布の中に小豆を入れて両端を閉じた日本古来の玩具「お手玉」。
コロンとした形が可愛らしく、何となく気持ちがほっこりますね^^
スマホゲームや携帯ゲームの普及で、日本的な遊びをする子どもが少なくなっている現代。
敢えて今、お手玉の遊び方について考察してみたいと思います☆
日本のお手玉遊びはいつから存在した?
お手玉の歴史は諸説ありますが、日本では奈良時代には既に遊ばれていたという記録があります。
その当時は水晶や石を使用していたため「石名取玉」と呼ばれています。
聖徳太子(厩戸皇子)が使っていた水晶が国立法隆寺博物館(東京)に保管されています。
石を投げて遊ぶと考えると、頭や体に当たったら痛そうですね☆
その後、江戸時代に今のお手玉の原型ができ、明治・昭和にかけて玩具として普及しました。
筆者が遊んだのは、中身が小豆の一般的なもので、祖母に教えてもらいました。
お手玉の数え唄
お手玉で遊ぶときの唄は、手毬唄と共通するものが多く使われます。
現代では「ウサギとカメ」や「げんこつ山のたぬきさん」など、明るい歌が使われます。
筆者が知っているのは「あんたがたどこさ」と「一番はじめは一の宮」です。
「あんたがたどこさ」
あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ…と続きます。
あなたたちの故郷はどこですか?熊本で、熊本には…という有名な歌詞です。
「一番はじめは一の宮」
一番はじめは一の宮、二は日光東照宮(中禅寺)…と続きます。
一の宮から始まり、十で東京二重橋に着きます。
ここまでは穏やかで、地名の勉強にもなる歌詞なのですが、二番の歌詞は少々切ないんです。
これほど心願かけたのに、浪子の病は治らない…から始まります。
その他にも、軍隊さんにちなんだ歌詞が多いのも数え唄の特徴です。
戦争という暗い時代背景が伺えますね。
これらのお手玉の歌については下記で詳しく解説しておりますので、良かったら合わせてお読み下さい☆
基本のお手玉遊び
お手玉は、2個~3個以上のお手玉を上に投げて、両手でクルクルと回して遊ぶのが一般的。
2個は比較的簡単なのですが、1個増えるだけで難易度がグンっと上がるから不思議です。
上達のコツは、投げたお手玉を見て、どのあたりの落ちてくるか見当をつけること。
そしてリズムに合わせるという点です。
後はひたすら練習あるのみ!
お手玉を使ったその他の遊び方
お手玉は一人でも遊べますが、複数人でも楽しむことができます。
例えば、二人で2個以上のお手玉を投げて、キャッチして投げ返す(優しく放ってくださいね)
たくさんのお手玉を一斉に上に投げて、一番多くキャッチした人が勝ち。
ハンカチ落しのハンカチの代わりに、お手玉を使っても良いですね☆
お手玉を隠して、宝探しみたいにしても盛り上がりますよ^^
色々とアレンジして楽しんでください♪
海外にもお手玉遊びはあるの?
元々お手玉は紀元前からあると言われ、かなり古い歴史があります。
世界最古のお手玉遊びの発祥はギリシャで「アストラガリ(拾い技)」と呼ばれました。
素材は何と、羊のかかとの骨を使っていたそうです。
【外国のお手玉】
カナダには木綿糸で編んだ、カエデのデザインをあしらったお手玉があります。
韓国には陶器でできたお手玉があり、豊作祈願の儀礼遊びとして使われます。
ミャンマーは竹でできたお手玉、パキスタンは乾燥した豆を使います。
中国は日本のお手玉に似ていますが、中身は小豆ではなくお茶の実!
さすが、お茶の国ですね。
所変われば品変わるとはこのことです。
お手玉遊びは脳トレ効果がある?
両手を使った動作は、脳に刺激を与え、良いトレーニングなります。
実際に幼稚園・保育園や高齢者の施設などでもお手玉遊びが採用されています。
特にご高齢の方にとっては、昔よく遊んだという経験者も多く、体が覚えているんですね。
人間の脳は右脳と左脳があり、左右の腕や手の動きと密接な関係があります。
両手を使うお手玉遊びは、脳トレに適した遊びと言えますね。
お手玉を握って揉むだけでも、中に入っている小豆が手のひらのツボを刺激してくれそうです♪
数え唄を歌いながらお手玉で遊べば、より脳トレになります☆
親から子へ受け継ぎたい伝統的な遊び
平成生まれのお子さまは、お手玉遊びの経験がない人もいるかもしれません。
ですが、昔の遊びはシンプルで、経済的でもあります(ゲームソフトの価格に比べたら、雲泥の差です)
余り布で自分で作ることもできますし、気に入った柄で作ってインテリアとして飾っても可愛いです。
ぜひ手作りして遊び、お子さまにもお手玉遊びの楽しみを教えてあげてくださいね^^