昭和の高度成長以降、子どもの遊びも随分と様変わりしました。
筆者の幼少期は、まだテレビゲームもなく、ゴム跳びや缶蹴りなどをして遊びました。
その中で、うっすらと記憶の片隅に残っているのが竹馬です。
現代も材料こそ違うものの、竹馬は販売されています。
そこで今回は、竹馬の歴史について調べてみました☆
竹馬の歴史・発祥の国はどこ?
竹馬の発祥は日本ではなく中国でした。
中国語の発音は「ツウマー」
5世紀頃の書物、世説新語に「笹竹を馬に見立てて股の下に入れ走り回る遊び」と記載があります。
言葉から推察すると、魔女がほうきにまたがっているような格好ですね。
笹の葉がある部分を頭に見立て、馬にまたがるように竹にまたがったから竹馬。
実は日本でも、始めは同じ遊び方をしていたんです。
日本の竹馬の歴史
二本の竹に乗って歩く現在のような遊び方は1845年頃から始まりました。
北 静盧(きた せいろ)という学者が記した「梅園日記」に記載があります。
ただし、竹馬ではなく、鷺足(さぎあし)と書かれています。
竹以外の材料で作られることもあり、ほかに、高足(たかあし)やポゴなどと呼ばれました。
初めてステンレスを使った竹馬が販売されたのは1969年。
戦後、海外から様々な材料や文化が入ってきたことが伺えます。
海外では仕事道具!?
日本では、玩具や、曲芸師が使うイメージがある竹馬ですが、海外では用途が違います。
フランスでは羊飼いが放牧の際に、遠くまで見渡せるように竹馬に乗って仕事をしました。
また、トリニダード・トバゴ共和国には、竹馬に乗りながら踊る伝統が受け継がれています。
ベルギーのワロン地域では、竹馬祭りが開催され、お互いを竹馬から落とすという競技を行います。
竹馬から落すなんて落ちたら痛いじゃないか!と思わず呟いてしまいそうな競技ですね笑
竹馬でマラソン?!
英雄ナポレオン・ボナパルトは、妻が訪れる際、護衛を竹馬に乗らせ、馬車に付き添わせました。
ゆっくり走る馬車ならまだしも、フランスでは竹馬でマラソン大会をするほど流行したのです。
竹馬は普通に歩くよりも速く移動できるものとして重宝したのだとか。
確かにコンパスが長い分、歩幅も広くなりますね。
転んだら痛そうですけど笑
沖縄では竹馬で通学
今は橋が架かっていますが、その昔、沖縄の久米島と奥武島の間は竹馬で行き来していました。
2mほどの高さの竹馬で水の中を渡り歩き、落ちた日は学校へ行かなかったとか。
そのほか、沖縄には三角竹馬、別名「やっとこ」と呼ばれるものも存在します。
クロスした竹の下に、横棒が渡された竹馬です。
調べてみると、市販品もありました。
普通の竹馬より難易度が高そうです・・・。
現代の日本の竹馬
物造りにおいて、非常に優秀な日本の技術。
従来の竹を用いた竹馬から、スチール製、カーボン製、伸縮性のあるものなど、各種さまざまです。
竹が手に入りにくい方のために、竹馬手作りキットも販売されています。
バランス感覚を養うことができる竹馬は、子どもの運動にもピッタリです。
外で遊ぶことが少なくなった現代の子どもたちに、体を使った遊びを体験させる機会になりますね♪
大人の方が転んじゃったりしてw
竹馬の友・なんて読む?
正しくは「ちくばのとも」です。
たけうまのともと読まないようにしましょうね。
竹馬の友は、幼ない頃に遊んだ友達=幼なじみのことをいいます。
由来は中国の桓温(かんおん)という英雄が、殷浩(いんこう)という友を評価したセリフです。
「殷浩と私は子供の頃に竹馬で遊んだが、いつも私が捨てた竹馬に乗っていたのが、殷浩だった」
ん?
どういう評価でしょうか(笑)
実は、垣温は殷浩と同じ扱いをされるのを嫌っていて、自分の方が上だと主張したかったのです。
竹馬の友の対義語は、宿敵、怨敵です。
幼なじみの良いイメージとはちょっと違ってきましたね…。
竹馬は春駒と呼ばれた時代があった
先述した、竹にまたがって遊ぶ形を春駒(はるごま)と呼ぶことがあります。
竹馬に乗れない幼い子は、こんな遊びから始めても良いですね。
ちなみに、岐阜県郡上市では春駒という踊りがあります。
江戸時代、馬の一大産地であった郡上市。
手綱さばきの勇ましい姿を歌った踊りで、お盆に3日間徹夜で踊ります。
時折、片足をあげて踊る仕草は、まさに馬の脚のようです。
え?竹にまたがったりはしませんよ(笑)
竹馬に使われている竹の種類
竹を用いた竹馬は、一般的に真竹(マチク・マダケ)と呼ばれる竹で作ります。
竹の種類は多く、特徴もさまざまです。
例えば竹の子を食すのは、孟宗竹(モウソウチク)、籠に使うのは黒竹(クロチク)など。
ラーメンに入っているシナチクも、麻竹(マチク)の若芽です。
竹の種類によって、大きさや硬さが異なるので、竹ならなんでもいいという訳ではないんですね。
大人も子どもも竹馬で遊んでみよう
社会人の中には、竹馬で遊んだ経験がない方もいると思います。
危険だからという理由で遊具がどんどん減っている昨今。
まずは低い竹馬からチャレンジしてみてください。
意外とハマるかもしれない楽しさがありますよ♪