古来より武士の魂として受け継がれてきた日本刀。
そんな日本刀に日本人の心と悠久の歴史を感じる方も多いと思います。
現在において、その機能性と無駄ない美しい姿・形は、世界から最強の武器として称されるとともに、芸術品としても高い評価を受けています。
日本刀は、知れば知るほどその魅力に魅了されてしまいます。
そこでこの記事では、日本刀の中でも「天下五剣」と言われる、最強にして美しさをも兼ね備えている名刀五振りを紐解いていきます☆
これを知らずして日本刀マニアは語れませんよ〜笑
天下五剣とは?
天下五剣とは、室町時代頃より名刀中の名刀といわれた五振りの名物の総称です。
より優れているものは「五本の指に入る」なんて言われますよね?
つまり、世の中に認められた五本の刀のことです。
なお、実は、具体的に刀剣古書籍において、「天下五剣」の名称が用いられた事実はないんです。
しかしながら、今日においてその名称は広く知られ、明治以降に自然発生したものと考えられています。
下記の記事では、このような美しい日本刀がどのようにして作られているか解説していますので、合わせてご覧になると、日本刀の奥深さが更に深まりますよ☆
童子切安綱(どうじぎりやすつな)
大包平と共に「日本刀の東西両横綱」と呼ばれている名刀。
昭和8年国宝第一号に指定された業物で、天下五剣の一つにして最古の刀。
清和源氏の嫡流である源頼光が愛用していた刀で、丹波国大江山に棲みついた悪しき鬼「酒天童子」の首を切り落としたという伝承から「童子切」と名付けられたことは有名です。
おとぎ話に出てくるような刀が実在するなんて凄いですよね(・◇・。)
・平安時代中期、伯耆国大原の刀工・大原安綱作の日本刀(太刀)
・昭和26(1951)年、国宝保存法による国宝指定の刀剣第一号
・刃長約80cm、反り約3.03cm
・大きく反り返っており、輪反りと呼ばれている
・所蔵:製作から千年以上経つ現在、健全なままで東京国立博物館に所蔵されている
鬼丸国綱(おにまるくにつな)
鎌倉幕府初代執権北条時政が、夢に現れた国綱を名乗る老人のお告げにより、小鬼の呪縛による病から救われた逸話から「鬼丸」と名付けられました。
・鎌倉時代初期、刀工・粟田口(あわたぐち)六兄弟の末弟国綱(くにつな)の作
・刃長約78.2cm、反り約3.2cmで輪反りと呼ばれる大きく反り返っているのが特徴
・所蔵:明治天皇に献上され現在に至る。皇室(宮内庁管理)
時政を救った鬼丸だが、その後の、持ち主はなぜか短命で亡くなることが続いた鬼丸。
主を救う刀か? それとも・・・???
ちなみに…天下五剣のうち、鬼丸だけは御物であるため国宝や文化財指定を受けていません。
三日月宗近(みかづきむねちか)
天下五剣の中でも最も優美と称される三日月宗近。
刀身の刃の部分に見える、うっすらとした三日月形のグラデーションがその名の由来です。
紫式部や清少納言ら女流文学が盛んとなった平安時代中期という穏やかな時代に作られました。
その姿の美しさは、そうした時代背景が反映されているからとも、作者三条宗近が貴族出身だからとも言われています。
・平安時代中期、三条小鍛冶宗近製作の日本刀
・刃長約80cm、反り約2.7cm
・刀身に鎬と反りのある典型的な日本刀
・所蔵:豊臣秀吉の正室高台院(ねね)から、徳川秀忠に贈られ徳川家の所有となる
その後、第二次世界大戦後まで徳川家が所有
現在は一般人の所有を経て、東京国立博物館に寄贈
・昭和26(1951)年、国宝保存法による国宝指定の刀剣第一号
大典太光世(おおてんたみつよ)
足利将軍家の秘蔵品が、豊臣秀吉に献上され前田利家に送られました。その後、加賀前田家三種の神器として、代々家宝として受け継がれています。
加賀の前田家には、三池光世が作った太刀が二振りあり、長い方を「大伝太」、短い方を「小伝多」と呼んでいました。
豊臣秀吉の養女(加賀前田家の四女)「豪姫」が大病を患った時、狐が取り憑いたことが原因と言われ、秀吉は狐狩りの文書を出し、実父 前田利家は大典太で豪姫の病を断ち切ったとの逸話があります。
・平安時代後期、筑後国の刀工三池典太光世製作の日本刀
・刃長約65.75cm、反り約2.7cm
・同時代の太刀と比べ非常に身幅が広く、刀身長の短い独特の体配を持つ
・所蔵:加賀前田家の文化財を保存管理する「前田育徳会」
・昭和32(1957)年、国宝指定
その破壊的な威力は、それを仕舞った蔵に止まった雀まで切り落としてしまうとか…Σ( ゜Д゜;)
幕府の御様御用首斬り役 山田浅右衛門が大典太で試し切りを行った時、三体積み重ねた死体のうち、二体の胴体をも切断し、三体目の背骨まで砕いたと伝わっています。
凄まじい威力ですね…。あ〜恐ろしや(;´Д`A
数珠丸恒次(じゅずまるつねつぐ)
天下五剣の中でも、他の刀のような逸話はなく、日蓮宗の開祖・日蓮上人が所持した戒刀です。
日蓮はこれを「破邪顕正の剣」として柄に数珠を巻いて佩いたことから、数珠丸という名が付きました。
・鎌倉時代、備中国の刀工・青江恒次の作
・刃長約81.1cm、反り約3.0cm
・所蔵:本願寺
・昭和25(1950)年、重要文化財保護法により重要文化財に指定
まだまだあります!日本の名刀!
名刀の中でも天下に名が轟く「天下五剣」をご紹介しました☆
どれも日本を代表する名刀です!
童子切安綱・・・国宝
鬼丸国綱 ・・・御物(皇室の所持品)
三日月宗近・・・国宝
大典太光世・・・国宝
数珠丸恒次・・・重要文化財
今回ご紹介した日本刀以外にも、逸話を残した最強と言われる日本刀がいくつも存在しています。
長く徳川家に仇をなす「妖刀 村正」
新撰組沖田総司の愛刀「菊一文字則宗」
上杉謙信の愛刀 別名雷切「鉄砲切り兼光」
にっかり笑う幽霊を切り捨てた「にっかり青江」
日本刀中の最高傑作 西の横綱「大包平」
などなど・・・
もっと深く知りたい方は、刀工の歴史や刀剣の逸話などが満載のコチラの本がおススメです☆
日本刀は調べれば調べるほど奥が深く興味をそそるものです。
まだまだ、語りつくせない魅力があります(゚∀゚)
自分のお気に入りの刀を見つけるも良し!博物館などに見学に出掛けるも良し!
ぜひ、現代に伝わる最強にして美しい名刀をお楽しみください(^_-)-☆