食欲の秋になるとデパ地下や和菓子店には、秋らしい和菓子がたくさん並びますよね♪
どれも本当においしそうで、食いしん坊の私はどれを買うか迷ってしまいます^^
そこで、ふと疑問に思ったのが「そもそも和菓子ってどれくらいの種類があるの?」と言う事です。
なので今回は、和菓子の種類と秋の人気者である栗きんとん、栗蒸し羊羹および栗羊羹についてお話ししていこうと思います。
栗蒸し羊羹と栗羊羹は同じじゃないの?と思ったそこのアナタ、違うんですよ~!
和菓子は四種類に分けられる
現代の和菓子は、以下の四つに分けるとわかりやすいです。
分類の基準が異なると分け方が違ってきますが、今回は四種類で分けました。
①餡菓子
饅頭、きんとん、今川焼など。
②餅菓子
団子、外郎、羊羹、求肥など。
③干菓子
煎餅、おこし、落雁など。
④南蛮菓子
カステラ、コンペイトウなど。
そもそもきんとんとは何だろう?
きんとんとは、甘く煮たサツマイモや長芋の餡に煮た栗、インゲン豆などを混ぜた口取りです。
口取りとは、おせち料理の祝い肴などの献立のひとつで、羊羹や寒天などの甘味類を意味します。
茶席の菓子としては、餡玉の周りに箸でそぼろ状の餡を付けて毛玉のようにしたものです。
ではこのきんとんは、どのくらい昔から存在したのでしょうか。
名前としては、1488年『北野社家日記』に出てきます。
1603年にイエズス会が長崎で刊行した『日葡辞書』には以下の記述があります。
「Qinton(キントン)中に砂糖の入った、ある種の丸い餅」
歴史で習ったフランシスコ・ザビエルもきんとんを食べていた可能性は大です。
ただし、ザビエルはスペイン出身なので、お間違いなく。
また、現在の茶席の菓子に近いものは、1761年『古今名物御前菓子図式』に出ています。
この本の中では、「大徳寺きんとん」という名前です。
これは、粳ともち米の粉で作った皮の中に、白餡を入れ、その上に白餡で包んで丸くしたものです。
ここでは書ききれないくらいきんとんは製法が時代と共に変化していき、現代に至ります。
表記は平仮名か、もしくは金団と書くのが一般的なようです。
かつては、金飩、橘飩という字も当てられていました。
栗きんとんあれこれ
秋に食べたい栗きんとんと言えば、岐阜県中津川の栗きんとんが一番ですね。
これは、ゆで栗をほぐし、砂糖を加えて茶巾しぼりにして作るものです。
「すや」と「川上屋」は有名です。
栗きんとんと聞くと、私は、正月のおせち料理に食べる栗きんとんがまず思い浮かびます。
この正月用のきんとんは、江戸時代までの文献には見られず、明治以降に広まりました。
栗きんとんはおせち料理のレギュラーなので、もっと古くからあると私は思っていたのですが、結構新しいのが驚きでした。
見た目は洋菓子ですが、長野県にある小布施堂の「栗の点心 朱雀」も、現代版栗きんとんですね。
私は、夏に小布施へ旅行に行ったことがあります。
しかし、かなり昔なので、食べ物でのオススメの記憶はありませんが北斎記念館と高井鴻山記念館は良かったです。あとは、小布施堂でいろいろお土産を購入したのは覚えています。笑
なぜ「羊羹」と書くの?
どうしてようかんは「羊羹」と表記するのかご存知ですか?
羊羹は訓読すると「ひつじ(の)あつもの」と読みます。
あつものとはスープのことです。元々は羊のスープなんです。
羊羹が日本に伝えられたのは鎌倉から室町時代の頃、中国に留学した禅僧がもたらしたとされています。
当時の製法はわかっていませんが、動物肉に見立てた食べ物であったことは推測されます。
禅僧は肉食を禁じられていたので、植物性の材料を使った見立て料理が生まれたと考えられます。
羊羹は、小豆や小麦粉、葛粉を混ぜて蒸し固めて、羊の汁物の色や形に似せたと言われています。
そして、その羊羹にとってもっとも画期的な出来事が江戸時代に起きます。
寒天を使って練りこむねり羊羹が江戸で考案されたのです。
日持ちが良いことから、贈答にも好まれ、今では羊羹の主流はねり羊羹といえます。
栗蒸し羊羹と栗羊羹の違い
「では、栗羊羹を蒸したのが栗蒸し羊羹?」
と思われそうですが、そうではありません。
どこが違うのでしょうか?
栗蒸し羊羹
小麦粉や葛を餡と合わせて蒸し上げたもので、砂糖は控えめです。
冷蔵・生ものの扱いなので、日持ちしません。
栗羊羹
餡と寒天を練りながら火に通し、冷めていくうちに寒天が固まったもので甘みが多いです。羊羹の由来でも述べた通り、日持ちします。
栗蒸し羊羹は購入した当日に食べきってしまうのが良いです。
これは私個人の独断と偏見ですが、昨年、栗蒸し羊羹を食べる機会があり確信しました。
ねり羊羹は冷蔵庫に入れても風味にそれほど変化はありませんが、蒸し羊羹はおいしさが損なわれてしまいます。大人が2人か3人いれば、当日中に食べきるのは充分可能です。
おまけのヒミツ
栗蒸し羊羹と栗羊羹の発祥の地は、なんとなく京都というイメージを持っておられる方は多いと思います。
でも実は京都ではないんです!
小布施でもありません。
…では、江戸?
これも違います。
なんと正解は、『千葉県の成田市成田山新勝寺参道』なんです。
かなり意外ですよね!
筆者である私は千葉県で生まれ育っているのに、この事実を最近まで知りませんでした。
そのため、衝撃の真実をお知らせするべく、ここでわざわざ章を作って書いてみたのです笑
って、話がだいぶそれちゃいましたね〜^^;
それでは、ぜひ秋の和菓子を食べて、食欲の秋を満喫しましょう!