少し肌寒くなり、秋の訪れを感じ始める頃から書店や文房具店に来年のスケジュール帳が並び始めます。
スケジュール帳には、始まり月の異なる物がいくつもありますね。
カレンダーにあわせて、1月はじまりのスケジュール帳が多いですが、4月はじまりのものも同じくらいたくさんあります。
そういえば、年度の始まりは4月になりますが、その理由は何なのでしょう?
今回は、年度の始まりが4月の理由を探ってみたいと思います。
そういえば「年度」って「年」とは違うの?
まずは、年度について確認していきましょう。
1年間の区切りとしては、1月1日に始まり12月31日に終わる「暦年」があります。
これとは別に何らかの目的があって別の区切り方をした1年間の事を「年度」と言います。
だから、「年度」は、実はたくさんあります。
そして、その目的にあわせて、年度の始まりを4月としないものも数多く存在します。
たとえば、
酒造業界用の「醸造年度」の年度の始まりは7月
綿花のための「綿花年度」の年度の始まりは8月
砂糖のための「砂糖年度」の年度の始まりは10月
…などなど。
「年度」の始まりが4月じゃない年度がたくさんあって、実は毎月のように何かの年度が始まり、そして終わっている…なんて、かなり意外ですね!
でも、その業界にいる人にとっては、それが当たり前と言うことだと思います。業界、奥が深い…。
でも、全部キリのいい1月1日始まりにすればいいのに、業界ごとに年度の始まりが違うなんて、どうしてこんな面倒なことになっているのでしょうか?
それは、穀物などの収穫の時期がそれぞれ違うのが主な理由です。
例えば、先ほどの「醸造年度」で言えば、お酒の原料となる米が秋に収穫され、清酒の醸造が10月頃から春頃まで行われ、その後出荷される、というサイクルになっています。
12月や3月で区切ってしまうと、お酒を造っている途中で年度が替わることになってしまって、都合が悪くなってしまうんですね。
4月が年度始まりの理由は?
「年度」は業界ごといろいろあって、始まり月もいろいろだということがわかりました。
でも「年度」というと一般的にはやはり4月始まりだと思います。
人生を大きく決めるターニングポイントとして、入学や入社が4月にありますね。
でも、どうして4月に入学や入社なのでしょう?
それは、会計を目的とした「会計年度」と、学校の「学校年度」の始まりが4月だからです。
では、「会計年度」はなぜ4月始まりなのでしょうか。
まず、公共機関や企業の経営状況や収支状況を把握するためには、一定の期間を決め、その期間内の歳入と歳出を算出しなければなりません。
そして、その一定の期間として決められたのが「会計年度」です。
この会計年度が最初に定められたのは、明治2年(1869年)です。
でもなんと、この時は10月始まりとされていました。
これは、新米の収穫の時期にあわせたためです。
しかし、明治5年(1872年)には、今度は1月始まりに変更されています。
これは、それまで使っていた旧暦から新暦への改暦が行われたため、それに合わせたためです。
そしてさらに、明治19年(1886年)に、また変更され、この時に4月始まりになりました。
これは、当時税収のほとんどが米農家からだったため、秋に収穫した米を販売して現金収入にし、それを3月に国に納めてもらうというサイクルだったためです。
…年度の始まりが4月になるまでには、短い期間にだいぶ紆余曲折があったみたいですね^^;
そして、その会計年度にあわせたため、学校年度も4月始まりとなりました。
学校は、経営に必要な補助金を国からもらうために、国の会計年度にあわせる必要があったのです。
そしてさらに、民間企業で新卒者を一括で採用する方法が一般的であったため、4月に入社式を行うということになったのです。
日本は4月!では海外は…?
一般的な年度の始まりが4月なのは、米の収穫時期が秋なのが最初の理由だったのですね。
日本はお米の国なので納得です!
ですがそうなると、他の国の会計年度はどうなっているのでしょうか。
実は、海外では会計年度が1月始まりの企業が多いです。
欧州、中国、韓国は1月始まりですし、アメリカでは会計年度を自由に決められますが、やはり1月始まりの企業が多いようです。
また、学校年度は、欧州やアメリカ、カナダ、中国などの多くの国で9月始まりになっています。
学校年度が4月始まりなのは、日本、インド、ネパールなど、ごく少数なのです。
実はこれにより、海外へ留学する学生たちが、3月に卒業した後、9月入学まで待たなければならなくなってしまったり、帰国してからの就職のタイミングもまたずれてしまったりしています。
このため、学校年度を海外にあわせて9月始まりにしてほしいという声も上がっています。
でも、これまでの日本の経緯を見ると、すぐに変更するというのはなかなか難しそうですね…。
年度の始まりは4月だけじゃない!
いろいろな事情が見えてきましたが、年度というのは4月始まりにとらわれる必要のないものであるということが分かりました!
スケジュール帳も、自分の都合にあわせたものが一番良いということになりますね♪
新しい年に、新しいスケジュール帳で気分一新したい方は1月始まりのこちらのようなスケジュール帳はいかがでしょう。
こちらの「ほぼ日手帳」は、20年を超えるベストセラーでかなり自由度の高いスケジュール帳です。
また、会計年度にあわせたい方はビジネスシーンでも浮かない高橋のスケジュール帳がやはり定番です。
まだ早いかな?と思われるかもしれませんが、そろそろ次の年のことを見据えて、今からゆっくりとスケジュール帳を検討してみてはいかがでしょうか?
早い準備で良い次の一歩を踏み出せるような気がします♪