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生け花の歴史をサクッと簡単に解説!日本の素敵な伝統を改めて見直そう!

生け花というと、着物をきっちり着た女性と和室の組み合わせ。

そんな少し堅苦しいイメージを持つ人も少なくないでしょう。

しかし生け花は、日本の歴史に根差したことにより、現代まで続いている伝統文化と言えます。

こちらの記事では生け花の歴史をざっくりとご紹介します。

生け花と歴史、難しそうな組み合わせで腰が引けちゃいそう・・

しかし、そんなあなたにこそぜひ歴史の扉を紐解いてほしいのです。

生け花の歴史を知ることで、日本の文化の楽しさを改めて知ることができますよ。

生け花とは

生け花2

生け花とは名前の通り「花をいける」ということです。

これは単純に水やりなどをして生かしておくということだけではありません。

その花が最も美しくなるように「生かす」という意味も含まれます。

華道とも呼ばれますが、生け花よりもさらに芸術の道を究めるという意味合いが強くなります。

生け花には様々な流派や手法があり、花の美しさを引き出すために日々花と向き合ってきました。

生け花の歴史を簡単に解説

生け花3

それでは、生け花の歴史をざっくりとご紹介しましょう。

歴史を知ることで、これまで何気なく見ていた生け花の見方もぐっと変わってきますよ。

いつからはじまったのか

生け花のルーツは仏教とされています。

現代でも仏前にお花を供えていますが、そうした文化は昔から根付いたものです。

日本に仏教が伝来したのは飛鳥時代ごろと言われています。

日本には四季があり、季節によって様々な花が咲きます。

万葉集や古今和歌集などにも花がたくさん登場していますよね。

季節の花をいつくしむという日本人の心に、仏教の花を供えるという文化がフィットしたのでしょう。

現代にまでつながる生け花の流れ

現代につながる華道の基礎を築いたのは、室町時代ごろと言われています。

15世紀半ばに池坊専慶により始められた流派が最も古い流派となります。

専慶はもともと京都の六角堂の僧侶でした。

あるとき武士に招かれて挿した花の姿が京都で評判になったことが記録に残っています。

それはお供えとしての花という概念を超えたものでした。

その後、専応により生け花の基礎理論が確立され、技術が体系化されました。

花の流派として現代にもつながる池坊ですが、初代は安土時代の池坊専好と言われます。

専好は豊臣秀吉にもその技を披露したことで知られています。

また、室町時代には茶の湯が広まり、華道の発展にも大きな影響を与えました。

戦国時代が終わり、江戸時代に入ると世の中が安定していきます。

そうした時代の流れで、江戸時代中期以降は生け花が庶民へと広がります。 

それまでは立花と呼ばれる伝統的な技法が中心でした。

しかしこれにたいして生花(しょうか)と呼ばれる新たな技法が生まれました。

生花とは3種類までの花材を使い、軽やかに生けるのが特徴です。

この形式が現代にまで続く生け花のスタイルとなります。

創始者が僧侶だったこともあり、生け花は元々は男性中心でした。

その後明治に入るとさらに広がりを見せます。

京都の女学校で華道の授業が始まることにより、女性の間にも生け花が普及されました。

茶道と並んで、結婚前の女性のたしなみとして生け花も推奨されるようになったのです。

結果、近年では男性よりも女性のほうが生け花人口が多くなりました。

世界に広がる生け花の魅力

歴史とともに日本国内に広がりを見せていた生け花。

江戸時代末期から明治時代にかけてはヨーロッパにも紹介されました。

これにより、西洋のフラワーアレンジメントにも大きな影響を与えます。

パリ万博などでジャポニズムが流行し、日本文化への関心が世界的に高まりました。

その結果、生け花が高く評価されたのです。

昭和に入り、終戦後はさらに世界に生け花の文化が広がるようになりました。

アメリカのサンフランシスコに華道の事務所も開かれるようになったのです。

生け花の代表的な流派

生け花4

それでは、生け花の主な流派についてご紹介しましょう。

池坊

華道の祖にして最古最大の流派です。

正式名称は池坊で、池坊流とは呼びません。

京都の六角堂の僧侶が仏前に花を供えたことを起源とします。

開祖は池坊専慶。

元々は立花が基本の技法ですが、現代では基本の技法をもとに自由に生けられています。

専慶流

江戸初めの華道家 冨春軒仙渓により創始された流派です。

立花の名手として知られた仙渓は100種類以上の立花作品を掲載した著書も多く作りました。

この著書は「華道論集」として生け花の資料として保存されています。

未生流

江戸時代に未生斎一甫と未生広甫により創始された西日本中心の流派です。

直角二等辺三角形のバランスで花を生けることが特徴です。

嵯峨御流

京都の大覚寺が開祖とされる流派。

古くから伝わってきた伝統にのっとって生ける伝承花と呼ばれるスタイル。

それ対して花や草木の自然な美しさに行ける人の心を表現する心粧華スタイル。

この相反する2つのスタイルが存在するユニークな流派です。

小原流

明治時代、池坊に学んだ小原雲心が創始した流派です。

盛花(もりばな)と呼ばれる花を盛るように行ける斬新な作風。

しかし創始当初はなかなか受け入れられませんでした。

その後時代が進み、西洋文化が日常生活に取り入れられるようになりました。

そして一般市民を中心に人気が出てきて、現代にいたります。

草月流

1927年勅使河原蒼風により創始されました。

花を生ける過程そのものを実演したり、音楽や照明などの演出が入ることがあります。

どちらかというとパフォーマンス色の強い流派と言えるでしょう。

 

流派についてはこちらの記事もご参考になさってください。

生け花の歴史を知って生活の中で花を楽しんでみよう

生け花5

ここまで生け花の歴史や流派についてご紹介してきました。

とても生け花というと、堅苦しくて難しいイメージを強く持たれるかもしれません。

確かに生け花誕生のころは、貴族や武士といった身分の高い人々の間で行われていました。

しかし、時代が移り変わり一般の人々も生け花を楽しむようになりました。

そして現代まで生け花という日本文化が息づいてきたのです。

生活の中にお花があると、ほっと一息ついて心から癒されます。

形にとらわれず、まずは1輪テーブルに飾ってみるところから生け花の世界を楽しんでみてくださいね。

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