年末が近づくと、そろそろお餅の準備をしなくちゃという気になりますね♪
お雑煮などで食べるお餅のほかに、お正月に欠かせない餅が「鏡餅」です。
丸いお餅を二段にして、台の上に飾る・・・。
上に乗せるのは、ゆずだっけ? ミカンだったかな?
毎年飾る人でないと、ウロ覚えで飾り方に悩む鏡餅。
そして、存在をうっかり忘れそうな、鏡餅を乗せる葉っぱ!
そこで今回は、鏡餅を飾る葉っぱの種類や、込められた意味をご紹介します☆
鏡餅に使用する葉っぱの種類
実は、鏡餅を飾る際に使う葉っぱは2種類あるんです。
長くてピラピラした葉っぱの方が、目立つし存在感がありますね。
でも、その陰にひっそりと違う種類が飾られているんです。
裏白(うらじろ)
長い葉っぱは、裏白(うらじろ)という葉で、穂長とも呼ばれます。
種類はシダの仲間です。
葉の裏が白いことから、清廉潔白、白髪になるまで長生きするという意味を表しています。
お正月の注連(しめなわ)飾りに使われることもありますよ☆
ゆずり葉
もう一種類はゆずり葉です。
細長く、少し硬めで、表面に光沢がある葉っぱです。
この葉っぱ、春に若葉が出ると、新しい若葉に代を譲るように古い葉っぱが落ちるんです!
若い芽に世代を譲ることからゆずり葉と呼ばれ、家の繁栄を願って飾ります。
鏡餅に葉っぱを敷くのはなぜ?
鏡餅は年神様の宿る場所としてお供えするものです。
お正月の間、年神様は鏡餅を拠り所とします。
そして、お正月が終わったら、鏡開きの日に、そのお餅を食べてご加護をもらいます。
神様がお越しになる場所なので、縁起のよい葉っぱを敷いて丁寧に扱います。
そして、昆布や干し柿なども添えて飾ります♪
現代のように医療が発達していない時代は、長生きして、家督を代々受け継ぐことが重要でした。
まさに神頼みが、唯一の方法だったのだと思います。
現代は簡略化されて、葉っぱを飾らないこともありますが、緑があると色合いが華やかになります。
お餅の白、橙(だいだい)の黄色、四方紅の赤に、葉っぱの緑。
葉っぱがあると、全体が凛としまった感じがして、まとまりもよくなります☆
裏白は裏表どちらを上にするか
裏白は、裏が白いという特徴のため、飾るときにどちらを上にするのか迷う方がいます。
白い面を上に、と言われることも多いのですが、地方によっても異なるため、間違いはありません。
裏白の白は潔白や白髪(長寿)を表すのに対し、シダ植物である裏白は延命の意味も含んでいます。
シダは歯朶と書き、齢を延ばすという語呂合わせがあるんです。
また、常緑で葉が落ちないまま、新しい葉が出てくることから縁起の良さを表します。
つまり、裏も表も縁起がよい葉っぱということですね♪
筆者は、心を込めて年神様をお迎えすれば、裏でも表でも、神様は喜んでくださるのではと思います。
ここにも葉っぱがあった!
鏡餅の葉っぱといえば、裏白、ゆずり葉が有名なのですが、もう一か所葉っぱがあります。
鏡餅の一番上に乗せる柑橘類、橙(だいだい)です!
あれはミカンじゃないの?
と思う方がいらっしゃるのも無理はありません。
橙は、ミカン科ミカン属の常緑樹の果実なんです。
面白いのは、冬になっても実が落ちず、2~3年は木になったままです。
そして夏になると、実の色が緑色に戻るという不思議な果実なんですよ☆
味は酸味と苦みが強いので、食用には向きません。
山口県の萩市では、夏ミカンのことをダイダイと呼びますが、こちらはとても美味しいです♪
さて、鏡餅の上に乗る橙を見てください。
立派な葉っぱが付いていますね。
無くても問題はないのですが、葉っぱ付きのほうが見た目がよく、嬉しい気持ちになります♡
葉っぱの処分方法
鏡餅は年神様がパワーを与えてくださったものなので、鏡開きの日に食べます。
ご加護が宿る鏡餅は、包丁ではなく、木槌(きづち)のようなもので割りましょう。
本来の鏡開きは、槌で割る方法が正式で、割る=開くとされています。
一緒に飾った昆布で出汁をとり、お雑煮にしたり、ぜんざいにして美味しくいただきましょう♡
ちなみに、お餅に関する記事はこちらを参考にしてくださいね。
食べられない葉っぱや橙、四方紅などは、どんど焼きなどでお炊き上げして処分してもらいましょう。
神社に行けない人は、塩でお清めをして、半紙などで包み、他のゴミと分けて処分してください。
中には裏白を食べようと考える方も稀にいるようですが、シダ植物の有毒性は明らかになっていません。
また、ゆずり葉は、毒性があるので食べないでください。
鏡餅を綺麗に飾って年神様を迎えよう
師走は、年賀状や大掃除、お歳暮配りに大忙し。
神棚のお神酒や榊も変えて、そして・・・。
健やかに暮らせる感謝の心を込めて、年神様の拠り所となる鏡餅を丁寧に飾ってみましょう。
飾りひとつひとつに意味があることが分かり、心が豊かになりますよ♪