舞妓さんの世界って憧れます。
遠く離れて手が届かないけれど、どこか心惹かれる。
そんな舞妓さんのしきたりを少しだけ覗いてみましょう。
記事の最後には、誰もが真似できる舞妓さんの「あの」しきたりを紹介しています。
読み終わる頃には、ちょっと身近に感じるようになりますよ。
舞妓さんへのプロセス
現代では、義務教育である中学を卒業したら、京都へ行き、舞妓になるのが一般的です。
では、すぐに舞妓になれるのかといえば、そうではありません。
京都には花柳界が5つあります。
祇園甲部、上七軒、宮川町、先斗町、祇園東です。
この5つの花街の中のいずれか1つの屋形(置屋)に所属します。
屋形とは、芸能界でいうプロダクションにあたります。
ここで、屋形のおかあさん、先輩舞妓のおねえさん達と共同生活をします。
兄妹がいても、個室で暮らすのが現在の日本人です。
おねえさんと同じ部屋で楽しめるかは大切です。
あと、よく聞くのがお茶屋。
ここが何をする所かと言いますと、お客様が利用するお座敷を持つ場所のことです。
上七軒にあるお茶屋「市」では、舞妓さんの募集をネットで受け付けています。
ご興味のある方はお問い合わせてみて下さい^^
【仕込みさん時代】
まずは、「仕込みさん」からスタート。
ここで、舞、鳴り物(三味線を除いた太鼓、鼓、笛等の囃子)、お茶を習います。
他にも花街や京ことばついて学びます。
おねえさんの着付けを手伝うのも仕込みさんの大切な仕事。
ひもや帯を渡していきながら、自分でも順番を覚えます。
期間は3か月から1年ほどです。
【お見習いさん時代】
第2ステージが「お見習いさん」。
舞妓と同じように髪を結い、着物を着て、舞妓の半分の丈の半だらりの帯を締めます。
初めて白粉をする時は、舞妓のおねえさんが教えてくれます。
これでお座敷に出ます。
お座敷では、先輩の芸舞妓の後ろにいて宴会やお座敷の雰囲気を勉強します。
その時、お客様にご挨拶をして顔を覚えてもらいます。
【お店だし】
どこの花街でも「お店だし」は華やかに祝われます。
お店だしの日は、おかあさんが決めてくれます。
お店だしの初日は黒紋付きを着てお茶屋さんにご挨拶に回ります。
こうしてようやく舞妓さんになれるのです。
【舞妓から芸妓まで】
仕込みさんを終え、舞妓さんに出てから6年間は屋形暮らしで年季奉公をします。
また、仕込みさん時代にはまだ習わなかった三味線、長唄、清元などを稽古します。
最近は、伝統的なお稽古に英会話が+αされます。
この間、食事代などの生活費、お稽古代、髪結い代、着物代全て屋形のおかあさんが払います。
屋形によりますが、お給料ではなくお小遣いをもらいます。
【高校へ入学した場合】
高校に入ったけれど、芸舞妓になりたいという方もいますよね。
もし、どうしても京都で舞妓さんというこだわりがあるならば、早めに屋形等に確認するのが1番です。
屋形へ入る年齢によっては、キャリアのスタートが舞妓からではなく芸妓からになるからです。
東京では大学を卒業してから芸者さんになる人もいます。
ちなみに、京都での芸妓、舞妓は、東京では芸者、半玉といいます。
金沢では、高校に芸者の求人が来ることがあります。
これがきっかけで芸者さんになる人もいます。
舞妓さんの髪型
舞妓さんの髪は地毛で結います。
芸妓さんになるとかつらになります。
ですから、舞妓さんになりたい場合、中学生の時から髪を伸ばしておくといいわけです。
舞妓さんの髪型も、着物同様、キャリアによって差がつきます。
店出ししたばかりの最初は京風割れしのぶ。
少し年数が経過すると、ちょっと地味に見えるおふくになります。
他にも、祇園祭限定の勝山、正装する時の奴島田があります。
舞妓最大の行事である襟替え時には、先笄(さっこう)という髪型になります。
結いあげた髪の先端を切るスタイルです。この襟替え時には、お歯黒もつけるんですよ!
一度結うと5〜6日は持つので、その間は髪を洗えません。
寝る時も箱枕です。夏には当然痒くなります。
ただ、ひとつで結ぶだけでピンを使っていないので、案外通気性は良いです。
痒くなったら櫛で掻いたり部分的に梳くことができます。
だから、そこまで不自由ではないとは言いますが。。。それでもやっぱり痒いでしょうねえ…^^;
ひとつに結ぶので、その部分がどうしてもハゲてしまいます。
20代になると円形に髪がなくなってしまいます。
ですから、芸妓さんになってから手術して治す方もいます。
私は20代後半の頃、舞妓さんの格好をしたくて、友人2人とスタジオへ行きました。
観光客ですから、当然かつらをかぶります。
舞妓さんの格好をして、スタジオの近くを散策していました。
すると、私のかつらだけとれてしまったんです!
ピンで留めてあるので、一部が引っ張られて痛いことこの上ない・・・。
予定より早く散策を切り上げなければならず、悲しかったですね。
舞妓スタジオは京都にいくつもありますが、お店選びは重要です。
かつらが外れた上に、そのお店は、着物もなんだか古くて種類が少なかったです泣
舞妓さんの水揚げ
襟替えの時の水揚げって今でもあるのでしょうか。これって気になりますね。
私も一応女性ですから、これはなかなか気になるところ。
結論から言えば、現代の花街には一切ありません。
人権侵害になってしまいますからね。安心しました~。
襟替えは舞妓さんにとって最大のイベントです。
この襟替えとは、舞妓を卒業して芸妓になる儀式のことです。
通常は、舞妓としてのキャリアを5、6年積んだ時に行われます。
子供から大人へと変わる瞬間だから水揚げのような儀式が必要とされたといえます。
戦前は貧しいところから体を張って出てきた子も多かったです。
また、置屋のおかあさんが全てを握っていて嫌とは言えない風潮がありました。
では、現在の襟替えでの諸費用は誰が出しているのかといいますと・・・。
それは、お客様です。
今では1人ではなく、数十人のご贔屓さんが分担しています。
お茶屋のおかあさんがいつものご贔屓のお客様にお願いしていただきます。
挨拶の重要性
舞妓さんになる前もなってからも大変なのが挨拶です。
私は数多いしきたりの中で、個人的にこれが1番大変だと考えています。
お稽古の帰りに、その日のお座敷でお世話になるお茶屋さんにご挨拶します。
芸舞妓のおねえさんにもご挨拶をします。
しかし、挨拶はこれだけではありません。
お稽古の行き帰り、花街の中で知っている方には全て挨拶します。
また、車で移動している芸妓のおねえさんにも挨拶をします。
車の窓ガラスが反射して中が見えないという言い訳は通用しません。
これはハード過ぎる・・・。
実は、私は中学1年の時だけ演劇部に所属していました。
隠したい過去ベスト3を作るとしたら、常に1位にランクインする過去です。
こうして書いていても、恥ずかしさがこみあげます!
↑そういう過去をここで書くのはどうなんでしょうか?笑
演劇部の上下関係が厳しく、挨拶もひたすら厳しい・・・。
登下校時、移動教室、朝礼などに先輩を探して挨拶します。
挨拶してもニコリともしない先輩も多かったです。
そっぽを向きながら挨拶する先輩もいました。
そして、「挨拶ができていない。」と、事あるごとに叱責。今思い出してもゲンナリ。
だから、少しだけですが、舞妓さんの大変さがわかる気がします。
例えば、お座敷ではなく、空港や駅でお客様に偶然お会いすることがあります。
お客様に話しかけられ、おしゃべりします。
後日、そのお客様の元へ請求書が送られます。
空港でのおしゃべりも、芸舞妓さんにはお仕事なのです。
つまり、24時間営業!
挨拶は、その基礎訓練と私は解釈しています。
自分も周囲を見るけれど、一方で見られてもいます。
こうした緊張感により、舞妓さんは磨かれていくんですね!
意外と実践できる!?舞妓さんのしきたり
舞妓さんの世界を少しだけ見てきました。
華やかさの底にある厳しさがわかりましたね。
やっぱり自分にはかけ離れていると思ったら、実はそうでもないんです。
実は、舞妓さんのしきたりを我々一般人でも取り入れることができます。
その習慣とは、ちびちび食べることです。
舞妓さんはお煎餅をそのままバリバリとかじることはしません。
手で小さく割って食べています。
これ、ダイエットにも有効です。
ダイエット経験者として、ちびちび食べるのはとても大切です。
私はクレープが好きで、たまにコンビニで買っています。
買ったクレープをお皿に置き、ナイフとフォークを使って食べています。
これはお上品さの追求ではなく、ダイエットしていた頃の習慣からきています。
時間をかけて食べる事で、満腹感と満足感を得られ、過食を防げます。
この食べ方で、見た目が優雅でダイエットにも良いと一席二鳥が狙えます!
日常生活に舞妓さんの習慣を取り入れると、毎日が楽しくなります。
あなたも少しだけ実践してみてくださいね。