伝統工芸の職人になりたいと思っても、何をすれば良いのか全く分からないというのが普通でしょう。
私としては、そういう志を持ってくれるのは非常に嬉しく素晴らしいと思います。
そこで、今回は伝統工芸の弟子入りをするために集めるべき情報と3つの手段についてご紹介します!
また、これを知ると弟子入りに限らず、どの様に伝統工芸に関わっていくかを考える参考にもなりますよ♪
伝統工芸は多種多様!
よく伝統工芸の職人になりたいと言う人がいますが、残念ながらそれではダメです!
なぜなら、伝統工芸は多種多様であり、伝統工芸の職人だとあまりに漠然としすぎているのです。例えば、漆器であったり、織物であったり、焼き物であったりと様々なものが混在しています。
そのため、単に伝統工芸と考えるのではなく何の職人になりたいのか、できる限り絞り込んで下さい。
そのためにはインターネットで検索しているだけでは不十分です。関連する書籍、そういった体験ができる施設や博物館など様々な情報源を当たりましょう♪
例えば、奈良だと以下のような伝統工芸の体験ができる施設があります。
さらに、特定の分野に絞り込んだ後は製造過程も調べてみてください。これは、伝統工芸ではしばしば分業体制が取られているためです。
例えば、漆器だと器そのものを作る木地師、漆を塗る塗師、蒔絵を施す蒔絵師などの職人がいます。
他にも、産地によって製法などに違いがあったりして、伝統工芸は実に多種多様なのです!
なので、そういった細かいところまで調べておくと将来像を描きやすくなります。
集めるべき情報
さて、昨今の伝統工芸は多かれ少なかれ衰退の危機にひんしています…
なので、その様な分野を目指そうと思うなら、その取り巻く環境というのも知っておくべきです!
そこで、まずは以下の3つの情報を集めるようにしてみてください♪
- 都道府県や市町村ごとの公的な支援制度や支援事業
- それぞれの分野における組合の取り組み
- 産学連携など新しい製品づくりに関する情報
まず、公的な支援に関するものでは、特に弟子の育成に関わるものを調べてください。そうすると、自分が何年で独り立ちできるように頑張らなければいけないかが見えてきます。
次に組合の取り組みは、今のその伝統工芸の現状やどう生き残ろうとしてるかを知る手がかりとなります。
3つ目の産学連携とは大学との共同事業や研究を指します。これによって新素材を開発したりと、現代生活により適した製品開発ができるのです♪
他にも、より現代的なデザインを採用をするなど、それぞれの企業ごとに様々な取り組みがあります。
このようなことを知っておくと、この先の伝統工芸について考えやすくなります。
直接接触する方法
伝統工芸の求人というのは、やはり中々見つからないものです。
例えば、以下のサイトではそれなりに多くの求人情報をまとめてくれています。
⇨ 四季の美
しかし、それでも希望する工房などの求人が無い場合は、直接尋ねるより他にないでしょう。
ですが、後継者不足だからといって諸手を挙げて歓迎してくれるとは限りません…
これは、弟子の育成費をどこから捻出するのかという問題があるためです。
というのも、職人が一端に稼げるようになるには十年単位の修業が必要になります。
なお、この期間は専門職なら普通にあって実はどこにでもある話になります。例えば、弁護士や医者などの職業も一人前と認められるには相応の期間が必要です!
ところが、伝統工芸の場合は昨今の需要不足で高級品しかほとんど売れなくなっています。
そうすると、修行中の弟子はそんな物を作れませんから、別の方法で食い扶持を探すことになるのです。
そこで、公的支援策などがあるのですが、基本的に期間限定で十分とは言えない部分もあります…
なので、そうした事情も踏まえて、弟子になったらどうやって食べていくのか考えておく必要があります!
養成施設や事業に行く
次の方法としては、伝統工芸の組合や都道府県などが主催している養成施設や事業に行くことです!
ただ、これだと望む分野の伝統工芸があるとは限りませんし、その情報を見つけるのも大変です。
しかし、直接行くよりかは割りかしとっつきやすいかもしれません。なぜなら、向こうから開催しますよと言ってきているわけですから♪
ですが必ずやっているわけではありませんし、気付いたら締め切られていたり条件が噛み合わなかったりしますので、できるだけ迅速に準備を進めましょう。
大学や専門大学に行く
おそらく一番とっつきやすい方法が、伝統工芸を学べる大学や専門学校に行くことです。
なにせ入学時期などは決まっているわけですから、準備や計画が立てやすいです。
また、この方法では伝統工芸に関するより幅広い知識を手にすることも可能になります!
これについては以下の記事でまとめています。大学でどんな伝統工芸の研究をしているか分かりますよ。
なお、この方法の問題点として挙げられるのは、修行を開始する時期が遅れてしまうというのがあります…
なので、あまり勧めない職人さんもいらっしゃいます。
ただ、どんな方法が良いかは職人それぞれの考え方がありますし、そればかりはなんとも言えません。
よく考えて決断を!
伝統工芸に携わるとは、すなわち職人にならなければいけないということではありません!
もし、その様に考えているのであれば少し視野を広げたほうが良いです。また、無理をして職人になっても長続きはしないでしょう。
例えば私が通っていた大学では、伝統工芸の研究や現代生活に会うデザインの提案などをしていました。
このように、伝統工芸は今や様々な人が知恵を出し合って新たな道を模索しています。
なので、ぜひ自分には何が向いているのか、何をしたいのか、じっくりと考えてみてください。
それでも、やっぱり職人になりたいと望むならその道に進むべきでしょう!
私としては、どんな形であれ伝統工芸の世界を支える人になってくれれば嬉しいです♪