重陽の節句って何?

重陽の節句って何?あまり知られていない雅(みやび)な節句

重陽という漢字を見ると、中国の地名のようなイメージがしますね。

ところが、重陽は地名ではなく、五節句のひとつで、秋の代表的な節句なんです☆

そんな節句、聞いたことないという方もいらっしゃるでしょう(筆者もその一人でした)

そこで今回は、重陽の節句について調べてみました!

重陽(ちょうよう)とは?

重陽(ちょうよう)とは?天気予報や情報番組でもあまり取り上げないので、聞きなれない言葉かもしれません。

重陽(ちょうよう)は、五節句のひとつで、9月9日に行う節句です。

9月9日を重陽と呼ぶのは、陰陽道(おんみょうどう)が由来です。

陰陽では、奇数を陽とする考え方があり、1~9の中で最大数の9が重なる日なので重陽と呼びます。

陽なら明るいイメージがするから、縁起が良い日なのかな?

と思われる方もいると思いますが、実は逆で、元は陽が重なる日は気が強すぎる、不吉な日でした☆

そこで、邪気を払い、長寿を祝う日として節句を行うようになったのです。

のちに、陽が重なる日は吉日と考えるようになり、祝い事の日となりました♪

(真逆の考え方に転ずるのも、なかなか無い歴史ですね)

五節句と重陽

五節句と重陽重陽の節句の歴史は古く、中国では漢の時代(前206頃~8年頃まで)から行われていました。

日本に重陽の節句が伝わったのは平安時代で、ほかの五節句とともに伝わりました。

五節句の中では、桃の節句や端午の節句などが有名ですね♪

五節句とは

五節句は、以下の五つを言います。

①人日(じんじつ):1月7日(七草がゆ)
②上巳(じょうし):3月3日(桃花、よもぎ)
③端午(たんご):5月5日(菖蒲)
④七夕(しちせき):7月7日(笹、瓜)
⑤重陽(ちょうよう):9月9日(菊、栗)

1月7日は、1月1日が元旦にあたるため別格として扱い、1月7日に節句の祝いを行いました。

あれ?奇数なのに11月11日は節句がない…

ですね☆

陰陽道の考え方で、奇数の一番大きな数が9であることから、11月は除外されたと伝えられいます。

五節句については以下の記事も参考になさってくださいね♪

重陽は菊の節句

菊の節句である重陽旧暦では、9月は菊が咲く季節なので、重陽の節句は菊の節句と言います。

菊の花を飾ったり、菊の花びらをお酒に浮かべて祝宴を開いて祝う日です。

菊は食用、除虫、観賞用と、さまざまな種類がありますね。

花も小菊から、大輪の花を咲かせるものまであり、成長を競い合うこともある、人気の花です♪

天皇家の紋章も、十六枚の花びらをあしらった菊の紋章ですね。

日本での重陽の節句

日本での重陽の節句日本では平安時代の初期より、菊や栗を用いたお酒や食事で祝宴を開いていました。

9月に菊や栗は早いのでは…?

と思うなかれ。

これは旧暦の行事で、現代の暦にすると10月中旬にあたります。

色鮮やかな菊の花びらをお酒に浮かべ、焼き栗や栗ごはんで節句を祝います。

日中はススキの穂が風に揺れる風景を眺め、夜はコオロギの美しい音色で穏やかに過ごす…。

秋の訪れを楽しむ光景が目に浮かびますね♪

重陽は大人のひな祭り?

重陽は大人のひな祭り?大人のひな祭りという響きは、ちょっぴりドキッとさせられる言葉ですね☆

重陽の節句の時期は、おひな様を出して湿気などを除去する季節でもあります。

日本の夏は高温多湿で、箱の中や押し入れに仕舞いこんだままだとカビやすくなります。

そのため、重陽の節句の頃に、おひな様を出して、メンテナンスをします。

桃の節句に飾るおひな様は、女児の成長を願う祝いで、大人のひな祭りは保守なんですね☆

子どもの頃の桃の節句を懐かしみながら、おひな様を大切にする大人の女性へと成長した証。

大切な文化として受け継いでいきたいですね♪

重陽の節句のご馳走

重陽の節句のご馳走節句といえばご馳走がつきものです♪

1月7日は七草粥。

春の七草を入れて、薄味に仕立てたお粥は、上品で体に優しい味がします。

3月3日は、甘酒やひなあられで、カラフルかつ可愛らしく。

5月5日は、柏餅やちまき。

7月7日は、あまり知られていませんが、そうめんを食べます!

元々は索餅(さくべい)といって、小麦粉で作られたお菓子を食べていました。

やがて作り方などが変化して、現代では素麺(そうめん)に。

そうめんを天の川に見立て、暑い夏の夜に冷えたそうめんを食べるのは粋ですね☆

七夕に関係なく、偶然そうめんを食べていた人もきっと居ると思いますが…(笑)

9月9日のご馳走は

9月9日の主役は五節句の締めでもある重陽の節句は、菊と栗が主役。

食用の菊の花びらをお酒に浮かべたり、ちらしずしの上に散らしたりして楽しみます。

菊を主役にした生け花を飾るのも素敵ですね♪

栗は、イガ付きが手に入る方は、インテリアとして飾るのもおすすめです。

定番の栗ごはんは、収穫時期に合わせてキビやアワを混ぜた雑穀米にしてみましょう。

デザートは栗の渋皮煮やモンブランケーキなどを堪能すれば、豪華な重陽の節句ができますね♪

重陽の節句を祝おう

重陽の節句も大切に春から夏は、寒い冬を我慢し、迎えた心がワクワクする季節です。

新年を七草粥で迎え、桃や端午の節句で子どもの成長を願い、願い事を書いて七夕を楽しむ…。

それに比べると、秋はこれから寒い時期に向かう、もの寂しさを感じる季節。

華やかな菊や美味しい収穫物でパワーチャージをして、邪気を払い、元気に冬将軍を迎えましょう!

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