日本舞踊を見てみたい♪って思っても、日舞に縁もゆかりもない人にとっては何処から何を観ればいいんだか分からないですよね!
白塗りの化粧に、重たそうな衣装にかつら。興味はあるけど・・・
自分の国の古典芸能に興味はあるけど、どれから観たら良いか分からないそこのあなたッ!!
日本舞踊の経験者である筆者が、鑑賞する側、踊りて側の両方の立場から特にお勧めしたい演目を見どころを含めてご紹介します。
今回ご紹介する演目には外れはありません!この演目の公演日程が出たら、絶対に見に行くべきです!
是非、お友達と誘い合って見に行って頂ければ光栄です♡
京鹿子娘道成寺
王道中の王道です。これは、絶対に外せない演目です。
日本人として自国の文化・芸能に触れる上でも観ておきたい演目の一つですよ。
【あらすじ】
紀州の道成寺の「安珍清姫」伝説を題材にした演目。
道成寺の鐘の再建で鐘供養に鐘を拝ませてほしいと美しい「白拍子花子」は舞を舞います。
女ごころの様々をその振りで見せます。手踊り、花笠をもった踊り、所化(坊さん)の踊り、手ぬぐい、鞨鼓、振り鼓などの小道具を使いながら、恋にまつわるさまざまな女性の姿を踊り上げます。
最後には、大蛇になった清姫の化身の姿となって、鐘に上ります。
かつて、恋する男を隠した憎い鐘に再び巻き付いて執念を表して幕を閉じます。
【見どころ】
なんといっても七回もある衣装替え! 「引き抜き」という手法で舞台にいながら、一瞬で赤の衣装から浅葱色(薄水色)に変わる演出もあるんです!
振出し笠や、振り鼓など視覚的・聴覚的にも派手な演出が取り入られていて最後まで飽きません。
【踊り手の気持ち】
歌舞伎座など大きい舞台で公演される演目ですので、自分がこの大曲を踊れることの幸せを噛みしめながら踊ります。
小さい頃から習った日本舞踊の頂点とも言える演目で、名披露目など、おめでたい時や記念すべき節目の時に踊る演目です。
鏡獅子
これも、王道中の王道です。
白い毛をグルんぐるん振り回す、あれです!
「美女と野獣」の作者であるフランスの作家ジャン・コクトーは、歌舞伎座で観た六代目尾上菊五郎の「鏡獅子」からインスピレーションを得て作ったとされる逸話は有名です。
【あらすじ】
場所は江戸城。
「小姓 弥生」はお鏡曳きの余興として舞を舞います。
手踊りに始まり、習い覚えた振りを次々と披露していきます。
やがて、祭壇の獅子頭を手にした弥生に、獅子の精が乗り移り、あの勇壮な獅子の舞になります。
【見どころ】
前半の「小姓弥生」のところでは、次から次へと踊りの振りが変わっていくのが見どころです。
途中「胡蝶」と言って蝶々の精が戯れて遊んでいる様子を表した踊りが入ります。
後半の「獅子の精」はただただ圧巻の毛の振りが獅子の勇猛さを表し、最後は「獅子の座にこそなおりけれ」と絵にかいたような様式美で終わります。
【踊り手の気持ち】
弥生の踊りの部分は、道成寺に比べると技術的には格段に上です。
細かい振りをしなやかに魅せて踊るのと、「中だめ」と言って常に膝を折って美しく見せる踊り手としての力量が試されます。
なので、うかつに「踊りたい!」と言って踊る演目ではありません^^;
これも道成寺と並ぶ、おめでたい記念となる演目になりますので、各流派の発表会では名取りの名披露目の演目です。歌舞伎座など、大きい舞台では時折舞台に掛かる演目なので、チェックしておくと良いですね!
藤娘
現代では、坂東玉三郎さんが一番有名ですが、何と言っても美しさと可愛らしさが混ざった作品です。
【あらすじ】
道成寺や、鏡獅子の様にたいしたあらすじはありませんが、「大津絵」と言う江戸時代に大流行した美しい娘が描かれた絵から「藤の精」が絵から抜け出したと言う趣向の演目です。
抜け出した藤の精が、黒塗りの笠や、手拭い、扇子、手踊りで娘心を美しい振りで表現します。
最後は、また藤の花の枝を愛しく眺めた姿の錦絵戻ると言う美しさにうっとりしてしまう曲ですよ♪
【見どころ】
舞台の演出では、舞台の証明が落とされた状態で曲の一節が唄われた後、拍子木の合図でパッと舞台の照明が明るくなる演出が一般的です。
そこには、松の大木の前に美しい娘姿の「藤の精」が立っており、まるで絵から抜け出たようです。
道成寺と同じように、何度も衣装替えがあって、舞台の松の木の裏側を通り抜ける度に、その一瞬で衣装が変わるのも見どころです。
【踊り手の気持ち】
各流派の踊りの発表会では必ず演目として上がってくるものです。
まだ、日本舞踊を初めて数年の小学生位でも舞台にかけられる演目ですが、それこそ坂東玉三郎さんの様なプロの方も踊る演目なので、見る方が見ると上手い下手が分ってしまう演目とも言えます。
道成寺や鏡獅子の比べると15分~20分位と短かいですが、娘が酒に酔った様子を表す振りがあったりと、舞踊の要素がギュッと詰まった曲です。
舞踊を見に行こう!
様々なエンターテインメントが楽しませてくれる現代ですが、オリンピックも来ることですし、自国の文化を知ることは海外の方にも知ってもらう良い機会です。
今回挙げた3演目は、絶対ハズレの無い演目です。
歌舞伎座や国立劇場、新橋演舞場など大きい舞台はもちろん、身近なところで開催される各流派の発表会もチェックすると良いですよ。
是非、劇場含めた舞台の雰囲気を楽しんで下さい♪