有名な歌舞伎役者さんが登場すると、客席から響く「合いの手」。
合いの手が入ると、人気者のご登場!という印象を受けますね^^
でも、合いの手は、何でもいい訳ではありません。
花火大会の時は「た~まや~!」「か~ぎや~!」ですし、東京音頭や炭鉱節なら「ヨイヨイ♪」です。
え?知らない?
知らざぁ、言って聞かせやしょう。
今回のお題は、歌舞伎の合いの手でございます~。チョンチョーン
合いの手とは
合いの手は、元々は歌と歌の間に伴奏楽器だけで演奏することを意味していました。
今では、歌や踊り、会話などの間にはさむ、掛け声や拍手のことも「合いの手」と言うようになりました。
先程の東京音頭なら、
はぁ~、踊り踊るなら、チョイと東京音頭「ヨイヨイ♪」ですし、
炭鉱節も、
月が~出た出た、月が~出たぁ「ヨイヨイ♪」です。
あ、聞いたことあります? ♪ ヾ(o´д`)ヨイヨイ
歌舞伎の合いの手
歌舞伎の場合は、「○○屋~!」と大声で叫んで?いる人が居ますね。
そう、歌舞伎は屋号があるんです。
有名な市川海老蔵さんは成田屋、6代目片岡愛之助さんなら松島屋…といった具合です。
中村○○さんだから「中村屋」、市川○○さんだから「市川屋」ではないんです。
その他にも「待ってました!」「いよっ!ご両人!」など、屋号でない掛け声も聞こえます。
合いの手や掛け声が掛ると、場が一層盛り上がりますね♪
屋号って何?
老舗の旅館やお店などにも屋号がありますが、歌舞伎役者さんにも、それぞれ屋号があります。
明治時代より昔は、武士と町人、町人と百姓などの身分違いがありました。
町人や百姓は苗字も持てず、下の名前だけで呼び合っていた時代があったのです。
芝居小屋の役者も身分が低いとされていました。
歌舞伎役者のことを「河原乞食」と呼んでいたこともあったんです。
差別用語ですね。ヽ( `Д´)ノ メッ
歌舞伎の創始者が、京都の鴨川の河川敷で踊ったことが所以です。
ところが、1708年に商人の階級が上がり、身分の低い役者も商売を初めて良いことになりました。
商売を始めるには、○○屋と名前を付ける必要があり、それが屋号となったのです。
誰が声を掛けてるの?
このような掛け声のことを「大向こう」と呼ぶこともあります。
大向こうとは、舞台から最も遠い席のことを差しますが、基本はこの席に座る人たちが声を掛けています。
大向こうの会というのも存在するんですよ~☆
場にピッタリのタイミングで、威勢の良い掛け声が掛ると、場が盛り上がります。
しかし、誰彼構わず声を掛けてしまうと、舞台が台無しになってしまうことにもなりかねません。
なので暗黙のルールとして、舞台に近い1階の客席からは声を掛けるのはNGとされています。
大向こうに座れる人
有名な歌舞伎座の場合、大向こうは「3階後方奥の幕見席」とされています。
ここに座るのは、木戸銭御免と呼ばれる、入場料が無料のご常連方です。
東京には「弥生会」・「寿会」・「声友会」があり、入会はスカウトなのだとか。
しかも男性のみとされています。
ここにも男性優位の歴史が残っていますね(*´Д`*)
(相撲や野球、かつては落語もそうでした)
あ!席に座るのはもちろん女性でも座れますよ♪
声を掛けるタイミング
一般的なコンサートやライブでも、歌の途中で「○○くーーん!」とは声援を掛けませんよね。
市民権を得た「ヲタ芸」も、事前に練習をして、歌う人の邪魔をしないよう配慮されています^^
それと同じで、歌舞伎も声を掛けるタイミングがちゃんとあります!
今からセリフを言おうとしている役者に、間の悪い掛け声を掛けてはいけません。
舞台は「間」がとても大切ですから、まずはタイミングを学びましょう。
常連客になって、大向こうの会の方々からスカウトされるまでは芝居を楽しみましょうね♪
私も声を掛けたい!
大向こう以外は絶対にダメという決まりはありません。
適切なタイミングで、大向こうの会員の方々も「おっ?」っと思うような掛け声を掛けることが出来れば、それで良いのです。
汎用的な掛け声は「日本一!」「待ってました!」など。
歌舞伎の場合、見得が決まったタイミングや花道に捌けていく時などが良いでしょう。
歌舞伎好きの筆者の知人は、4代目市川猿之助がまだ、二代目市川亀治郎だった頃に、「亀ちゃ~ん!」と声を掛けたとか。
しかも、ドラゴンボールに出てくる亀マーク入りの幕を広げて…。
さぞ目立ったことでしょう(笑)。(*´艸`*)
芝居は庶民の娯楽
元々芝居は、庶民のための娯楽から始まったものです。
楽しむためにあるものですから、自由に楽しみましょう♫
但し、他のファンの皆さんも、一緒に楽しんで盛り上がれる楽しみ方を心掛けてくださいね^^
その方が二倍、三倍に楽しむことができ、ますます歌舞伎の魅力に惹き込まれることでしょう☆