日本人はお風呂が大好きです。
ゆっくりと湯船に浸かって体を芯まで温めることによって癒す、至福の時間です。
筆者の住んでいるヨーロッパでは湯船は基本ありません。
お風呂は基本シャワーのみで済まし、それに掛ける時間もかなり短いのです。
どうしても湯船のように温まりたくて、熱いシャワーを長い時間浴びていたら変な目で見られたこともあります。そんなお風呂を家以外で味わえる最高な場所が温泉と銭湯です。
一方で、温泉と銭湯の違いって、意外と明確には分からなくないですか?
という事で、この記事では温泉と銭湯の違いとそれぞれの特徴について解説します。
ついでにオススメの入浴法もご紹介しちゃいます♪
温泉と銭湯って何が違うの?
まずは温泉と銭湯のそれぞれの定義と特徴について解説します。
【温泉の定義と特徴】
まず大前提として、温泉も銭湯も「公衆浴場法」という法律で正式に管理されています。
主に衛生管理に関しては「公衆浴場法」で温泉も銭湯も同じように扱われています。
そして、温泉には「温泉法」という法律によって定義され、環境省の管轄で常に管理されています。
この「温泉法」こそ、温泉とは何かの判断基準を明記しているのです。
温泉法によると、温泉は地中から湧き出る温水・鉱水・水蒸気・その他のガスで別表に掲げる温度又は物質を有するものとされています。
ここでいう別表では適正温度は25℃以上であることと指定物質の基準値が掲載されています。
つまり、地中から湧き出した25℃以上の温水や水蒸気などは物質に関係なく温泉となります。
また、温度の高くない鉱水やガスなどでも指定物質が含まれていれば温泉なのです。
地中から湧き出したものの、温度も低く、指定物質が含まれていなければ温泉にはなりません。
地中から湧き出た温水のみが温泉と認められるわけではなく、意外と定義が広いのです。
また温泉が天然の水やガスを利用しているため、含有成分による効能が期待できます。
これは「薬理効果」と呼ばれ、多くの場合温泉の成分表に合わせて記載されています。
また、温泉を提供できる場所が限られるため、自分の生活圏内に温泉があることは稀です。
そのため、場所を変えて得られるリフレッシュ効果も温泉ならではです。
この薬理効果と場所を変えて得られるリフレッシュ効果こそ、温泉の特徴と言えます。
【銭湯の定義と特徴】
次に銭湯の定義と特徴について説明します。
ズバリ銭湯とは公衆浴場法と物価統制令の両方の対象となっている公衆浴場です。
まず公衆浴場法では衛生管理法の他に、営業のためには都道府県知事からの認可が必要と明記されています。また物価統制令では都道府県ごとに統一の入浴料金が定められています。例えば東京都であれば、銭湯は全て入浴料460円です。
つまり、公衆浴場法と物価統制令によって都道府県に管理されているのが銭湯なのです。
一方で家庭用の湯船が普及して銭湯の数は年々減少傾向です。
しかし、銭湯がなくならないように条件に合わせて都道府県から銭湯へ資金支援がされています。
地域のコミュニケーションの場として、地域住民の健康管理面も含めて銭湯は活用されています。
このため、銭湯の一番の特徴は「安さ」による使いやすさです。
生活圏において、500円以下で利用できる銭湯は憩いの場として欠かせません。
一方で銭湯ごとに特色が出やすいのも特徴でしょう。
シャンプー等を設置していないシンプルなものもあれば、サウナやジャグジーも完備の銭湯もあります。
そんな多種多様な銭湯を巡って、お気に入りの銭湯を見つけるのも面白いです。
昨今、銭湯ブームが若者の間でも起こっているのはこの「ワクワク感」のためなのです。
オススメの入浴法
最後に温泉や銭湯ならではのオススメ入浴法について説明します。
温泉や銭湯では自分の足をゆったり伸ばせるほどの湯船や水風呂を味わえます。
またその水温についても家庭用の湯船では難しい、高温で維持し続けることができます。
そこでオススメなのが「温冷交代浴」です。
やり方は温水に約3分から5分程度浸かった後、冷水に1分程度浸かります。
その後、温水へ再度3分から5分浸かり、また冷水へと繰り返します。
温水と冷水への往復を大体3から5往復する入浴法です。
この入浴法をすると自律神経が整って身体の調子を整えることができます。
また芯から身体が温まり、冷めにくいので身体の血液の流れも活発にしてくれます。
よって入浴後は溜まった疲れを癒してくれ、夜ぐっすりと眠ることができるのです。
温泉や銭湯でしか味わえないリラックスを味わおう!
ここまで温泉と銭湯の違いとそれぞれの特徴、オススメの入浴法について説明しました。
温泉や銭湯にはそれぞれの良さがあります。
自分の身体の状態やスケジュールに合わせて最適な方を選ぶと良いでしょう。
ゆっくりと自分の身体を気遣う時間を取ることによって、悩みや考え事をじっくり見つめ直すことが出来ることもあります。
疲れが溜まってきたなと感じたあなたは、ぜひ温泉か銭湯へ足を運んでみてはいかがでしょうか?