落語同様、日本の話芸として受け継がれ続けている講談。
落語は笑点を始め、寄席でも多く高座で演じられているので知っている人が多いと思います。
では講談は?
今回は、そんな講談にスポットを当ててご紹介したいと思います☆
講談とは?
落語は会話で物語が進んでいきます。
首を左右に振りながら、熊さんや八っつあん、大家やお殿様などの登場人物を一人で演じ分けます。
それに対し講談は、物語を語りながら、間にセリフを挟む形で物語を進めます。
やはり一人で何人もの登場人物を語りますが、落語のように登場人物そのものを演じる訳ではありません。
第三者の目線で語る、ストーリーテラーの役割をしています。
小道具と口調で匠に話を盛り上げ、観客の心を惹きつけ、飽きさせません。
ちなみに、講談で話をすることを、語るや話すではなく「読む」と言います。
でも何かを見ながら「読む」訳ではありませんよ^^
講談に使う道具
落語に欠かせない道具は座布団と扇子、手ぬぐいです。
講談は釈台と呼ばれる小さな机のようなものと、その釈台をたたく、張り扇を使います。
話の盛り上がりに応じて、張り扇で釈台をバン、バンとたたくのが講談の特徴です。
そしてこの「張り扇」、実は非売品で手作りなんですって!
講談師になる人
落語は今でこそ女性の真打もいらっしゃいますが、昔は女性の落語家は殆どいませんでした。
しかし、講談は女性も多く活躍しています。
というより、女性講談師の数が男性を超えました。笑
登場人物を実際に演じる落語は、大工や大家さんやお殿様など、男性の登場人物が多いので、女性が演じると違和感があったのかもしれません。
講談は、女性の真打が増えたことで、後に続く弟子入り志願の女性も増えたのですね。
弟子入りとアマチュア
講談にも落語同様、階級があります。
前座→二つ目→真打と階級名も同じです。
弟子入りが決まると講談協会に入会して、前座修行が始まります。
また、弟子入りは無理だけど講談はやってみたいという人向けに、講談師が教室を開いている場合もあります。(ステマではありません。汗)
プロとして弟子入りするか、アマチュアのまま趣味として講談を愉しむか、悩みどころです。
弟子入りしてから
弟子入りすると、師匠や先輩方の身の回りのお世話や雑用の他、歴史の勉強などもしなければなりません。
ただ好きな講談だけを習う訳にはいかないのです。
師匠や先輩の姿を毎日間近で見て学び、少しずつ講談師として成長していくんですね。
自由時間も少なく、師匠や先輩の持ち物を運ぶなど、体力も精神力も必要になります。
講談では何を話すの?
皆さんご存知の水戸黄門。
これは元々は講談の演目でした。
その他にも大岡越前や、清水の次郎長などのヒーローも元々は講談が始まり。
講談師が巧みな話芸で、沢山の有名人を生み出したのです。
また、夏には怪談も多く読まれます。
四谷怪談や番町皿屋敷、雪女などはご存知の方も多いのではないでしょうか。
食べていけるの?
これは現実的な問題です。
弟子入りしたくても、これが心配で二の足を踏む人もいらっしゃることでしょう。
公表はされていませんが、一般的に講談師の年収は300万~550万前後と言われます。(諸説あり)
ラジオや司会業などもこなし、本業の講談を寄席などで、どれだけ読めるかが勝負です。
落語と比べるとマイナーな感じが否めない講談なので、若手の力がとても重要になりますね。
誰でも講談師になれる?
講談師の弟子入りに、特別な職歴や資格はいりません。
必要なのは講談が好きという熱意です!
弟子入り後は自分の時間や楽しみは封印して、プロとして一人前になるまで踏ん張らなければなりません。
また、歴史好きが講じて…という人や講談を実際に見て惚れた!という人は多いですね。
講談は歴史、特に日本史に関する演目が多いので、好きな歴史を思う存分、自分のリズムで読める(語れる)のは、至福のひと時。
大好きな事を仕事にするのは、長続きする秘訣でもありますね。
講談も落語も楽しんじゃおう!
講談は落語と同じ、寄席で見ることができます。
上野広小路亭や日本橋亭では講談、落語の他、浪曲も楽しむことができます。
一度、寄席に足を運び、一日ゆっくりと日本の話芸を聴き比べてみてください。
落語も講談も、漫才もコントもそれぞれ違いがあって、話芸の幅広さを感じること請け合いですよ☆