも舞妓さん経由がルートではありません。
音大の邦楽科を卒業して地方さんになる人もいます。
我こそはと思うあなたには、ぜひ挑戦していただきたいです!
自分の目で違いを確かめてみよう
ここまで芸舞妓さんの違いや共通点をご紹介してきました。
でもやはり、自分の目で違いを確かめたいですよね♪
「でも、お座敷は高いし、コネもないし・・・。」
しかし、心配しないでください!
お座敷以外の場で踊りを見られる場として、踊りの会があります。
【4月初め開始】
祇園甲部:都をどり
宮川町:京おどり
【4月上旬】
上七軒:北野をどり
【5月】
先斗町:鴨川をどり
【11月】
祇園東:祇園をどり
これらは旅行代理店で手軽にチケットの申し込みができます。
以前は東京や大阪の花街でも踊りの会はありました。
現在では、新橋の東をどり以外は、京都のような会は開催されていません。
私は都をどりと東をどりを各1回ずつ見ました。
京都と東京の花柳界の雰囲気の違いを感じて楽しいですよ^^
もし機会があれば、複数見比べるのをおすすめします。
私は2016年に都をどりを見たのですが、その年の動画があります。
ご興味があればご覧ください。
この動画を見ると、いろいろ思い出して懐かしくなります。
踊りの会については、主要なものを挙げましたが、他にも開催されています。
ただ、踊りの会は、開催時期が観光シーズンと重なりがちです。
手軽に1年中見られる場として、ギオンコーナーがあります。
京舞だけではなく、日本の伝統文化を7つ見ることができます。
個人で行く場合は予約不要です。
年末年始などお休みの日もあるので、そこだけご注意ください。
私は中1の演劇部時代は照明担当でした。
特別な専門知識はありませんが、今でも関心はあります。
照明の美しさは印象に残っています。
都をどりの会場である祇園甲部歌舞練場の舞台装置・照明音響の巧妙さには定評があります。
本場の味わい
舞妓さんと芸妓さんの違いは、髪型や着物のような外見だけではありませんでした。
責任の重大さや経済面の違いもありましたね。
芸舞妓さんには、これからも精進を重ねて輝き続けていっていただきたいです。
そして、地方さん希望者も増えますように。
私は歌舞伎座などで何度か歌舞伎を鑑賞したことがあります。
男性の演じる歌舞伎とはまた違う美しさが都をどりにはありました。
デパートの物産展などで舞妓さんに会う機会もあるにはあります。
けれど、可能であれば、ぜひ本場の京都でご覧ください。
会場の雰囲気はそこでしか味わえないからです。