秋はちょうどいい感じの気温なので、行楽シーズンにピッタリの時期です^^
そんな秋の風物詩の代表格に、紅葉狩りがあります♪
しかし、ただ紅葉を鑑賞しに行くのに何故狩ると言うのでしょうか?
今回は、そんな紅葉狩りの由来について迫っていきます☆
そこには意外と知らない紅葉にまつわる言葉の世界があったのです!
もみじの由来
もみじは、平安時代の頃に「もみち」が濁音化した「もみぢ」から変化し生まれました♪
その「もみち」は「もみつ」が名詞化したものです。この「もみつ」は草木が赤や黄に染まることを意味していました。なお、「もみつ」は「もみづ」とも言います。
ちなみに、「もみつ」は漢字で書くと紅葉つと黄葉つの2つあるのです。実は奈良時代の辺りまでは、黄葉と書くのが一般的でした。例えば、万葉集の和歌に紅葉はごく僅かしか使われていません。
また、紅葉と書くのが一般的なったのは平安時代の頃です!
それで、「もみつ」は「揉み出づ(もみいづ)」が語源になります。
この「揉み出づ」は染め物に対し使った言葉で、紅花を水の中で揉み染料にする意味です。さらに、紅花は真水で揉むと黄色の染料に、アルカリ性の灰汁の中で揉むと赤色の染料になります。
そんな染料の色の変化になぞらえ、草木が色付く様もそう呼ばれるようになったのです^^
狩りの由来
昔、狩りという言葉は獣を捕らえるという意味にしか使われていませんでした。
それから鳥や小動物を捕ることにも意味が広がり、さらには植物や魚介類も含まれるようになったのです。例えば、ぶどう狩りやいちご狩り、潮干狩りといった言葉があります。
そして、茸狩りや薬狩りの様に山に分け入り、何かを採って来ること全般に使われるようになったのです♪
ちなみに、薬狩りは薬草や鹿の若角をとる行事です。なんと、鹿茸(ろくじょう)といって鹿の角が生薬として使われるんです!
それで、紅葉を見に行く際にも山に分け入り紅葉などを拾い集めたことから、紅葉狩りと呼ぶようになったと考えられるのです^^
また、昔は桜を見に行くことも桜狩りと呼んでいましたが、こちらは次第に使われなくなりました…
それと、紅葉狩りには平安時代に狩猟をしない貴族達が現れ、彼らが自然を愛でることを狩りになぞらえたという説もあります。
伝説の名前が由来?
紅葉狩りの由来には、もう一つ紅葉伝説を由来とする変わった説があります。
この伝説は平安時代のお話で、長野の戸隠を舞台にした伝説です!
昔、都で貴族の女中をしていた紅葉(もみじ)という女性が追放され、信州の山里へと流されました。
紅葉は美しく教養があり妖術も使って村人に尽くしたので、初めの頃はとても慕われていたのです。
しかし、都への思いが捨てられなかったのか次第に心が荒んでいき、夜な夜な他の村々を配下と共に荒らし回るようになります。そうした話がついに都に伝わり、鬼女として討伐する勅命が出されるのです!
そして、討伐隊を率いた平維茂(たいらのこれもち)によって討ち取られてしまいます…
ざっと、こんな感じの伝説なのですが、舞台となった地元や書物で伝わる話には様々な違いがあります♪
そして、鬼女の紅葉を狩ったことから紅葉狩りと呼ぶようになったというのです。
また、室町時代から江戸時代にかけ、伝説を元にした紅葉狩という題名の能や浄瑠璃、歌舞伎があります。さらに、その中には紅葉を見物をしていた紅葉と平維茂が出会うという場面があるのです!
紅葉の意味
紅葉には、「もみじ」と「こうよう」の2つの読み方があり、これらは言葉の使い方が違います!
つまり、「こうよう」の場合だと草木が色づいていく変化や色づいた状態を表して、「もみじ」の場合だと色づいた葉っぱを指すのです。
例えば、こうようする木々、もみじの様な手のように使い分けられます♪
では、もみじが指す植物はカエデだけなのかと言うとそうではありません。もみじは秋に赤や黄色に色付く植物全般を指す言葉になります。
ただ、それらの中でもカエデが見事に染まるので、狭義の意味でカエデのみを指すようになったのです^^
紅葉という文化
言葉の由来を追っていると、様々な文化の変化を見て取ることができます♪
例えば、奈良時代あたりでは黄葉と書かれていたことや、狩りが時代を経るごとにより広く使われるようになったことなどです。
また、その時代ごとに紅葉をどんな風に人々が見ていたのか気になってしまいます^^
果たして今と同じ様な気持ちで見ていたのでしょうか?
そんなことを考えて、特に昔から変わらない紅葉の名所を見てみるのも面白いでしょう!