大河ドラマの題字や、小説やマンガなどの題字を見て、素敵だなと感じたことはありませんか?
同じ書道でも書く人によって、太さや書体、デザインが異なり、好みも分かれます。
書道家は男女関係なく、就ける職業。
今回は、その中でも注目の女性書道家をご紹介いたします☆
書道家と書家って違うの?
書家(しょか)は「書」の高度な技術と、教養を持った専門家のことをいいます。
書人と呼ばれることもあり、近年では書道家とも呼ばれます。
書家は、古典を根本とし、内面的な美意識を最も重要視します。
対して、書道家は自由に「書」を楽しめる点が特徴です。
書家(書道家)になるための特別な免許や資格は必要ありませんが、人が認める才能は必要ですね☆
女性の書道家の経歴や作品
近年、書道の世界では、女性の書道家が大活躍しています。
では、どんな方が活躍しているのか、有名な女性書道家をご紹介します♪
紫舟(ししゅう):書家・アーティスト
【経歴】
6歳から書道を始め、小学生で書道8段を取得。
大学を卒業した後は、神戸のアパレルメーカーでOLとして働いていましたが、3年後に書家に転身。
京都や奈良で研鑽(けんさん)を積んだ後、2001年に初の個展を開きました。
2014年には、フランスのルーヴル美術館で行われた「国民美術協会展」で、書画・彫刻ともに受賞!
しかも、書画は金賞、彫刻は最高位金賞というから、その実力に驚きです☆
【作品】
代表作は、大河ドラマ『龍馬伝』の題字や、NHK『美の壺』などがあります。
また、内閣官房「JAPAN」や、東京オリンピック関連の仕事などもされています。
岡西佑奈(おかにし ゆうな):書家・書道家
【経歴】
6歳から書道を始め、栃木春光(書家)に師事した後、高校在学中に師範の免許を取得しました。
22歳で書道家として活動を始め、2012年には関澤玉誠に師事し、水墨画も習い始めました。
「自も他もなく、全ては一つであり調和している」という信条を持ち、活動中です。
自然界の「曲線美」を書技として追求した作風は、客を呼び込む文字と評されています。
【作品】
人を惹きつける魅力溢れる曲線を活かし、有名店の看板なども多く手掛けています。
日本テレビ『心に刻む風景』の題字、KOSE雪肌精「みやび」、GINZA SIXの「ぎんざ鏡花水月」など。
近年では、青い地球への想いを昇華させた「青曲」が人気を博しています。
川尾朋子(かわお ともこ):書家・書道家
【経歴】
6歳から書道を始め、2004年より祥洲氏に師事し、「書に生かされている」と強く感じるように。
古典に向きあう日々の中、代表作である「呼応」シリーズが誕生しました。
英語を縦書きにする「二十一世紀連綿」や、自身が文字の一部となる「人文字」シリーズが有名です。
NHK Eテレ「趣味どきっ!」では、講師も務めていたので、ご存知の方も多いと思います♪
【作品】
NHK大河ドラマ『八重の桜』の題字や、阪急嵐山駅「嵐山」などが有名です。
江戸初期に宮城豊盛が建立した「黒谷 永運院」の表門の石碑の揮毫(きごう)も、川尾さんの作品です。
國重友美(くにしげ ともみ):書家・芸術家
【経歴】
6歳から書道を始め、高校の時に書家を目指しますが、大学受験直前に書が書けなくなるスランプに!
その後、英漢字書家になる道を模索中、ホリプロ関係者からの薦めで、お笑いタレントになります。
しかし、タレント活動は書家となるためのステップと考え、活動は1年間だけ。
2003年に大阪で初の個展を開き、書家としての道を歩み始めます。
【作品】
NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の題字のほか、アルファベットを組み合わせた「英漢字」が有名です。
英漢字は、筆記体の「truth」が「真実」という漢字に見えた偶然から、誕生しました。
「一つの文字を見て違う国の人が同じ意味の言葉を、同じ感覚で美しいと思えたら素晴らしいと思う。」
という言葉どおり、漢字としても、英語としても意味が通じる文字を書いています。
例えば作品「海」
日本語で「うみ」と読みますが、パーツにすると英語で「SEA」と読めるんです!
この独特な発想こそが、才能なんですね~☆
金澤翔子(かなざわ しょうこ):書家・書道家
【経歴】
5歳から書道を始め、1995年全日本学生書道連盟展に「花」を初出品。
新生児期に敗血症にかかり、後にダウン症と診断されますが、やがて書家としての才能が開花!
彼女の母も書道家で、講演会や個展などのイベントでは同席されています。
2012年1月には、福島県いわき市に「金澤翔子美術館」を開設し、館長を務めていますよ♪
【作品】
NHK大河ドラマでは『平清盛』の題字を担当しました。
神奈川県鎌倉市の「建長寺」には、「慈悲」、「風神雷神」の作品が奉納されています。
ほかにも、
・中塚翠涛(なかつか すいとう)
→ 中塚翠涛オフィシャルサイト
・成田眞澄(なりた ますみ)
・青柳美扇(あおやぎ びせん)
・涼風花(りょう ふうか)
・万美(まみ)
・真澪(しん れい)
さんなど、多くの女性書家さんが活躍中です。
日本の文字は惹きつけられる魅力がある
こうしてみると、書道家として活躍される方は、5~7歳くらいの幼い頃から書道を始めていますね。
古典的な書、新しい書のほか、最近ではデジタル書道家というジャンルまで登場しています。
文字としての魅力だけでなく、美術的な魅力を備えた日本の漢字。
ぜひ、墨と筆を準備して、自分なりの「書」を見つけてみましょう♪