漆器を買った後などに、よく見ると合成漆器とか書かれていて何だろうと思ったことはありませんか?
また買うときも、果たしてこれは本当に漆器なのかどうか分かりづらく、迷ってしまい大変です。
そこで今回は、漆器にはどのような塗料と素地の種類があるのかをご紹介します。
ここを抑えれば、お手入れについても、どのようなことに気をつければよいのかが分かるようになります!
素地には何が有る?
漆器は、器そのものである素地と、その上に塗る塗料でできています。
この2つによって、どんな品質の漆器か決まってくるのです!
それで、まず素地の部分ですが、主な素材として木製と合成樹脂製があります。
また、樹脂に木粉を混ぜた加工品もあります。その他にも、竹とか布とかもあります。ただ、よく見かけるものとしては、木製と合成樹脂製くらいです。
素材の特性としては、木製のほうが断熱性があり、漆のノリが良く耐久性が高いです。また、木のぬくもりや木目を楽しめたりします^^
合成樹脂製は、温度変化による器の変形が少ないこと、安価であることが良い点です。ただし、木製に比べて質感や耐久性は落ちてしまいます。あと、木製より少し重いです。
合成樹脂に木粉を混ぜたものは、質感がある程度木製に近くなったり、耐久性が上がります。ですが、重さがやはり木製のものより少し重くなってしまいます。
塗料には?
塗料には、天然の漆に、合成塗料として主にカシュー塗料とウレタン塗料があります。
天然の漆は、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性に優れた、接着剤としても使われる塗料です。
実は、自然界では最も強固な塗料の1つに挙げられたりもします!なので、水で洗っても構いませんし、洗剤を使っても普通問題ありません。
ただし、表面キズがある場合は水が染み込む恐れがあり、洗剤も研磨剤が含まれていると良くありません。
また、食洗機のように、手で触るのが難しい高温の水にさらされるのも苦手です。電子レンジも駄目です。
それから、天然の漆の最大の弱点は日光です。直射日光に晒され続けると急激に劣化してしまいます。
あと、冷蔵庫も乾燥したりして、特に木製の場合は変形する恐れがありより剥がれやすいです。ですが、棚に保管する分には、直射日光も当たりませんし、日々使えば乾燥も防げます。
さらに、天然の漆は、使っている内により固くなったり、色が良くなったりして長く付き合えます♪
一方、合成塗料は、まず耐光性が天然の漆よりあって、熱にもより強くなっています。なので、手入れがしやすく、値段も手頃になりますので、より気軽に使える塗料だといえるでしょう。
他にも、色の種類が合成塗料のほうが豊富です。ただ、塗ったときの質感や色の深みなどは劣ります。
加えて、非常に長期間での耐久性では、やはり手入れに気をつけた天然の漆の方が優れています。
どうすれば見極められる?
漆器の品質の種類は素地と塗料で決まりました。なので、次はこれらの見極め方です。
この見極め方ですが、素地なら、水に浮かべたり、木目が有るかを見たり、指で弾いたときの音で確認できます。塗料は、見た目で判断するより他にありません。ですがハッキリ言って、素人目には分かりません。私もそこまで正確に見極められません^^; 特に塗料は無理です。さらに最近では、技術の進歩でますます見極めが難しいのが増えています…。
そこで確実に見極めるためには、店なら店員さんに直接聞くか、付属の品質表示を確認してください!
品質表示に天然木とあれば素地は天然木のみで、それ以外は樹脂など、その他の素材が使われています。
また、表面塗装の種類に漆塗装となっていれば、天然の漆で仕上げられたということになります。ただし、仕上げは確かに天然漆でも、なんと途中に合成塗料が使われている場合があるんです。さらに、漆の原産地など、漆自体の品質も分かりません。なので、実際に店で直接聞くのが1番確実です!
これは偽物?本物?それとも別物?
結局のところ、最も漆器らしい漆器といえるのは、木製で天然漆のみ使われたものといえるでしょう。
なら、他に漆器と呼ばれているものは、実は偽物なのでしょうか?
確かに、原理原則を貫けば、偽物と呼ばれてもやむを得ないところがあります。また、漆器に雑多なものが含まれてしまい、消費者に混乱を与えてしまっているとも言えるでしょう。
しかし、現在の漆器業界がそれら無しで成り立つかというと、はっきり言って無理です。
色んな需要がある中、頑なに原理原則に固執していては生き残れません。様々な製品を生み出して、裾野を広げていく必要があります。
なので、私としては消費者自身もそれを理解して、自分で漆器を選べるようになって欲しいと思うのです。