夏の和風な小物といえば扇子ですよね♪
私としては、折り畳める実用性と扇ぐ面の装飾性を両立している面白い伝統工芸品だと思います。
ところで、その扇子の中にはすごく高いものもあれば、百均で買えるものもあります。
一体何がその価格の違いになっていて、高級品はどこが優れているのか?
今回は、高級な扇子と安価な扇子の違いについてお話ししていきます。
この違いが分かるようになれば、きっちりとした良い扇子を選べるようになりますよ!
貼っている素材の違い
扇子に使われる主な素材には、紙と布があります。ですが、どちらが高いというものではありません!
どちらにせよ高いものは高いですし、安いものは安いです。結局の所、その質によるといったところです。
また、それぞれの素材の特徴としては以下のようなものが挙げられます。
【紙扇子】
- 先端まで骨組みが通っていないので、しなりが生まれ強い風を起こせる
- 骨組みを両側から挟み込む構造に出来るので、どちらの面からも隠れて見栄えが良い
- 布製に比べると耐久性が低く、さらに日焼けしたり退色したりする
【布扇子】
- 紙製に比べると耐久性に優れる
- 紙製よりもデザインなどの種類が豊富
- 汚れが付きやすく、取扱いに注意が必要
- 折り目が広がりやすい
- 骨組みを両側から隠す構造にできず、片側から見えてしまう
最終的には、貼る素材によって耐久性は違いますし、骨組みの相性によっても見た目は変わってきます。
なので、一般的な傾向を理解しつつ、現物の特性も合わせて考えてみると良いでしょう♪
骨の違い
やはり、高級な扇子に使われている骨組みの代表は竹になります。また、耐久性にも優れています。
しかし、竹が使われていても以下の2つのポイントで値段が変わるのです!
- 使われる竹の部位
- 中骨の数
扇子では、一番外側である2つの骨を親骨、間にある骨を中骨と呼ばれています。
それで竹の部位は、外側の硬い部分と内側の柔らかい部分に大別されます。この内、外側に近い部位の方が密度が高く強度があるのです♪
なので、外側に近い部位を使った扇子の方が丈夫で値段も高くなります。
なお、親骨に外側に近い部位を、中骨に内側に近い部位を使ったのもあります。ただし、全て外側を使った扇子の方がより高いです。
また、密度が高いということはその分重くなります。そのため、手に取ると高級な扇子はズシッときます^^
次に中骨の数ですが、基本的には数が多くなるほど値段も上がる傾向があります。
しかし、より柄を見せたい扇子、例えば日本舞踊などに使われる舞扇子などでは中骨を少なくしています。つまり、用途によっても中骨の本数が変わるので、一概に安いものだとは言えません。
ちなみに、竹の中でもより高級な竹というのもありますし、竹より高級な紫檀や黒檀の扇子もあります。
つまり、上を見たらキリがないといった感じです…
閉じた時の先っぽに注目!
高級な扇子にはためというものがあります。閉じた扇子の先端がギュッとすぼまっているのです。
これは、親骨を内側へと曲げることで形作られています。この構造のおかげで扇子を閉じた時に、ぱちんと気持ちよく閉まるのです!
また、これによって勝手に開かないようにもなります♪
しかし、布扇子の場合は生地が厚いので、このためが施されていないこともあるので注意が必要です。
それと、扇子を保管する際には購入時に付いてくる、扇子を閉じている輪っかを利用すると良いです。
これをつけておくと扇子の型崩れを防げ、ためを維持できます。なので、捨てないようにしてください。
ちなみに、この輪っかのことを責めまたは責め紙と言います。
まさに肝心要!
肝心要(かんじんかなめ)の要部分の由来は、扇子の骨組みを止めている根本の要と呼ばれる部分です!
ここが壊れてしまうと扇子は崩壊し駄目になるので、非常に重要な部分になります。そのため、そういった意味の言葉が生まれました。
ちなみに、肝心は肝腎とも書き、肝は肝臓、心は心臓、腎は腎臓を意味していて、人体にとって欠くことのできない部分を指します。
それで、この要の作りがどれくらいのものかで扇子の出来は左右されます。
例えば、耐久性や開閉した時の滑らかさがここで決まってくるのです。
なので、購入する時はこの要の具合を確かめるようにしましょう♪
キッチリといいもの!
高級品というのは、持った時や眺めた時になんか違うなと感じさせてくれます。
扇子だったら、特に仕上げの丁寧なもの、閉じた時の先端が真っ平らで折り目の高さがきっちり同じなのは見ていて気持ちがいいです♪
そして、そんな違いを仔細に見ていくと、確かにそんな違いが生まれるだけの仕事がされているのです!
こういったことに気がつけると、より伝統工芸品を楽しめるようになれます♪
この夏は、是非、ご自身に合った究極の一本を探し出し、暑い夏を涼やかにお過ごし下さいませ〜。