日本各地には、様々な城があります。また、そんな城はその土地のシンボルになっていたりします。
一方で、城と似たような意味の砦というのはあまり聞きません。有名な砦って何という感じです…
では、そんな城と砦の意味の違いとは何なのでしょうか?城と砦はどの様に分けられるのでしょうか?
今回はその2つの違いを3つのポイントでご紹介していきます☆
そして、実はその違いには日本の城と砦にまつわる歴史的な背景があるのです!
砦の意味って何?
砦に近い意味を持つ言葉に、要塞があります。これを理解すると砦の意味が分かりやすくなります♪
要塞は、ある地域の戦術的、あるいは戦略的に重要な地点に主に防衛を目的として築かれる軍事施設です。そして、要塞には大きく分けて永久築城と野戦築城があり、また永久要塞や野戦要塞とも呼ばれます。
野戦築城は、野戦が実行される際に戦闘を優位に進めるため、その土地に作られた軍事的構築物です。
例えば、塹壕や鉄条網など敵の動きを阻害するもの、指揮所や兵站の輸送路など様々なものがあります。
そして、野戦築城は、どちらかと言えば簡易の要塞といったところです。これは、野戦では戦場が動くので一時的なものになるためです。
しかし、中には戦場が膠着状態になり、永久要塞化してしまう事例もありました。
この永久要塞とは、国境や海岸、重要な都市など落とされてはいけない地点に予め築かれる軍事施設です。
そのため、石やコンクリートなどでより強固に長期的な戦闘に耐えられるように、また味方の避難場所にもなるように作られます。
それで、砦の意味ですが、このような要塞と実はあまり違いがありません…
強いて言うと、砦のほうがやや構築物という意味合いが強いというくらいの違いです。
逆に、要塞は要を塞ぐという言葉の通り、重要な地点を守る軍事拠点という意味合いが強くなります。
つまり、砦とは、要塞の中でもより構築物を意識して指し示す軍事施設という意味なのです!
城の意味って何?
城の元々の意味は、城郭都市でした。城郭都市とは、都市全体が城壁で囲まれ防御された都市です。
日本でも、平城京や平安京などに城門が築かれたりしましたが、軍事的な能力はあまり無い代物でした…
また、他にも堺や博多に土塁や堀で囲われた環濠都市などがありますが、何れにせよ城壁で囲まれたものはありません!
しかし、戦国時代になると支配拠点の防衛のため領主の居城部分だけでなく、城下町全体を堀や石垣、土塁などで囲んだ都市が出来るようになります。
この外を囲む外郭のことを総構えと呼びます。また、外郭に囲まれた内部も含むこともあります。
これに対し、城下町を含まない城の中心部分を囲う掘りや城壁を内郭と呼びます。
総構えの城には、大阪城や姫路城、江戸城などがあります。城郭都市に最も近い形態と言えるでしょう♪
また、総構えの外郭には天然の地形である、川や山も含まれており外郭なのか不明瞭な箇所もあります。
さらに、単に城といった場合は城下町を含まない、内郭より内側のことを指します。
したがって、結局の所、日本で城壁都市はほとんど普及しなかったのです…
そのため、日本では城というと防衛拠点の部分のみを指すようになります。
ちなみに、日本で城郭都市が発展しなかったのには、異民族による侵略が少なかったことや、国土の大半が山がちであったことが理由としてあげられます。
結局、違いは何?
砦は軍事拠点としての意味、城は防衛拠点としての意味がありました。
つまり、砦は軍事拠点なので、攻める時にも守る時にも使われます。また、守る時は中心の本城への進行を防ぐための軍事拠点として築かれたりします。
それに対し、城は領主が住み、政治や経済の中心となる場所になります。
しかし、実際には城と砦は明確に分けられてはいません!かなり曖昧です…
ほとんど砦としか言いようのないものも城と名乗ったりしているのです。
これには、日本で城が城壁都市として大規模な構造を持つものとは定着しなかったことも原因でしょう。
城の役割はそれぞれ!
結局の所、日本では城と砦は明確に区分されずに曖昧なままごっちゃになって使われます。
そのため、城と言ってもその内実は様々になっています!
砦っぽい城から城下町を持った城まで、城それぞれに違う個性や役割があるのです♪
なので、城は防衛拠点だと十把一絡げに考えないでください。
その一つ一つの城が果たした役割を考え知ることで、より深く城を楽しめるようになりますよ^^