江戸切子って良いですよね。万華鏡のようで、どうやって削ったのだろうと考えてしまいます。
でも、江戸切子って、値段がピンキリだと思いませんか?
そこで今回は、そもそも江戸切子はどんな製品なのか?また、なぜ値段の違いが生まれるのか?その要因を解説します!
あなたの本当に欲しい切子探しの参考になれたら幸いです。
その江戸切子、本物?
切子とは、ガラスの表面に溝を切るなどして様々な文様を彫り込む装飾加工法のことです。また、英語ではカットガラス(cut glass)と言います。
そのため、単に切子、あるいは切子ガラスなどと言っても中身は色々あるのです!
例えば、伝統工芸品でなかったり、機械で作っていたり、海外産だったり…色々あります。しかも、それと共に様々な呼ばれ方をしています。
なので、江戸切子を選ぶ際はそれが本物かどうか、きちんと確かめるようにしましょう!
なお、江戸切子と名乗れるのは江戸切子協同組合の認定を受けたものだけです。
その認定条件は以下のようになっています。
- ガラスである
- 手作業
- 主に回転道具を使用する
- 指定された区域(※江東区を中心とした関東一円)で生産されている
詳しくは、江戸切子協同組合のホームページで確認してみてください。目印になるロゴも載っています。
⇨ 江戸切子協同組合
それと、江戸切子は必ずしも色付きとは限りません。スキと呼ばれる透明な江戸切子もあります。
なぜなら、江戸切子は、ガラスに文様を彫り込む技術やその模様そのものを指すからです。
むしろ、江戸時代には透明なものが主流でした!
ちなみに…色付きは色被せ(いろきせ)と呼ばれています。
江戸切子の素材
江戸切子に使われるガラスには、ソーダガラスとクリスタルガラスがあります。
【ソーダガラス】
並生地とも呼ばれる、一般的なガラス素材です。
なので、クリスタルガラスよりも透明度や輝きは劣り、値段も安価です。
しかし、硬さ(丈夫さ)の面では上なので、値段も含めて普段遣いにはもってこいです!
【クリスタルガラス】
透明感や輝きに優れ、しかも重厚感もあります。まさに高級品♪
また、柔らかく加工がしやすいので、繊細な模様が彫り込まれていることが多いです。
また、氷を入れたときの澄んだ金属音も良いとされます。
しかし、欠けたり傷が付きやすいのでお手入れには注意が必要です!
また、よく大量に出回っているのはセミクリスタルといって、本クリスタルよりも質が落ちてしまいます。なので、クリスタルガラスの中でもランクがあるのを覚えておいてください。
手仕事の量は?
伝統工芸品において、その制作費用に大きな割合を持つのが人件費です!
つまり、職人さんがいっぱい関わればそれだけ高くなってしまうのです…
それでどこらへんで違いが生まれてくるのかと言うと、以下の3つの作業になります。
- 器を作る作業
- 模様を彫り込み作業
- 仕上げの磨き作業
まずガラスを整形する作業で、より大量生産に向いた成形方法を取るか、一点物を作るのに向く成形方法を取るかで値段が変わってきます。
また、その成形方法は作る器に適した方法が選ばれるので、器の形も値段を決める一つの要素と言えます。
そして、何より値段の違いを生むのが、どれくらい複雑な文様を彫り込んだかです!
比較的よく目にするような簡単な模様は安く、非常に入り組んだ芸術性の高い複雑な文様は高くなります。この違いによって、高級品は見ただけで別格だなといった感じがします♪
やはり、彫り込む模様の手間暇に比例して値段が上がっていくのです。
そして、もう一つは仕上げの磨き作業です。それと、ここは各社のこだわりがより反映されます。
この仕上げの磨き作業は、大きく分けて薬品を使う方法(酸磨き)と手作業で磨く方法の2つです。
ただ、どちらの方法で磨いたから高くなる訳ではなく、どれくらい丁寧に仕上げたかで値段が変わります!
また、この仕上げの方法によって切子の表情が変わるので、高級品を選ぶのならココもこだわって選びたいポイントです。
良いモノをちゃんと選ぼう!
結局の所、同じ形のグラスで値段に違いが出る決め手となる要因は次の2つです。
- クリスタルガラスかソーダガラスか?
- 模様がどれくらい複雑か?
しかし、それ以外にもガラスの成形方法や仕上げ作業が関わってくることもあります。
特に高級品を選ぶのなら、このあたりにもこだわったほうが面白いでしょう。
ただし、値段が高ければ自分の望んでいるものかというと、そうとは限りません。例えば、ガラスの素材で指摘した通り安いソーダガラスのほうが普段遣いには向いているのです。
果たして芸術性と実用性のどちらを優先すべきか、これは江戸切子に限らず多くの伝統工芸品が抱える悩みでもあります。
なので、自分がそれをどの様に使うのか?よ〜く考えて選ぶようにして下さいねッ!