櫓を組んでその周りでみんなで踊る盆踊り、夏祭りの定番中の定番です^^
ですが、実は地域によって櫓の周りで踊らない多種多様な盆踊りがあります。
では、そんな多種多様な盆踊りに共通する点とは何なのでしょうか?
それを知るためには、盆踊りの起源を探り、今に至る歴史を知る必要があります♪
そして、その変遷の仕方には日本文化の典型的な特徴も見ることが出来るのです!
盆踊りの起源
盆踊りの起源は、まず空也上人が始めたとされる踊り念仏が端緒です。ただし、空也上人が実際に踊ったかどうかの確証はありません。
踊り念仏とは、鉢などを叩き踊りながら念仏を唱える仏教の儀礼の1つです。
その後、踊り念仏は鎌倉時代に一遍上人が、日本全国を巡りながら広めたことで一気に広まります♪
また、踊り念仏における現世の自分たちも救われるという思想もその後押しをしました。
その後、どんどん踊り念仏は普及していくのですが、より娯楽性の高い芸能としての側面が強くなります!
このような、より華美で趣向を凝らす美意識を風流と呼び、鎌倉時代から室町時代にかけて流行しました^^
また、風流化していった踊り念仏を念仏踊りとして区別をしたりします。つまり、信仰としての踊り念仏と芸能としての念仏踊りとに分けるのです。
ただし、一般的には余りこの2つの言葉を区別しないことも多かったりします。
盆踊りの誕生
先程の踊り念仏が全国に広まっていく中で、盂蘭盆会(うらぼんえ)という宗教行事と結びつきます。
また、この頃は踊り念仏が念仏踊りに変わっていく時期でもあります。なので、これらがどの様に結びつき変化したかは地域によって異なり、盆踊りの性格に違いが出るのです。
それで、盂蘭盆会とは昔の中国から伝わった仏教行事で、元々は先祖の霊をもてなし供養する行事でした。それが日本に伝わると、日本古来より伝わる祖霊信仰など民族信仰と結びつきました。
これが現在のお盆へとつながっていきます。また、このお盆もまた地域によって農耕儀礼の性格が強いなど異なる特色があります。
ともかく、お盆と念仏踊りが結びつくことによって盆踊りが形成されていったのです♪
ちなみに、盆踊りが成立した時代は室町時代の頃とされます。
なお、この様に地域によって同じ名前の行事でも違う性格になるのは、日本文化ではよくあります。
例えば、同じく盆に関連する行事では七夕が挙げられます。下の記事をぜひ参考にしてみてください^^
盆踊りのもう1つの側面
盆踊りのもう1つの側面、それは男女の出会いの場になっていたという点です!
盆踊りが成立し、より娯楽性が強まると共に、より性的な要素が強くなったりしました…
なお、地域の結束を高めるためという意味合いもありました。
しかし、江戸時代や明治時代には風紀を乱す元凶として、度々禁止令が出されたのです。特に明治時代は、その様な性に対するおおらかさは近代化に反するとして厳しく取り締まられました。
また、世界大戦中は遊興が禁止され、多くの盆踊りの歴史に断絶が起こります。
それでもなお盆踊りは受け継がれ、今も踊り続けられているのです♪
盆踊りの種類
盆踊りは地域によって様々な種類があります。念仏踊りに近いものや娯楽性に富んだものなど様々です!
そのため、盆踊りを理解するために分類する時に色んな分け方ができます♪
例えば、踊る時の並び方で分類すると輪踊り形式と行列形式になります。櫓の周りで輪になって踊るような形式を輪踊り形式、練り歩きながら踊るのが行列形式です。
行列形式は、徳島の阿波踊りを思い浮かべていただければ分かりやすいです^^
他にも、伝統的な盆踊りと町おこし的な盆踊りにも分けられます。
つまり、最近になり地域活性化などのため盆踊りを踊るようになったところもあるのです。そんな所では、曲にアニメのドラえもん音頭など新しい曲が使われたりします。
多種多様過ぎる日本文化
盆踊りの意味はというと、お盆の行事なので先祖供養のためというのが大元にあります。
しかし、地域により様々なので一概にそうかと言われると、そんなことはありません。中には、もう完全に娯楽としての要素しか残っていない盆踊りもあります。
このような多様な盆踊りの在り方は、柔軟性があるともいい加減とも考えられます。
私としては、様々な側面があるのは日本文化の面白いところでもあると思います^^
また、地域ごとに違いが出るのなら、盆踊りにはその地域の特色が現れているとも言えるでしょう。
なので、気になる盆踊りがあればその成り立ちなどを調べると、その地域の個性を知れて面白いですよ♪