昔から日本人は勤勉で、働き者と言われます。
働き方改革でパートも有給がもらえるようになりましたが、喜び半分といったところでしょうか。
実際、有給をとりたくても忙しくてムリ、言い出しにくいから…と諦めたりしていませんか?
心のなかで「余った有給を会社が買い上げてくれないかなぁ~」と考える人もいるでしょう。
そこで今回は、働き方改革と有給休暇の買取についてご紹介いたします!
なぜ有給を消化しないのか
実は働き方改革以前でも、基準を満たせば、雇用形態に関わらず有給はもらえました。
しかし、仕事が山積みで有給を取れない人や、残業する人もいる中で自分だけ有給…とは言いにくいもの。
また、パートやアルバイトの立場で有給を取ると解雇されるのでは…と言い出せない人もいます。
終戦後、高度成長期を乗り越えてきた諸先輩方は、仕事優先でバリバリ働いてきました。
時は移り現代、今度は働く人口が少なく、休みたくても休めないという状況が生まれました。
筆者の友人も「休めない、辞めさせてもらえない」と何度も嘆いていました。
有給を消化しないのではなく「できない」のですね☆
じゃあ、なぜ有給制度があるの?
そもそも、現状有給を消化する人が半分もいないのに、有給休暇はなぜあるのでしょう。
厚生労働省によると、年次有給休暇はこのような意味があると定めています。
一定期間勤続した労働者に対し、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇
・・・・・。
簡単にいうと、働いてくれてありがとう。たまには休んでリフレッシュしてね♪ ということです。
国は働く人が増えれば、納税額も国内生産率も上がります。
また、過労で倒れる人を減らし、働きやすくするために有給を義務付けました。
一方企業側は、忙しいから人を雇ったのに、働かない日にまで給料を支払わなければなりません。
ブラックやグレイな企業が有給指定日を設けたり、パートやアルバイトに有給の説明をしない理由がこれ☆
しかし、もともと有給は労働者のためにある権利です。
雇用形態や働き方改革に関係なく、遠慮せずに取っていいお休みであると知っておきましょう♪
もらえる有給の日数は基準がある
まず有給がもらえるようになるためには、以下の基準を満たす必要があります。
①:6か月以上、継続的に勤務している
②:全労働時間の8割以上出勤している
そして、勤務時間に応じてもらえる有給の日数が異なります。
週30時間勤務している人は、6カ月経過すると、年に10日の有給がもらえるようになります。
土日休みでも、1日8時間働いている人なら、8時間×5日=40時間なので、週30時間を超えます。
週30時間を超えないパートやアルバイトの人も、6か月経過すれば1日、1年半後には2日付与されます。
個々の勤務時間や勤続年数によって、もらえる有給の日数が異なるので、難しいですね。
あれ、私の有給、何日あったっけ?となりがちです。
自分の入社日(年月日)と有給を消化した日は、手帳やスマホに記録することをおすすめします。
有給は買い取ってもらえるか
有給を買い取ってもらうという考え方は、昭和の時代からありました。
しかし原則として、有給の買取は認められていません。
国が休んでリフレッシュしてねと設けた制度なので、休まず働き続けるのはNGなんです。
ただ、有給を取る時間なんてないんだよ!という社員を、筆者は何人も見てきました。
どうしても消化できなかった有給は、以下の場合に限り買取が認められています。
有給の買取が認められるケース
1.法定日数を超えた日数分
企業によっては、国が定めた日数以上の有給を設けていることがあります。
福利厚生を充実させる、離職率を下げる、など企業独自の働き方改革です。
国が定めた以上の日数であれば、有給を買い取ってもらうことは可能です。
2.時効を迎えた分
有給は発生から2年間の有効期限があります。
2年を超えると時効となります。
ただし時効=失効ではなく、消化できなかったんだよね? ということで、買取が可能になります。
3.退職時に残っている分
退職後は有給を使うことができないので、残った有給は買取してもらえます。
買取を断られたら?
有給の買取はあくまでも会社側が決めることとされています。
有給は消化することが原則なので、買取の法律やルールは定められていません。
企業側が始めから有給買取り制度を設けていたり、前例があれば交渉はスムーズに運ぶでしょう。
しかし、買取を実施していない企業での有給買取の申請は、少々ハードルが高くなります。
買取交渉から金額交渉まで、時間と手間がかかります。
そして買取を拒否されても、法律がないので文句は言えないのです。
(業務多忙など、やむを得ない事情であれば労働基準局など行政が認めることもあります)
ただし、退職時の有給買取りは本人の請求権が優先されます。
就労規定や雇用契約書がある人は、有給の項目を再確認してみることをおすすめします。
職場の雰囲気やスタッフと相談を
なかなか繊細な有給制度。
働き方改革で取りやすくなったとはいえ、馴染むまでには時間がかかりそうです。
業務の遅延や人間関係のトラブルがないよう、同僚やスタッフと相談しながら効率よく使いましょう。
半分は消化、半分は買取とバランスをとってもいいかもしれませんね☆