日本の“お盆”は海外では非常識⁉︎ 国が違えば考え方も違う!

私が以前、日本語教師としてオーストラリアに赴任していた頃のお話です。

幼稚園や小学生向けにはお正月、節分、ひな祭りにこどもの日などなど…

ある意味わかりやすい行事を季節ごとに選んで紹介していました。そして、実際にその時期になると一緒にお祝いしていました^^

しかし、自主的に“日本語を学ぼう”としている大学生やビジネスマンなどには、この話題は少々幼くて退屈に感じたので、お盆やお彼岸、大安や仏滅といった六曜を紹介していました。

そしてその時、だいたい引っかかったのが“お盆”の話題。オーストラリアは移民の国なので、それぞれのルーツや宗教によって日本のお盆に対する反応は様々でした。

中華圏からの移民と“ABC”(Australian Born Chinese)の場合

1997年の香港の中国返還の前に、今後の展望を心配した香港の富裕層は、オーストラリアやカナダへ積極的に移住していました。

私がオーストラリアにいた頃は、そんな富裕層の中国人の子供たちがちょうど大学生や社会人に成りたてで、今後のビジネスの為に日本語を勉強する人が多くいた頃でした。

そして、忘れてはいけないのが“ABC(オーストラリアで生まれた中国人)”の略で、オーストラリアで生まれながらに中華圏の伝統を色濃く受け継ぐ人達でした。

彼らにお盆の話をすると、香港でも旧暦の7月15日に“盂蘭節”(ユーランチェツ)という行事があり、鬼たちがあの世から解放されこの世を彷徨うので、その霊を慰めるための行事に似ているというのです。

うーーーん(-_-;) いつの間にご先祖は鬼になったのだ⁉︎と初めは苦笑いしていた私も、それぞれの国ではとらえ方が違うと思うようになりました。

また、中華系の生徒の中には約3割のクリスチャンもいて、彼らは宗教的に(?)ご先祖の霊が戻ってくるとか、鬼がさまようとかの話にはあまり興味を示しませんでした。

地球温暖化で水没危機!ツバルのパワフルママ

生徒の中には“ツバル共和国”という、地球温暖化で水没危機にある小さな島から、会計士のご主人と一緒にビジネスを勉強に来ていた若いママもいました。

彼女のお盆に対する反応も楽しくて、「先祖だろうと鬼だろうと何だろうと嫌!」「死んでまで帰ってこられたり、さまよわれたら恐ろしくて仕方がない!」「敬うのは生きている間だけで十分!」と、悲鳴をあげていました。(笑)

ツバル出身者は彼女しか知らないので、これがツバルスタンダードか彼女の個人的な意見なのかわかりませんが、とっても潔い考えだと思いました。

ちなみにツバルはこんな国です⇩ 水没させてはいけない!美しいツバル共和国

日本人は黒魔術使い⁉︎

インドネシアからの留学生はイスラム教徒でしたが、お盆の迎え火の写真を見せながら話をすると「日本人はみんな黒魔術使いか?死者をよみがえらせる儀式って…ゆっくり眠らせてあげなよ」と苦笑されました。

迎え火の画像が、そんなに不気味に見えるのかととても驚きました(*_*)

不気味⁉︎ 神秘的⁉︎ 迎え火の様子はコチラを記事をご覧ください。

 ⇨お盆の風習はいつから?…そもそも”お盆”って何するの?

Family Reunion  一族の絆

盂蘭節から黒魔術まで(-_-;) 色々な意見が出る中で、香港から移民してきた大学生が「それはFamily Reunion(ファミリー レユニオン)だ!」と、言い出しました。

彼の一族はもともと香港で“香港ワイン”中国酒のビジネスを手広くしていたのですが、中国返還を前に、財産を国家に没収されては大変と一族バラバラにオーストラリアとカナダに移民していたのでした。

ただし1年に一度、家長のおじいちゃんの誕生日には地球上どこにいようが、何があろうが、カナダに移住したおじいちゃんのところに一族すべてが集まる決まりがあるそうです。それがFamily Reunion!

詳しく聞くと、ベトナムからの留学生やインドネシアの留学生もFamily Reunionを大切にしていました。

一族に祖国を離れて暮らす人が多いと、より結束が強くなるのだと思いました。

そして“お盆”と聞いて真っ先にFamily Reunionを思い浮かべたこの生徒は、とても大切にされた幸せな家庭環境に育ったのではないかと想像できました♪

日本人のご先祖様を大切にする心と、海外での家族、一族を思う心はきっと共通しているのだと思います。




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