三人寄れば文殊の知恵という言葉がありますね。なんだか凄く良い考えのようです。
人生はいつでも選択の連続。「どうすればいいんだあぁぁぁ」というシーンには何度も出合います。
三人寄って相談してる暇もない時もありますから、一人でも文殊の知恵が欲しい場面がたくさんあります。
今回、文殊の知恵を授けてくれる仏様が天橋立にいるという噂を聞きましたので、調べてみました。
天橋立ってどんなところなんでしょうか。海に囲まれた砂浜と松林の眺望が有名ですが…。
それではいざ!文殊の知恵を頂きに、天橋立に行ってみましょう!
文殊って何?
ところで文殊の知恵の文殊とはなんでしょう。
文殊はもんじゅと読みます。ちょっと不思議な響きの言葉ですね。
このもんじゅは、サンスクリット語で文殊菩薩を表すマンジュシュリーのことです。
では文殊菩薩はどんな仏様なのでしょうか。
まず、乗り物は獅子です。
さらに獅子の上に蓮華座という蓮華の花をかたどった台を置きその上に座っています。
右手には宝剣を持っています。
この剣は、煩悩や悪魔を打ち破ることのできる利剣で、智慧を象徴しています。
左手には青い蓮華の花を持っていて、この花には経典がのっています。
髪は結い上げていて、時には少年の姿になっていることもあります。
剣と花を持って獅子に乗っている少年って、なんかすごい萌え要素が…。
でも、文殊菩薩の仏像には色々あって、剃髪した修行僧の姿であらわされる場合もあります^^;
文殊菩薩は智慧を司る仏様です。
こんなお話があります。
維摩居士(ゆいまこじ)という人がいたのですが、この人とにかく討論が大好き。
今までみんなとの話し合いで、ことごとく論破しまくってました。
この維摩居士が病気で臥せったので「お見舞いに行くように」と釈迦が言いました。
でもみんな、過去に維摩居士にやり込められたことがあるので、誰もお見舞いに行きたがらない^^;
しかし、文殊菩薩が維摩居士のお見舞いを引き受け、彼の家へ向かいました!
「…ならば、わたしが行こう。」的な?
そこで、やっぱり討論開始!維摩居士、元気そうやん^^;
文殊菩薩は維摩居士との難しい問答でも対等に話をします。
そしてその時の問答は、今でも仏教の概念を説く時に用いられています。
この問答は維摩経にありますので、興味を持たれた方はチェックしてみてください!
こちらは分かりやすい解釈で人気の本です!
文殊菩薩、颯爽と登場してきちんと仕事する頭脳派、そしてかっこいい!
個人的には、一押しの仏様ですっ(〃▽〃)
文殊の知恵はどんな知恵なの?
文殊の知恵は、この文殊菩薩の知恵のようにとても素晴らしい考えという意味です。
この言葉は、三人寄れば文殊の知恵ということわざで使われます。
このことわざは、たとえ凡人でも三人集まって考えたら素晴らしい考えが思い浮かぶという意味です。
さて、じつは、ことわざに出てくる知恵と、文殊菩薩の智慧は実はちょっと違います。
漢字も違っており、普通の知恵は「知恵」で、文殊菩薩の方は「智慧」です。
日常的に使われる「知恵」ですと、思いつきや工夫といった意味合いです。
でも「智慧」は仏教用語で、本当のことを見極めて、正しい判断をする力を意味しています。
文殊菩薩に会いたい!
では文殊菩薩はどこにいらっしゃるのでしょうか。
仏像としては、釈迦如来の脇侍として普賢菩薩と一緒にお釈迦様の横に並んでいる事がよくあります。
しかし、三文殊と言われるのは、
・京都府宮津市にある智恩寺の切戸文殊
・奈良県桜井市にある安倍文殊院の安倍文殊
・山形県東置賜郡高畠町にある大聖寺の亀岡文殊
です。
今回はその中でも智恩寺をご紹介します。
天橋立の古刹・智恩寺
知恩寺は京都の人気観光スポット・天橋立にあるお寺です。
ご本尊は文殊菩薩座像で、国の重要文化財に指定されていますが、秘仏なので通常は公開されていません。
毎年、1月1日〜3日、1月10日(「文殊堂十日えびす」)、7月24日(「出舟祭」)の5日間だけ御開帳の日がありますので、見たい方はその日を狙って足を運んでみましょう!
→ 智恩寺
知恩寺にある九世戸縁起(くせどえんぎ)には、天橋立と文殊菩薩の伝説が記されています。
<九世戸縁起>
昔、このあたりには、荒れ狂う龍がいて、人間が住むことはできませんでした。
そこで、この龍を改心させるために、文殊菩薩を呼ぶことになりました。
文殊菩薩は1000年かけて龍を説得し、ついには人々を守護する神になることを約束しました。
こうして、この地に人が住めるようになり、文殊菩薩を祀るようになったのです。
あの文殊菩薩が説得に1000年もかかるなんて、かなり強情な龍ですね…。
でも、1000年も説得し続けた文殊菩薩もすごい!
文殊の知恵を授かりに天橋立に行ってみよう!
こんなすごい文殊菩薩と龍神のいる天橋立は、現在でもパワースポットとして人気ですし、伝説を由来とした地名がまだ残っているところです。
そして、日本三景の一つで、素晴らしい景観も魅力の観光地となっています。
実は、京都府の中では京都市内に次いで、観光客の多いところなんですよ。
是非、文殊の知恵を頂きに、天橋立を訪れてみてください!