お正月の楽しみの一つが、見た目も美しい「おせち料理」。
各家庭で入れる中身も違い、作る手間もかかりますが、お正月には欠かせない料理です。
最近ではデパートやコンビニでも立派なおせち料理が販売され、よりお手軽になりましたね^^
でも、おせちに入っている各々の食材の意味をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
なので今回は、そんな「おせち料理」の意味を徹底解説いたします!
おせち料理の段数と中身
おせち料理は、概ね重箱に入っていて、重箱の段数は一段~三段あたりが定番です。
そして、中に入れる料理もある程度決まっています。
それは、お正月の縁起物として意味があるからです。
それぞれの重箱には以下のような料理が入ります。
一段目
祝い事にふさわしい祝い肴と、かまぼこやきんとんなど、お酒の肴になる甘めの料理(口取り)と呼ばれる料理を詰めます。
二段目
二段目は、縁起の良い海の幸を中心に、焼き物を詰めます。
三段目
三段目は、山の幸を中心に、家族仲良く過ごせるように、煮しめを入れます。
四段目
四段目は、四段目とは言わず「与の重」として、日持ちのする酢の物などを詰めます。
おせち料理のそれぞれの意味
おせちはお重のふたを開ける瞬間がワクワクしますね^^
豪華で色彩鮮やか、美味しそうな料理が所狭しと並べられていて、縁起物のおかずは全種類食べなくちゃ!と思ってしまいます♪
では、縁起物のおかずが持つ意味をご紹介しますね☆
◯エビ
エビは、長いひげを生やし、腰が曲がっています。
その姿から「ひげが長く伸び、腰が曲がるまで」長生きできるよう、長寿の象徴として正月飾りやおせちの料理に使われます。
◯黒豆
邪気を払う意味と、黒く日焼けをするほど、マメに、勤勉に働けるようにという願いが込められています。
◯たつくり
カタクチイワシは、昔は農作物の肥料として使われていました。
その肥料を使った田畑が豊作になったことにちなんで、五穀豊穣の願いが込められています。
◯きんとん
きんとんは「金団」とも表され、金塊や小判などの黄金色に輝く財宝に例えられます。
商売繁盛・金運・財運を願って詰められています。
◯伊達巻
形が巻物に似ているため、知識が増えるようにと願いが込められています。
また、伊達=お洒落(豪華、華やかさ)という意味も持っています。
◯昆布締め
「よろこぶ」に通じるとして、縁起が良い物とされています。
◯紅白なます
慶事の水引の色に似ていることから、平和や平安を願って用いられます。
その他のよくあるおせちの中身
その他にも縁起を担ぐ意味を持った料理が詰められています。
地方や各家庭によっても入れる物が違いますが、以下のような料理も一般的に用いられます。
◯数の子
数の子はニシンの魚の卵ですが、その卵の数が多いので、子孫繫栄を願う縁起物とされています。
◯たたきごぼう
地中深くに強く根が張る牛蒡料理は、家の基礎が堅牢で、家が代々続くという願いが込められています。
◯紅白かまぼこ
赤は魔除けの意味があり、白は清浄の意味があります。
◯ブリ
ブリは出世魚といって、成長するにつれ名前が変わる魚なので、ブリを食べて出世を願います。
◯里芋
子芋がたくさん付く姿から、子孫繫栄を願います。
◯レンコン
穴があいていることから、将来の見通しがきくようにと願います。
おせち料理の歴史
おせち料理は、お正月に食べるお祝いの料理です。
語源は、元旦や節句を祝うため、料理を神様にお供えし、その後に食べたものを御節供(おせちく)と呼んでいたのが由来と言われています。
そう、昔はおせち料理は、お正月だけの料理ではなかったんです。
江戸時代に、この行事が庶民の間にも広がりました。
一年の大切な節目であるお正月に振る舞われる料理が「おせち料理」として呼ばれるようになったのです。
また、お正月の三ヶ日は、主婦が家事をしなくてもいいように、保存が効く食材が中心になったとも言われています。
各地の珍しいおせち料理
おせち料理は、関東と関西では、味も違いがあるように、内容や詰め方が異なります。
お雑煮も地域によって入れるものや味付け、お餅を焼くか焼かないかなど違いがありますよね。
おせち料理での一番大きな違いは「祝い肴三種」の違いです。
祝い肴三種とは、豊作、子孫繫栄、健康の三つの願いが込められた料理のことです。
関東は、たつくり、数の子、黒豆。
関西は、たたき牛蒡、数の子、黒豆です。
ん?どこが違うんでしょう?
・・・。
・・・。
違うのは「たつくり」か「たたき牛蒡」かの違いでした。
その他、おせちに入れる魚が違います。
関東は新巻鮭で、関西は鰤なんですよ☆
同じ日本でも、住む地域によって、おせち料理、お正月の飾りも違いますね。
ただ、料理は違っても、各々の料理に込められた意味を理解して食べる事が重要です。
世界にもおせちはある?
【韓国】
韓国では「トックク」というお雑煮に似た料理が食べられています。
一杯食べると、一つ年を取ると言われているお正月の定番料理なんですよ。
食べすぎ注意ですね(笑)。
【ロシア】
「ペリメリ」と呼ばれる料理があります。
牛肉や羊のひき肉を、モチモチとした皮で包んだ水餃子のような料理で、その中に、いくつかのコインを入れておきます。
当たった人は一年を幸せに過ごせるという言い伝えがあります。
【イタリア】
「ザンポーネ」という料理で豚肉のミンチを詰めた物と、一緒に添えられるレンズ豆の煮込みがあります。
レンズ豆は、福を呼ぶや金運アップの意味を持つ縁起物です。
家でもおせち料理を作ってみよう!
おせち料理は、それぞれ縁起の良い意味が込められている料理の詰め合わせです。
ホテルや料亭などのおせち料理も人気があり、味はもちろん美味しいと思います。
しかし、年に一度の特別な意味を持つお料理、一段目だけでも自分で作ってみませんか?
きっと素敵なおせち料理になりますよ♪^^