遠い昔、私が子供の頃、母にお手玉を教えてもらったことがあります。
飛びながらクルクル回るお手玉が面白く、見入ってしまったことを覚えています。
その時、母が口ずさんでいた数え歌が今でも耳に残っています^^
最近、子供にお手玉を見せてあげた時、つい口ずさんだものの…
「あれっ!? ここから先は…?」思い出せないッ! ということで色々と調べました。
調べてみると、こんなにお手玉の数え歌っていっぱいあったのかと驚きました!
お手玉の数え歌は、地方によって違い、その時代を映しだしているものだったのです。
この記事では、日本が映し出された「お手玉の数え歌」を5曲ご紹介します☆
♪~「一番初めは一の宮」~♪
明治時代後期から昭和にかけて全国的にから歌われていた曲です。鞠つきやお手玉の歌として有名です。
軍歌「抜刀隊」のメロディーが使われています。私もこれは歌えます♪今でも最もポピュラーなのでは?と個人的に思っております^^
日本の名所が歌われていますが、年代や地方によって若干歌詞に違いがあります。
後半は、当時流行した小説「不如帰」の主人公武男と浪子の悲恋物語が、後から付け加えられました。
♪ ~
一番はじめは一の宮
二は日光東照宮(中禅寺)
三は佐倉の宗(惣五郎(讃岐の金比羅さん)佐倉の惣五郎
四は信濃の善光寺
五つ出雲の大社
六つ村々鎮守様
七つは成田の不動様
八つ八幡の八幡宮(大和の東大寺・法隆寺)
九つ高野の弘法さん(高野の高野山)
十で東京二重橋(所の氏神さん・東京泉岳寺・東京本願寺・東京招魂社)これほど心願かけたのに
浪子の病は治らない
ごうごうごうと鳴る汽車は
武男と浪子の別れ汽車
二度と逢えない汽車の窓
鳴いて血を吐くほととぎす
武男が戦争に行くときは
白い真白いハンカチを
うちふり投げてねえあなた
早く帰ってちょうだいね ~ ♪
♪~「一かけ二かけて」~♪
上記は一かけ二かけての初音ミクバージョン(!?)です笑
「一番初めは一の宮」と同じメロディーで歌われていますね^^
全国各地で歌われ、女の子が西郷隆盛のお墓参りに行くという内容ですが、最後の部分は地域によって色々なバージョンがあります。
時代劇の口上にも使われています。
♪ ~
一かけ二かけて三かけて
四かけて五かけて橋をかけ
橋の欄干 腰を掛け
はるか彼方(向こう)を眺むれば
一七、八の姉さんが 花と線香を手に持って
姉さん姉さん(もしもし姉さん)どこゆくの
私は九州鹿児島の西郷隆盛 娘です
明治10年3月(戦役)に切腹なされし父上の
お墓参りにまいります
お墓の前で手を合わせ
南無阿弥陀仏と拝みます
(お墓の前には魂がふわりふわりとジャンケンポン) ~ ♪
♪~「あんたがたどこさ」~♪
この曲は、お手玉だけでなく、色々な遊びで使われているわらべ歌ですね☆ ご存じの方も多いと思います^^
ひとりでも遊べますが、皆で輪になって座って、「さ」のタイミングでお手玉を右隣の人に渡していき、最後に自分の頭に上にお手玉を乗せるという遊び方もあります。
みんなに合わせようと頑張るのでお手玉が上達しますよ!笑
♪ ~
あんたがたどこさ 肥後さ
肥後どこさ 熊本さ
熊本どこさ 船場さ
船場山には 狸がおってさ
それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉でちょいとかぶせ(ちょっとかくす) ~ ♪
♪~「日露戦争」~♪
明治37年に始まった日露戦争当時を風刺した曲です。
子供の遊び歌にしては、ちょっと残酷な歌詞に思えます…f(^^;)
当時は国語や唱歌の教科書に載っていて、戦前の子供達は皆歌えていました。
その歌詞にお手玉やまりつき遊びが加わりました。
遊びの中にも戦争が歌われていたのは怖いですね
こちらはメロディーでのご紹介です☆
⇨http://mippi.jp/mmland/mp3/ichiretsu.mp3
♪ ~ 一裂談判(らんぱん)破裂して
日露戦争始まった
さっさと逃げるはロシアの兵
死んでも(死ぬまで)尽くすは日本の兵
五万の兵(御門の兵)を引き連れて
六人残して皆殺し
七月八日の戦いに
ハルピンまでも攻め込んで(寄せて)
クロポトキン(クロパトキン)の首を取り
東郷大将(元帥)万々歳(十でとうとう大勝利)~ ♪
♪~「大楠公」~♪
若い方には、馴染みは少ないかも知れませんが、南北朝時代、後醍醐天皇に仕え、討死した大楠公こと楠木正成が、湊川の戦いに向い、子の正行と摂津の桜井の駅で別れる名場面を歌った曲です。
勝ち目が無いと分かった戦いに向かう正成が、正行を故郷の河内へ帰れと諭すと、正行は父を見捨てて帰れません…。一緒に戦って死にましょう。
という、涙の場面を歌ったものです。
この曲も「日露戦争」同様、国語や修身、唱歌の教科書に載る有名なお話で、戦前の子供達はみんな歌えていました。
ここでは、2番までしか紹介していませんが、この後、戦いの様子と討死の様子と6番まで続きます。
♪ ~
青葉茂れる 桜井の
里のわたりの 夕まぐれ
木の下陰に 駒とめて
世の行く末を つくづくと
忍ぶ鎧の 袖の上に
散るは涙か はた露か
正成涙を 打ち払い
我子正行 呼び寄せて
父は兵庫へ 赴かん
彼方の浦にて 討死せん
いましはここまで来つれども
とくとく帰れ 故郷へ ~ ♪
絶対に覚えたい!お手玉数え歌5選
・日本の名所が歌われた「一番初めは一の宮」 最もポヒュラー!?
・「一かけ二かけて」一番初めは一の宮と同じメロディー
・みんなで歌って遊ぼう♫「あんたがたどこさ」
・戦争を風刺した「日露戦争」
・忠誠と親子の情を歌った「大楠公(桜井の別れ)」
まだまだこの他にも、歌い継がれてきた沢山のお手玉歌があります。
時代や世相を反映しながら、歌いやすく覚えやすい曲になっていますね^^
日本だけではなく、お手玉に似た遊びは世界各地にあります。(陶器や石でできたものなど!?)
最近では、体と頭を同時に使うお手玉は知育玩具として見直されてきています。
ぜひ、子供達に日本の素晴らしい伝統的な遊びや歌を伝えていきたいですね^^
歌いながら練習すれば、きっと楽しく上達できますよ☆