小学校や中学校の歴史の授業でも習うアイヌ。
今、アイヌに注目が集まっていることはご存知でしょうか。
独特の文化や文様、言葉を持つアイヌ民族は、どこか神秘的で美しい民族です。
今回はアイヌ民族と歴史について調べてみました☆
アイヌは北方の先住民族
先住民族とは、文字通り、ある土地で先に暮らし始め、生活を営む民族をいいます。
アイヌは東北北部から北海道(蝦夷)、サハリン(樺太)、千島列島周辺に先住しています。
「います」と進行形にしたのは、現在もアイヌの血を受け継ぐ人々が住んでいるからです。
過去に、札幌市議が「アイヌ民族なんてもういない」とSNSに投稿して問題になったことがありました。
近年でも某番組で「あ、犬!」と発言し、侮辱的だと炎上したことで番組側が正式に謝罪しました。
この問題については、こちらの記事も参考になさってください。
発言者は公式SNSで、勉強不足であったことを謝罪しましたが、正しい歴史を知ることは大切ですね☆
ちなみに番組で紹介されたアイヌのドキュメンタリー動画は「Future is MINE -アイヌ、私の声-」です。
アイヌ民族と和人
北海道も東北も日本の国土なのに、アイヌだけ「民族」と呼ばれるのには理由があります。
現在のように日本国として統一される以前から、北海道にはアイヌの人々が暮らしていました。
飛鳥時代になると、現在の奈良県に大和国ができ、次第に本州、四国、九州へと領地を広めました。
この大和国(日本列島)に住む人のことを和人(わじん)といいます。
アイヌ民族と和人の間では、狩猟で得た物と、鉄やお米などを交換したりといった交易もありました。
和人が北海道に侵入!
アイヌ民族は、自然と共生し、誰に命ぜられることもなく穏やかに暮らしていました。
ところが、北海道で獲れるサケや昆布、砂金や鷹を求めて和人が侵入し始めたのです。
自分たちの儲けを増やそうとした和人(松前武士)もいました。
これにより、不満を感じたアイヌ民族と和人の間に亀裂が生じ、戦いが勃発。
この戦いを「シャクシャインの戦い」といいます。
戦いで松前藩の武士に負けたアイヌ民族は、刀を取り上げられ、理不尽な要求をされるのです。
「アイヌの生サケ100匹と、和人の米20㎏くらいを交換する」と…。
一方的で不釣り合い過ぎやしませんかーーっ ヽ(`Д´)ノ 怒
生サケ100匹と米20kgですよ!?
しかも、20kgくらいって、20kg以下もあり得るってことです。
ロシア人に和人の商人も!
1600年頃から1700年頃になると、今度はロシア人が探検と称してやってきました。
彼らは次第に、カムチャツカ半島や千島半島まで来るようになりました。
領土を広げ、アイヌの人たちから毛皮を奪おうとしたのです。
・・・探検じゃないですね。
応戦したアイヌ人のおかげで、ロシア人の侵攻は防げたものの、次は和人の商人たちが…。
以前は近隣(松前藩)の武士でしたが、今度は日本国の商人です。
中でもクナシリ島の商人は、アイヌ民族を脅し、強制労働をさせたのです!!
さらに和人によって、天然痘という病気まで持ち込まれてしまいました。
同じ日本人なのに…(泣)
北海道誕生とアイヌ民族
1869年、日本政府はアイヌ民族が暮らしている土地を勝手に「北海道」と名付けました。
さらにアイヌ民族を「土人(どじん)・旧土人」と呼んで差別しました。
その上、勝手に開拓を始め、住んでいた土地も取りあげ、さまざまな制約を義務づけました。
・イレズミ禁止
・耳飾り禁止
・サケを獲るな
などなど。
もう、怒りしか湧いてきません!
最終的には、和人と同じ生活をしなさいという「同化政策」まで強いられるように。
保護法を作ったけれど…?
1899年、日本政府は「北海道旧土人保護法」を作り、アイヌ人を助けようと言い出します。
その第1条がコレです。
「北海道のアイヌで、農業をする者には、土地をただであたえる。」
はぁ?? もともとアイヌが先に住んでたんですけどーーーっ! ヽ(`Д´)ノ 怒
その後も強制労働や戦争への参加、学校や就職で差別を受けることも多々ありました。
令和時代とアイヌ民族
現在では、再びアイヌ民族に注目が集まっています。
独特の文化、言語、美しい景色と心を持つアイヌ民族。
マンガ「ゴールデンカムイ」の人気も、影響しています。
アイヌ民族には、森羅万象(すべてのもの)には心が宿るという信仰があります。
アイヌ語でカムイは「神」、アイヌは「人」を意味します。
悲しい歴史を乗り越え、耐えて、現代までアイヌの血を受け継いでいてくれたのですね。
アイヌは身近な存在
筆者の母は、よく「ピ~リカ、ピリカ」♪と歌っていました。
ピリカの意味を調べてみると、アイヌ語で「美しい」「豊かな」という意味でした。
シシャモ、ラッコ、トナカイなども実はアイヌ語です。
カタカナが多いアイヌ語ですが、響きが美しく、調べてみると奥が深い言葉がたくさんあります。
これを機にアイヌを身近に感じ、興味を持っていただけると嬉しいです♪