相撲

相撲の“はっけよい”ってどんな意味?土俵上の意外な語源

あなたは相撲を見たことがあるでしょうか。

裸一つで激しく土俵上をぶつかり合う姿は迫力満点です。

そして日本の伝統文化の一つでもあります。

その仕草や、土俵周りなどには多くのしきたりやルールがあります。

そんな格式高い競技で一際目を引くのは審判である行司の掛け声です。

誰もが一度は「はっけよーい、のこった」と真似したことがあるでしょう。

この「はっけよい」って何だと考えたことはないと思います?

今日はそんな「はっけよい」について説明していきます。

はっけよいの意味とは

相撲ずばり、はっけよいってどんな意味なのかを説明しましょう。

 実は大きく分けて3つの説が存在し、それぞれ違う意味を指しています。

相撲自体の歴史は深く、他の儀式やしきたりはしっかりと資料があります。

その一方でこの掛け声に関しては意味がまだ定まっていない、不思議な言葉なのです。

では、はっけよいの意味についての3つの説を紹介します。

【1.「ハヤキホヘ」語源説】

さてこのカタカナを見ただけでは意味不明でしょう。

「ハヤキホへ」というのは昔の言葉で、現代訳すると早く競ってくださいという意味です。

まず、はっけよいの言葉が発される場面は立ち合いの直後のぶつかり合う場面が多いです。

また組み合いが拮抗し、動かなくなった時にも発しています。

つまり動きを促している言葉になります。

他人に動きを促したい時、命令形の言葉を使うのが一般的です。

特にスポーツはその傾向が強いです。

例えば、野球でランナーをホームベースに行かせる時には「回れ」とコーチが言います。

このような命令、指示が行司から力士に昔からあったとする説になります。

相撲では組み合いで動かず、長引かせることは横綱や大関などのスター選手のみ行います。

一方で、一番下の階級の力士は立ち合い前の時間もなく、待ったなしで行います。

相撲の1日の時間割において、階級が高い力士の試合がより最後の方に行われるからです。

先に行われる一番下の階級の力士から時間がかかると1日で終わらなくなります。

よってより動いて早く競うことを促す言葉が生まれたと考えられています。

そして時間が経ち、「ハヤキホヘ」が形を変えて「はっけよい」になったのです。

【2.「発気揚揚」語源説】

次は相撲協会が推している説になります。現状では一番有力な説です。

この漢字四文字の読み方は「ハッキヨウヨウ」です。

そして相撲協会では行事の言葉が「はっけよい」ではなく、「ハッキヨイ」です。

言葉の意味は全力で戦うために気持ちを最高まで高めて下さいということです。

こちらも最高のパフォーマンスを促す、いわば動きを促す言葉と言えます。

こちらは音の変化についても具体的に説明できます。

ハッキヨウヨウからハッキヨウ、そしてハッキョイになり、ハッキヨイになったのです。

相撲において土俵は神々の御前とされています。

神様が観ている前で最高の戦いを見せて、神様に捧げるのが本来の相撲の意味です。

相手に対しての尊敬に欠けた行為は禁止されています。

よって相手に対して露骨なアピールや敵対心は禁じられています。

そんな中で、格式高く、互いの闘志を奮い立たせるために行司が使う言葉なのです。

【3.「八卦良い」語源説】

最後の説は読み方がそのまま「はっけよい」という分かりやすい説です。

分かりやすいが故に一般的に広まっています。

自分の友人も国技館でこの説を聞いたという経験があります。

まず八卦というものについて説明します。

易経という古代中国の偉大な書物に出てくる言葉になります。

この易経は未来を予測する方法を説明した有名な書物です。

様々な事柄の変化について説明し、予測するのです。

その中で、この世界のあらゆることを表す基本的な図を八卦と言います。

この八卦は自然現象や社会現象など全ての事柄に当てはめることができる図です。

この八卦が良いと行司が言っていることになります。

どういうことか、まだ分かりにくいです。

相撲において土俵は神様の御前であると前にも述べました。

この神様が観ている前はすなわち、全てが良い状態にあると意味しているのです。

この「全て」というのを全ての事柄の図である八卦に例えています。

そして準備が整っているから存分に戦ってださいと伝えているのです。

より分かりやすく言えば、準備万端だから全力で戦えということです。

好きな意味を選んで解釈しよう!!!

相撲ここまで3つの語源とそれぞれの意味について説明しました。

大事なことはこの3つの説がどれも正解であることです。

そして行司が力士を全力で奮い立たせていることが分かったでしょう。

また「はっけよーい、のこった」の「のこった」は土俵に残っていることを指します。

「のこった」は技のかけ合い時に発します。

まだ土俵に残っているから戦いを続けて下さいという意味です。

「はっけよい」でお互い最高のパフォーマンスで頑張れと行司が鼓舞します。

「残った」まだ最後まで諦めるなと行司が鼓舞します。

いわば、相撲での一番のサポーターは行司なのでしょう。

これらの説を知った上で見てみると、また違った楽しさがあったりします。

TVでの観戦もいいですが、ぜひ、実際に足を運んでみて下さい^^

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